【FOMARE・山人音楽祭 2019】若手急
先鋒バンドが曝け出した、山人への特
別な想い

山人音楽祭 2019【榛名ステージ】 FOMARE
どんなバンドマンにも自分が楽器を手に取るなり、本格的にバンドを転がしていこうと思うきっかけになったライブがあると思う。FOMAREにとってはこの『山人音楽祭』の前身『GUNMA ROCK FESTIVAL 2012』のアマチュア・ステージに出場したことが、それに該当する。そのフェスにプロになって出演するということがどういうことか。あらゆる職業の人に想像してほしい。
定刻通り、ライブはスタート。アマダシンスケ(Vo/Ba)の声がよく通る。カマタリョウガ(Gt/Cho)は渾身の力でコード・カッティングを高速で続ける。アマダの作る歌は、終わった恋にまだ未練を残していたり、思春期〜青年期の未熟さや独占欲、後悔さえもガソリンにしてファストなパンクに昇華しているフシがあるけれど、そのどんな細かい感情にも嘘がない。クラウドサーフするファンもBPMの速さで荒ぶっているだけじゃないのは確か。くすぶる気持ちをFOMAREのバンドサウンドで昇華したいのだ。
FOMARE

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去年は初日の榛名ステージのトリを飾った彼ら。1年の間に若手急先鋒として着実に実績を積み、そして今年は2日目の榛名で大トリである。一気に4曲、突っ走るように演奏した彼らは、そのことについて触れた。アマダは「自分たちのライブより、他のどんな先輩のイベントより引き締まる思いがします。去年と同じ榛名ステージ、時間も同じ。去年と同じじゃないか?と思ったけど、人、倍はいます」と、歓喜を隠せない様子。一歩ずつでも前に進んで「音楽でなんでもできることを証明したいと思います」と、このフェスでの立ち位置はもちろん、バンドの成長についてもむき出しの野心を覗かせる。
FOMARE
後半は日本語ロックの名曲的な佇まいも漂わせる「5cm」や「新しい歌」で大きなシンガロングを巻き起こし、最後は「ありがとう、ほんとにありがとう! 来年はあっち(赤城ステージ)で会おう!」と、とことんこのフェスへのこだわりを見せた。
大トリのG-FREAK FACTORYのステージに急ぐ人がいる一方、前方から離れずアンコールを求めるファンの声に舞い戻ったFOMAREは「G-FREAK見たいからサッとやっていきますね!」と言いつつ、これまた切なくも愛おしい名曲「Lani」を演奏。アマダはマイクをファンに向けともに歌い、背面ダイブを決めてみせた。彼らはこれからも背負うつもりなのだろう、群馬出身のバンドであることを。

文=石角友香 撮影=半田安政
FOMARE

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