BLUE ENCOUNT「バッドパラドックス」声に隠されたSOS

BLUE ENCOUNT「バッドパラドックス」声に隠されたSOS

BLUE ENCOUNT「バッドパラドックス」
声に隠されたSOS

2019年の夏ドラマの中でも特に話題を集めた『ボイス 110緊急指令室』。
その主題歌を手掛けたのは、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのBLUE ENCOUNTである。
複雑に絡み合う人間模様と、冷や汗が伝うようなサスペンス。ドラマのストーリーと絡め、楽曲に込められた想いを探りたい。
架せられた十字架と使命
バッドパラドックス 歌詞 「BLUE ENCOUNT」
https://utaten.com/lyric/qk19085058
主人公であるECU出動班の樋口。救いを求める被害者の「ボイス」の分析を頼りに、現場に駆けつけ救助にあたる。
序盤の歌詞は、そんな彼が一刻も早く被害者を助けようとする想いや、その信念の堅さを示す歌詞が多いように思える。
しかしそれはおそらく、彼が背負う十字架をも表しているのだ。

バッドパラドックス 歌詞 「BLUE ENCOUNT」
https://utaten.com/lyric/qk19085058
彼は、大切な人を守ることができなかったという大きな後悔と執念を抱えながら、日々奮闘している。
きっと人々が救いを求め通報する声は、あの日救えなかったその人の声と重なるのだろう。
だからこそ、その声の主を救うことは彼の使命なのである。1分1秒を争い、張り裂けるような声の元へと走り続けるのだ。
BLUE ENCOUNTが生み出すサイケデリックで疾走感のあるメロディは、その想いを加速させる。
助けを求める人の「声」
バッドパラドックス 歌詞 「BLUE ENCOUNT」
https://utaten.com/lyric/qk19085058
辛い経験を乗り越え前へ進むことを強いられた樋口。
そこへ至るまでには、自暴自棄になり生きる目的を見失いかけていたことが、ドラマでも描かれている。
上記の歌詞は、そんな彼が進むべき道を見失った時の、犯人や世間に対して感じる憎しみと、自分自身への怒りを抱える様を表しているように思えるのだ。
『ボイス 110緊急指令室』では、様々な状況に置かれた人間から救いを求める声が届く。
助けを求める彼らやその加害者の中には、当時の樋口と同じ感情を抱える者もいるだろう。
その経験を乗り越えたからこそ、彼は懸命に被害者の声を求め、真実に近づこうとするのだ。
それこそが、彼に見えた「歩くべき道」なのである。
その「声」を、追い求める
バッドパラドックス 歌詞 「BLUE ENCOUNT」
https://utaten.com/lyric/qk19085058
さて、樋口と共にECUにて活躍する橘という女性。些細な声の変化さえも逃さず読み取る、類い稀な能力を持つボイスプロファイラーである。
被害者からの通報を受け、樋口たち出動班が到着するまでは、最も声の主に近いところで接する立場にいる彼女。
被害者と密接に対話をしているにもかかわらず、現場に出ることはほとんどない。もどかしく悲しい、心を痛めたであろう場面も多数描かれていた。
しかし、そんな悲劇を乗り越え、彼女は助けを求む人々の「ボイス」を聴くことを止めずにいる。
それどころか、今まで以上にそれぞれの声の主へ心を寄せ、助けたいのだという心を剥き出しにして接しているようにも見える。
キレイごとだけで済ますことのできる仕事ではない。
それを身をもって知ったうえで、それでも被害者と向き合い彼らを助けようと努める彼女の姿は、とても勇ましく美しいものだ。

バッドパラドックス 歌詞 「BLUE ENCOUNT」
https://utaten.com/lyric/qk19085058
そんな彼らの裏では、それを包み込んでしまうような大きな悪がうごめいている。
自身や家族も何度も危険な目にあいながら、それでもそこへ立ち向かっていこうと走り続ける。
もしそれが犯人の思惑通りに踊らされているだけだとしても、彼らは真実を追い求めることを止めないだろう。
忘れたいと願うほどの辛く悲しい過去に苦しみながら、それから逃げることも、諦めることもしない。
ただひたすらに声を聴き、被害者に寄り添い、巨悪を暴こうと奔走するのだ。
そんな巨悪が明らかになり、いよいよクライマックスを迎える。
彼らは、そして視聴者である我々は、どんな真相とエンディングを目の当たりにするのだろう。
本作中で最後に聴くことができるBLUE ENCOUNTのこの曲を噛みしめながら、見届けたい。
TEXT 島田たま子

アーティスト

UtaTen

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