【この2.5次元がすごい】圧倒的なパ
フォーマンスと再現性の高さは健在「
あんステ」の魅力

 2.5次元の舞台でどうしても気になってしまうのは、そのキャラクターたちの再現性です。これはもちろん、役者さんたちがどれくらいかっこいいかということではなく、どれだけキャラクターを違和感なく演じられているか、ということではないでしょうか。アニメや漫画、ゲームの中ではカラフルな髪色や特徴的なコスチュームを着ていることが多いキャラクターを決してコスプレではなく、その場に感じられるように演じなくていけないというのはかなりのプレッシャーのはず……。今回ピックアップしたのは数ある舞台の中でもキャラクターの再現性の高さが注目されている「あんさんぶるスターズ!」の舞台シリーズです。
 原作は2015年にリリースされたスマートフォン向けのゲームで、ダウンロード数は300万を突破している大人気シリーズ。待望のテレビアニメも今年放送されていて大きな話題を集めていましたね。その「あんスタ!」の舞台化は16年が初演。今年8月からは原作のイベントストーリー「出航! 海上の海賊フェス」と「追憶*それぞれのクロスロード」の2本をUNDEADがメインになる公演として上演されていました。それが「『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Destruction×Road~」です。様々なアイドルユニットが存在する夢ノ咲学院を舞台に、その中でも最も背徳的で過激と言われているアイドルユニットがUNDEAD。彼らがどんなステージを見せてくれるのか、その公演の様子を紹介します。
会場を盛り上げる圧倒的パフォーマンス
 公演は第一幕と第二幕に分かれていて、第一幕ではキャラクターたちの1年前の姿を描く「追憶*それぞれのクロスロード」が描かれます。荒れている学内をなんとかまとめようと宮澤佑さん演じる蓮巳敬人が小南光司さん演じる生徒会長の朔間零を巻き込み、革命を起こそうとするストーリーです。地下のライブハウスを中心に展開される思惑の絡み合いと、それを彩るロックなパフォーマンス。零、敬人に加え、赤澤遼太郎さん演じる大神晃牙、武子直輝さん演じる鬼龍紅郎も加わり、舞台オリジナル楽曲となる「Black Ball-Room」も披露されました。「あんステ」の魅力といえばやはり、ライブパフォーマンス。4人のビジュアル、パフォーマンス、そして力強い歌声は私たちの期待に応えるように会場中を盛り上げてくれました。
 そして、第二幕「出航! 海上の海賊フェス」はUNDEADと流星隊が海の家でフェスを行うという物語。海賊の衣装をイメージしたUNDEADと海軍をイメージした爽やかな衣装を着ている流星隊が海の家とフェスを盛り上げます。守沢千秋を演じる佐伯亮さんは公演前の会見で「今回、初めて流星隊に舞台オリジナル曲ができました! 自分たちでもやっていて鳥肌が立つ瞬間が何度もある」と話していました。その楽曲が「Sail Away! Go your way!」です。「あんステ」の大きな魅力であるライブパフォーマンスと、それを演じるキャストの皆さんの完成度の高さはさすがで、会場も大盛り上がりでした。
キャラクターの成長を感じさせる二つの物語がつながる演出
 もちろん、パフォーマンスだけではないのが「あんステ」。第一幕ではそれぞれのキャラクターがどうやって学院や自分自身、そして仲間たちと向き合うという物語もしっかりと描かれシリアスに熱い展開が繰り広げられます。宮澤さんも「朔間零役の小南くんとたくさん話をして作ってきたふたりの関係性を見ていただけたら」と話す通り、ふたりがそれぞれ信念を持ち向き合うストーリーにはハラハラさせられました。
 そして、第一幕とは反対に和気あいあいとした明るさのあるのが第二幕です。会場を巻き込んでのアドリブも飛び出す楽しいステージに、観客からも笑いが起こっていました。また、楽しいだけではなく、第一幕からの時間経過を見ることができ、それぞれのキャラクターの成長も感じることができます。例えば第一幕では少し頼りなかった守沢千秋が、第二幕では流星隊のリーダーとしてチームをまとめあげていました。それぞれ独立した物語でありながらも、時間軸を追って見ることができるので、彼らの1年に思いを馳せることができる演出になっていたのが印象的です。
 「あんステ」史上いちばんキャスト数が少なかった今回の公演。だからこそ個々のキャラクターの魅力をたっぷりと感じることができたのではないでしょうか。早くも次回作「『あんさんぶるスターズ! エクストラ・ステージ』~Night of Blossoming Stars~」も発表され、これからもますます加速度を増しそうな「あんステ」。次はどのようなステージを見せてくれるのか楽しみですね。
 今回の公演も9月29日午後5時上演の大千秋楽はライブビューイングが決定しています。まだ見てないという人には見逃せませんね。

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