【STEREO DIVE FOUNDATION
インタビュー】
支えてくれる人たちの想いを乗せて、
新生SDFがスタート!
新しいSDFというものを
きちんと提示していきたかった
ちなみに久々のヴォーカルレコーディングはいかがでした?
普段から家のスタジオで提供楽曲の仮歌を歌っているので、特に気構えることなく自分のペースでやれました。ただ、アレンジ後にニュアンスが気になるところを歌い直したり、普段より歌にかける時間は長かったと思います。普段仮歌を録る時も、そのまま世に出ても構わない状態で歌を作るようにしているのですが、今回はそれ以上にシビアに作りこみました。そういう意味では、自分名義の曲で世に出す意識と責任感を持てていたのかなと思います。
MVもR・O・Nさんが持つローマ数字が1からどんどん増えていったりと“時”を感じさせるものになっていますが、東京の街並みの中でご自身の姿をフィーチャーした作りも、またこれまでとは大きく違いますよね。
そこは3年9カ月振りの新曲で、チームも新体制になったということもあり、新しいSTEREO DIVE FOUNDATIONというものをきちんと提示していきたいという意図がスタッフの中にあったみたいです。ショートバージョンを公開したところ、海外の方の反応も多かったようで…この『食戟のソーマ』という作品自体、海外人気も高いんですよ。それこそMVに映っているような街並みだって、我々からすると日常の場所だからクールには映らないけれど、きっと国外の人が観たらクールなんですよね。そういった海外へのアピールという意味でも良かったんじゃないかな。
それこそ海外での活動も視野に入れて良いのでは?
興味はありますよね。カップリングの「Yellow」も洋楽好きな人に気に入っていただけそうな仕上がりになったと思いますし。
カップリングはタイアップに関係なく、自由に作られたんですよね。
そうですね。打ち合わせの際に“バラードを作りなよ”って言ってもらって、“あぁ、いいかも”っていう流れで作った記憶があります。「Daisy」っぽいところもありつつ、お洒落にできればいいなって。
「Yellow」は幻想的で壮大な世界観を感じましたが、タイトルや歌詞に出てくる“Yellow”は何の象徴なんでしょうか?
色をテーマにしたくて、その時身近なものや身に付けるものに多かった黄色をピックしました。疲れた社会人の方たちに贈りたい歌かな。自分の色、意見や想いを押し殺して日々を過ごすことで疲弊していくだろうけど、自分らしさに気付かさせてくれる人や物って大事ですよね。とはいえ、“やっぱり頑張んなきゃいけないんだぞ”というメッセージはあるかもしれないです。
それも説教じみているというか、スパルタですね(笑)。あと、この曲もピアノの音が主軸になっていますね。
今回は3曲とも全部ピアノでやろうかなと。3曲目の「Sprinkle」のタイトルは“振り掛ける”という意味なんですけど、『食戟のソーマ』の原作コミックスにふりかけのエピソードがあるんですよ。それをモチーフとしてちょうだいして、かわいらしくて、キラキラして細かい感じの音のイメージが出せたらいいなと。
最初に“タイアップ次第で何でもやれる”とおっしゃっていましたが、同じ作品から「Chronos」と「Sprinkle」というまったく異なる作品が生まれることからしても、“何でもやれる”の言葉に偽りがないことが分かります。となると、タイアップとは無関係の制作をした時には、どんなものが生まれるのかと、ますます興味を惹かれますね。
ひとつ考えているのは、ファンの方はもちろん、例えばSDFに関わる人たちが聴きたいものを作っていくというかたちも楽しいかなって。曲を作るのは僕ひとりでも、作品はその他のスタッフたちがいて生まれるものなので、ファンの方に加えて、新体制を支えてくれている人たちの意見をリサーチするのも面白いと思うんです。自分のやりたいことだけをやるんだったら、別にSDFでなくてもひとりで曲を作って、インターネット上にアップすればいいので。今後の活動もみんなで作っていくものなんじゃないかっていう気はしますね。
来年2月に行なわれる1stワンマンも、その一環なんでしょうか?
そうですね。まだどういう形態でやるのか考えてないんですけど…喜んでもらえたら嬉しいです。今後も振り返った時に“この作品、良いの作ったな!”っていう充実感を得られるような曲作りをしていきたいですし、とにかく楽しんでもらえたら幸いかなと。昔から知っていて好きでいてくれた人も、今回新しくこの曲から出会った人も、ライヴに遊びに来てもらえると嬉しいです。
取材:清水素子