今年で結成15年!若いファンも虜にする
ロックバンド、SHANK

今年で結成15周年を迎える、長崎在住スリーピースロックバンドSHANK。東京でも根強い人気を誇りながら、今も地元を拠点に活動を続けています。また近年では各地の音楽フェスや若手バンドとの対バンも精力的に行い、キャリアを重ねるごとに新たなファンを獲得し続けています。そんな彼らの魅力は、短いながらも耳に残る「鋭い」楽曲たちとエモーショナルなライブ。今回はSHANKの魅力を、若々しさと鋭さを兼ね備えた楽曲とともに紹介していきます。

読み違いで決まったバンド名と楽器屋で
の初ライブ。SHANK結成秘話

SHANKが結成されたのは2004年。メンバーがまだ高校生の時でした。ベースボーカルの庵原将平がスカパンクバンドのPOTSHOTKEMURIを観て、強い衝撃を受けたことから始まります。彼は自らもスカパンクを演奏すべく、幼い頃から親交があったギターの松崎兵太とドラムの池本雄季を誘いスリーピースバンドを結成。ちなみに当初のバンド名は、当初はスカ(SKA)とパンク(PUNK)をもじって「SKANK」。しかし、池本がバンド名を「SHANK」と読み違えそれがそのままバンド名に採用されたという経緯があります。SHNAKはインタビューやMCなどで、自然体でラフな姿を見せることが多いのですが、このエピソードからも飾らない姿勢を感じることがでます。
また、彼らは当初ライブハウスに出演せず、初めてのライブは地元の楽器屋にあったホールで開催。庵原曰く「ライブハウスに電話しても相手にされなかったから」という理由だったそうですが、そうした独自の活動が地元で人気を拡大するきっかけに繋がります。やがて県外の様々なライブハウスに呼ばれ演奏することが増えると、わずか10代ながらも10-FEETKen Yokoyamaなど名だたるアーティストと共演を果たしていき、九州以外でも名が知られていくようになります。活動を始めてから4年が経った2008年、インディーレーベル「THE NINTH APOLLO」と契約しデビューアルバムをリリース。そこから100本以上のツアーをこなしながら、シーンを代表するバンドへと成長していったのです。

様々なルーツを昇華した「鋭い」楽曲グ
5選

彼らの楽曲の特徴の一つは、曲が短いこと。大体の曲が2分半で作られています。そこにはメンバーの「とってつけたような展開(の曲)にしたくないから」という想いが込められています。しかし、ただ曲が短く終わるのではなく、短い時間の中に様々なジャンルのエッセンスや多彩なメロディが織り込まれているのが彼らの魅力です。
SHANKのルーツには、結成のきっかけになったスカパンクはもちろん、Hi-STANDARDBRAHMANといった日本のメロディックコアバンドや、Green DayNOFXSublime、blink-182のような海外のパンクロックがあります。SHANKの曲はそれらのアーティストに共通するような、激しくエモーショナルなメロディが印象的です。さらにはメンバー全員が様々な音楽を聴くそうでボブ・マーリーやニルヴァーナなどレゲエやグランジだけでなく、TUBEやSuperflyいきものがかりなど日本のJ-POPを聴くことも多いそう。そうした様々なルーツを持ったメンバーが作り出す、短いながらも「鋭い」楽曲を紹介していきます。

「Two sweet coffee a day」

2枚目のフルアルバム『Calling』に収録された楽曲。このアルバムを制作した頃から、短くシンプルな楽曲を作ることを志向し始めたSHANK。この曲も一聴するとシンプルなのですが、間奏ではレゲエやスカの要素ものぞかせるなどアレンジの妙が耳を惹きます。また、2分半中でリズムパターンやメロディラインが次々と変化していく構成も多様なルーツを持ったSHANKならではのものです。ちなみに、この曲のMVは満員のライブハウスで演奏する姿が映し出されており、どことなくHi-Standardの「Stay Gold」のMVを彷彿とさせます。そういった意味でも「Two sweet coffee a day」は彼らの魅力やルーツを知るには最適な一曲と言えるでしょう。

