記憶が繋ぐ過去と現在。「二ノ国」主題歌「MOIL」の歌詞世界

記憶が繋ぐ過去と現在。「二ノ国」主題歌「MOIL」の歌詞世界

記憶が繋ぐ過去と現在。「二ノ国」主
題歌「MOIL」の歌詞世界

今につなぐ大切な過去
MOIL 歌詞 「須田景凪
https://utaten.com/lyric/ma19080622
歌い出しから、すでに思い出を語っているところが切ない。
すでに幸せな思い出や大切な人の温もりは失われて、脳裏に焼き付いた記憶だけが忘れ形見になっているのだ。
まるで白昼夢のように曖昧でぼやけた記憶だけが大切な過去と今の自分をつないでいる。
漂う虚無感
MOIL 歌詞 「須田景凪」
https://utaten.com/lyric/ma19080622
あの日の焦燥や感触が遠い記憶になってしまったことで、自分が大人になったことを悟る。
手からこぼれてしまったものが一体何かは分からないが、とても大切で忘れたくないものなのは確かだ。
いつまでも覚えているように、あの日の自分と変わることがないように頑張ったけれど、いつの間にか変わり果ててしまった現実。
それを実感した虚しさや喪失感が漂っている。
これから訪れる未来さえも過去の記憶となり果ててしまう前に、今、この瞬間を刻みつけたい。
忘れないうちにこの想いを伝えたい。切なる想いが聴く人の心に迫りくる、印象的な歌詞だ。
感情に振り回される苦悩
MOIL 歌詞 「須田景凪」
https://utaten.com/lyric/ma19080622
大切な人を失くした時、生きる望みを失ってしまうのは人の性だ。
たとえ1人でも生きていかなくてはならない苦しみの中、「あなた無しでは意味がない」などと、言っても意味のないことが口をついて出てしまう。
意味がないと知りながら、思考を埋め尽くすその考えに悶えるのは、愚かといえば愚かだ。
しかし、理屈ではどうにもならないのが人の心というもの。
言い聞かせれば言い聞かせるほど、時が経てば経つほど、大切なものを失った喪失感や損失の大きさを思い知らされるのだ。
純粋なうちに伝えたい想い
MOIL 歌詞 「須田景凪」
https://utaten.com/lyric/ma19080622
『MOIL』では、「大人」というものが、なってはならないもの、成り下がりたくないものの象徴として描かれている。
大人になることは、悲しみや欠落、大切ななにかとの決別であり、人として失ってはならないものを失うことを意味している。
それでも、人はいつか大人になる。今苦しんでいるこの感情も痛みも、いつかは忘れ去ってしまう。
だとするならば、痛みを伴うほどに純粋な感情が生きているうちに、大切な「あなたへ」、この想いを伝えておかなくてはならない。
それは切なる願いであり使命だ。だからこそこの楽曲には、どこか切羽詰まる印象が漂っている。
何をそんなに急いでいるのか?それは、刻一刻と迫る、大人への道だ。時の流れに抗うように「今」を生きる姿が胸に焼き付く。
「大人」への抵抗
MOIL 歌詞 「須田景凪」
https://utaten.com/lyric/ma19080622
「大人」というものを否定し続け、今という時間を必死で生きようとする姿を描いた『MOIL』。
最後は変わりゆく世界の中で、無情に流れる時の中で、自分だけは現実から目を背けないと誓う。
「夕凪に世界が身勝手に沈んでも」「輪郭は段々と曖昧に変わっていく」これらは、確実に時間が流れ、自分が大人に近づいていくことを示している。
抗えないなら、その変化さえも愛してしまおう。もがいてもがいて、ようやく辿り着いた答えが人間らしく、愛おしい。
2人のかけがえのない人間の命を天秤にかけなくてはならい「二ノ国」の物語を彷彿させ、見事に作品世界と音楽を融合させた楽曲だ。
▲須田景凪 『MOIL』MV
TEXT 岡野ケイ

アーティスト

UtaTen

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