L→R 佐藤健一郎(Ba&Cho)、福田裕介(Dr)、山崎 陸(Gu&Cho)、小池貞利(Vo&Gu)

L→R 佐藤健一郎(Ba&Cho)、福田裕介(Dr)、山崎 陸(Gu&Cho)、小池貞利(Vo&Gu)

【teto インタビュー】
リアリティーこそが
自己投影できる最大の手段

“バンドは楽しい”という
シンプルなことを声を大にして言いたい

切実でストレートな愛を歌う「不透明恋愛」をはじめ、小池さんの歌声がやさしく柔らかな印象を受ける楽曲も多々ありました。

基本的に大袈裟にしないと伝わらないと思っているので、振り幅も大きくしました。自分も人間なので温かい曲は温かい気持ちでないと歌えないという想いがあり、温かい気持ちになれる日までレコーディングを早く切り上げたり、キャンセルしたりしてしまいました(笑)。あの時は、ごめんなさい。

「コーンポタージュ」は聴いていると画が思い浮かび、小説を読んでいるような感覚になりました。ご自身での実体験や具体的なワンシーンが頭の中にあったり、他の楽曲制作と違った部分はありませんでした?

例えば、フィクションであれど、自分自身が体験していることや自分の過ごした時間に近いもののようなリアリティーを感じることができなければ、その世界観に没入できないと思うんですよ。リアリティーこそが自己投影できる最大の手段だと思うので、できるだけ細部に渡って自分の過去を切り取りました。リアリティーをまったく感じさせないフィクションも素敵ですが、演技や嘘を少しでも匂わせてしまうと発信側も受け手側も楽しめたり、没入できないと思うので、それはできなかったですね。

ラブソングと思える曲も多かったのですが、中でも「時代」「LIFE」などは、今は隣にいない人のことをポジティブに綴っている印象が強かったです。

恋愛ってとても素晴らしいと思うのですが、自分自身は人生が揺れるほどの大恋愛というものを経験していないので、どちらかと言うと友人や家族、もう会わなくなってしまった全ての人たちのことを考える割合の方が大きいです。会えないことは決してネガティブなことではなく、日々を一生懸命過ごしていれば、約束せずともまたいつか必ず会えるだろうと信じています。

「全肯否定」は現代社会と自分自身を歌うようなスケールの大きな楽曲で、《俺が俺のまま在り続けるなら生きる意味よりも生きる意志か》という核心に迫るフレーズにハッとしました。溜めに溜めた想いを振り絞った一曲だったのではないかと。

振り絞って振り絞って生まれた歌詞でした。本当に悩みましたね(笑)。この曲全体に言えることですが、こういった想いを言葉にするのは無粋になったり、品がなくなってしまうのではないかとも考えました。それでも言葉にしていく覚悟や、言葉にしたことで実行していく意思を持つべきだと半ば自己満足の意識もありましたし、自分の他にもそう思ってくれる人がいたら嬉しいです。ラッキーだし、またまだいっぱい楽しめそう。

ラストは「LIFE」で軽やかに締め括られているのが新鮮でした。一歩引いて過去を思いながら“今”を歌っている楽曲で、充実感もあるような。

アルバム終盤に掛けて完成した曲です。ツアー中のオフの日にわざわざ大阪のスタジオに入って作ったことをよく覚えています。周りの人に嘘を付いてしまったり、理想ばっか語ったり、情けないことをしてしまうことがたくさんあるのですが、嘘も真実になるし、理想も現実になると思っていて。何より小難しいことは置いておいて、“バンドは楽しい!”っていうシンプルなことを声を大にして言いたいです。

オルタナロック、ガレージサウンドの他にもシンセを使ったナンバーやストレートなラブソングが入っていたりと、ところどころで新鮮味を感じつつも全15曲それぞれから“これがtetoだ!”という自信を感じる一枚でした。ご自身ではどんな作品に仕上がったと思いますか?

