【AIRFLIP インタビュー】
“NEO”と“NEON”を掛け合わせた
“NEO-N”というタイトルに込めた
新たな決意
伝説のバンドYELLOWCARDの元フロントマンであるRyan Keyをプロデューサーに迎えたメジャー1stフルアルバム『NEO-N』。ポップパンクにとどまらないサウンドの広がりは、AIRFLIPの存在をさらに多くのリスナーにアピールすることだろう。そんな本作の聴きどころをSatoshi(Gu&Vo)が語ってくれた。
キャリア初のフルアルバムは、
再録も含む集大成と言えるものに
3月にリリースしたミニアルバム『Friends In My Journey』 を引っ提げた前回のツアーは、バンドにとって新たなステップになったんじゃないかと思うのですが、どんな手応えがありましたか?
AIRFLIPがどんなライヴをするバンドなのか、これまで以上にはっきりと提示することができたと思います。来てくれるお客さんも、さらに濃いファンが多くなったんじゃないかな。特に7月に東名阪でやったファイナルシリーズは、みんなの拳のあがり方にも熱がこもってたと思います(笑)。ツアーを通してバンドがワンステップ上がることができましたね。
今回のアルバムのレコーディングは、そのツアー中に行なわれたそうですね。
そうです。4月にまるまる1カ月掛けてレコーディングしました。だから、4月はライヴの本数が少ないと思ってたファンもいたんじゃないかと思うんですけど(笑)。
実はレコーディングに専念していたと。ライヴの本数を減らして取り組んだだけあって、アルバムはとても聴き応えあるものになりましたね。最初に聴いた時、まず音の良さにびっくりでした。
おっ、ありがとうございます。これまでよりもギュッとなった感じは、僕らもあります。
そのせいかすごく聴きやすくて、曲の魅力がよりいっそう際立ったようにも感じられました。
それはRyanのエッセンスが全曲に入っているからだと思います。今回、アレンジから加わってもらって、僕は英語の歌詞も見てもらったんですけど、Ryanはチューニングひとつとってもシビアな耳を持っているので、今まで以上に時間を掛けて、丁寧にやっていったんです。普通の人には聴き分けられないような音のずれを、“気持ち悪い”って指摘できる絶対音感を持っているんですよ。だから、ギターは特に大変でしたね。それこそ弦1本のずれを聴き分けられるんで。弦を押さえる指の力加減でも変わるし、ピッキングの力も一定にしておかなきゃいけないし。すごく勉強になりましたけど、そこが一番大変でした。ドラムのスネアの音も全部ピッチを合わせたから、これまでよりもギュッとしたっていう印象はあると思います。なので、曲の良さが際立ったと感じてもらえたんじゃないかな。
Ryanがそういう作り方をすることは、もともとご存知だったのですか?
いえ。どんなふうにやってくれるのか、僕らもわくわくしてました(笑)。まず僕らで作ったデモを“これを録ろうと思っています”って投げて、そこから話し合いをしながら、どういうサウンドにするか決めていったんですけど、実際にレコーディングを始めるまで、そこまでシビアに一音一音にこだわってやるとは思ってませんでしたね。
完成させた今、どんな作品になった手応えがありますか?
今までよりも洗練されたものになっているし、メジャー1stフルアルバムってことでも…っていうか、キャリアの中でもフルアルバムは初めてなんで、集大成と言えるものになっていると思います。AIRFLIPを知らない人にも届くということでは、これまでで一番なんじゃないかな。
いろいろなタイプの曲が収録されていますが、そういう幅広さは意識したものなのですか?
それはRitsuya以外の3人…Gucci、Fujimon、僕がそれぞれに作った曲が入っているからだと思います。それと、今のラインナップになる前からあって、過去にデモ音源として出したことがある「Lost Wave」を入れたことで、より幅が広がったというところもありますね。「Lost Wave」はライヴでもずっとやってきているし、集大成のアルバムになるんで入れようってことになりました。
確かに「Lost Wave」は…
現在のラインナップになってからはないような曲ですよね。
そうですね。こういうマイナー調のメロコアはなかったですね。フロアーの熱量をグッと上げることができるから、ライヴではずっとやってきてたんですけどね。
再録と言えば、「Days In Avenue」と「Brand New Day」もそうですね。
はい。1stEPということで「Brand New Day」で僕らのことを知ってくれた人も多いと思うんですよ。そういう意味では僕らの代表曲だと思うので、集大成と言うからには入れないわけにはいかないと思って、アレンジをちょっと変えてレコーディングし直しました。
「Days In Avenue」はRyanがフィーチャリング・ヴォーカルで参加していますが、“どうせなら新曲で”という考えもあったんじゃないかと思うのですが。
Ryanのお気に入りなんですよ。“自分の中ではこれがリードトラックだ”って言うくらい好きになってくれたんです。今回もチャンスがあったらコラボレーションしたいと思っていたので、“それなら一緒に歌ってほしい”とお願いして、MVにも出てもらいました。