「Good Night Darling」

「Two sweet coffee a day」と同じく『Calling』に収録された楽曲であり、今でもライブの定番曲としてよく演奏されています。ファンキーなギターのカッティングとグルーヴィなベースラインが始まったと思うと、いきなりツービートへとなだれ込んでいくイントロはきっと多くの人が衝撃を受けたはず。この曲の歌詞は、自分の答えを見つけるまでの苦悶を描いたもの。フロントマンである庵原は「日記みたいに歌詞を書く」と活動初期のインタビューで語っていましたが、彼のシャウトからは自身の葛藤をそのまま曲に反映したような切実さと、前に進もうとする力強さを感じることができます。

「-Set the fire-」

2013年のシングル『Summer Time in the country』のリード曲。庵原が「メンバーと焚き火をやっている時にできた」と語る楽曲です。この曲の魅力は、同じメロディがほとんど出てこないこと。3分の間に「すべてサビ」と言いたくなるような、力強いフレーズが次々と繰り出されていきます。わかりやすい夏を感じさせるフレーズはないものの、メロディからは夏の思い出の儚さと幸福感が不思議と伝わってくる、SHANKらしい夏の歌です。

「Honesty」

メンバーが「自分たちの衝動をすべて詰め込んだ」と語る4枚目のフルアルバム『Honesty』のタイトル曲。この曲の魅力は一言で言うと「ラウドな音の中にある切なさ」にあります。冒頭から勢いのあるギターサウンドやキャッチーなサビは思わず拳を上げたくなるほどの圧倒的な爽快感がありますが、そのメロディは美しく切なさが漂っています。そして「さよなら 遥か遠くへ」(和訳)とシャウトするサビや構成のシンプルさも、楽曲の持つ儚さをより一層深いものにしているように感じます。まさにSHANKの「鋭い」楽曲の真骨頂と言えるでしょう。

「Smash The Babylon」

2018年末にリリースされたミニアルバム『WANDERSOUL』のリード曲。不穏で力強いギターリフと抑制の効いたメロディから、一気に開放的なサビへと流れ込んでいく硬派さと爽快感が同居したSHANKらしい楽曲です。また単音弾きのギターフレーズなどからはハードロックのエッセンスを感じ取ることができ、今までにはない新鮮さもしっかり詰まっています。彼らのサウンドが15年を経ても進化し続けることがわかる楽曲です。

今でも長崎を拠点に。自然体でエモーシ
ョナルなライブ

SHANKのもう一つの魅力は、自然体でありながらエモーショナルなライブです。自らライブを主催することから始まったことから分かるように、彼らは生粋のライブバンド。MCで肩の力が抜けたような話をしたと思えば、突然尖ったパンクチューンを演奏し始めます。そんなある種の落差に、ファンはグッと心を掴まれてしまうのです。また、2011年より地元長崎で「BLAZE UP NAGASAKI」というイベントを定期的に開催。地元への愛情と、結成当時から変わらない3人のスタンスが伝わって来るライブになっています。
自然体のまま15年間活動を続け、今でも新たなサウンドを追求し続けてるSHANK。ぜひ彼らのライブを体験してみてはいかがでしょうか。

【公演情報】
SHANK 15th Anniversary One-Man Tour The Heavy Clash

日時:
2019年10月20日(日)金沢 EIGHT HALL
開場17:00/開演18:00

2019年12月10日(火)大阪 BIG CAT
開場18:30/開演19:30

2019年12月12日(木)名古屋 DIAMOND HALL
開場18:30/開演19:30

2020年1月17日(金)新木場スタジオコースト
開場18:30/開演19:30

2020年2月29日(金)CRAZYMAMA KINGDOM
開場17:00/開演18:00

2020年3月1日(金)高松オリーブホール
開場17:00/開演18:00

料金:
スタンディング ¥3,500(税込)
※ドリンク代別途必要
※中学生以上有料/小学生以下無料(大人1名につき子供1名まで同時入場可能)


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SHANK。長崎から生まれる、鋭い楽曲5選はミーティア(MEETIA)で公開された投稿です。

ミーティア

「Music meets City Culture.」を合言葉に、街(シティ)で起こるあんなことやこんなことを切り取るWEBマガジン。シティカルチャーの住人であるミーティア編集部が「そこに音楽があるならば」な目線でオリジナル記事を毎日発信中。さらに「音楽」をテーマに個性豊かな漫画家による作品も連載中。

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