誰かを愛したり、誰かを守ったりしたい。その反面、誰かを妬んだり誰かを恨んだりしてしまう。陽の当たるところには必ず影ができるように、日常の中でさえ、こんなにも人の気持ちは渦巻いています。自分はその両方を大切にしたいし、歌っていきたい。そして、できたらその両方がこぼれ落ちないように抱えながら最期がくるまで走り続けてみたい。その感情が音になったと思います。

最後に11月からスタートする『teto 47都道府県ツアー「日ノ出行脚」』の意気込みを聞かせてください。

全国隅々まで行くので、毎回会える人やたまに会える人、会えなかった人や会わなかった人に会えるかもしれません。会えたあとも巡り巡ってまた会えるように、やらなきゃいけないことをやり続けたいですね。

取材:千々和香苗

アルバム『超現実至上主義宣言』2019年10月23日発売 UK.PROJECT
    • UKCD-1182
    • ¥2,600(税抜)

『teto 47都道府県ツアー「日ノ出行脚」』

11/15(金) 千葉・千葉LOOK
11/28(木) 福島・郡山CLUB #9
11/30(土) 山形・山形ミュージック昭和Session
12/01(日) 秋田・Club SWINDLE
12/05(木) 長野・LIVE HOUSE J
12/07(土) 富山・Soul Power
12/08(日) 岐阜・yanagase ants
12/13(金) 兵庫・MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
12/15(日) 和歌山・和歌山CLUB GATE
[2020年]
1/19(日) 埼玉・HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
1/21(火) 滋賀・B-FLAT
1/23(木) 長崎・DRUM Be-7
1/25(土) 大分・DRUM Be-0
1/26(日) 佐賀・SAGA GEILS
1/28(火) 岡山・PEPPERLAND
2/08(土) 徳島・club GRINDHOUSE
2/09(日) 愛媛・Double-u studio
2/11(火) 静岡・Shizuoka UMBER
2/19(水) 奈良・奈良NEVER LAND
2/21(金) 熊本・熊本B.9 V2
2/23(日) 鹿児島・SR HALL
2/24(月) 宮崎・SR BOX
2/26(水) 三重・club chaos
2/29(土) 高知・X-pt.
3/01(日) 京都・磔磔
3/07(土) 沖縄・桜坂セントラル
3/14(土) 栃木・HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
3/28(土) 山梨・KAZOO HALL
4/02(木) 北海道・苫小牧ELLCUBE
4/04(土) 北海道・北見オニオンホール
4/05(日) 北海道・CASINO DRIVE
4/18(土) 福井・福井CHOP
4/19(日) 石川・Kanazawa AZ
4/23(木) 山口・LIVE rise SHUNAN
4/25(土) 島根・松江 AZTiC canova
4/26(日) 鳥取・米子 AZTiC laughs
4/29(水) 群馬・高崎clubFLEEZ
5/14(木) 茨城・mito LIGHT HOUSE
5/16(土) 岩手・Club Change WAVE
5/17(日) 青森・青森Quarter
5/31(日) 神奈川・CLUB CITTA'
6/11(木) 香川・DIME
6/13(土) 大阪・なんばHatch
6/14(日) 愛知・名古屋CLUB QUATTRO
6/20(土) 福岡・DRUM Be-1
6/21(日) 広島・広島セカンド・クラッチ
6/27(土) 新潟・GOLDEN PIGS RED STAGE
7/03(金) 長野・NAGANO CLUB JUNK BOX
7/05(日) 北海道・札幌PENNY LANE24
7/17(金) 東京・Zepp DiverCity TOKYO

teto プロフィール

テト:2016年1月、小池貞利を中心に結成された4人組ロックバンド。18年に開催した初のワンマンツアーは全公演のチケットが即日完売となり、その後も『COUNTDOWN JAPAN 18/19』『RADIO CRAZY 2019』などの大型フェスに出演。19年10月に2ndアルバム『超現実至上主義宣言』をリリースし、11月からは『teto 47都道府県ツアー 「日ノ出行脚」』を開催する。teto オフィシャルHP

「蜩」MV

「夜想曲」MV

アルバム『超現実至上主義宣言』
トレイラー

OKMusic編集部

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