【ライブレポート】スキマスイッチ、
King Gnuら競演<バズリズムLIVE 20
19>最終日。フジファブリック&バカ
リズムのコラボも

<バズリズムLIVE 2019>最終日となる公演が、11月10日(日)に神奈川横浜アリーナで開催された。
<バズリズムLIVE>は、日本テレビの音楽番組『バズリズム02』が発信するイベントで、今年で5回目の開催だ。前日11月9日(土)には、神様、僕は気づいてしまったマカロニえんぴつSUPER BEAVERFear, and Loathing in Las Vegas[ALEXANDROS]が出演し、ライブハウスさながらの熱気を生み出した。

最終公演となるこの日は、14000人という<バズリズムLIVE>始まって以来の最大動員数を記録。冒頭のMCではMCのバカリズムと佐藤梨那(日本テレビアナウンサー)も嬉しさひとしおで、「ひとりづつにお汁粉を振舞いたい!」とユーモアを交えた謝辞を。続いてロックアーティストよろしくコール&レスポンスを決め、<バズリズムLIVE 2019>最終日公演がスタートした。
激しいインダストリアル・サウンドのSEの中、King Gnuの4人が静かにステージに上がる。身体の隅々にまで響くような重量感あるサウンドが奏でられ、常田大希(G&Vo)と井口理(Vo&Key)が交互に歌う「飛行艇」でパフォーマンスは始まった。「白日」では井口の透き通るようなファルセット・ヴォイスを聴かせ、「The hole」では常田の荘厳なピアノから、切なくエモーショナルに淡々と歌う井口のボーカルが重なっていく。彼方にはパイプオルガンのような音色も響き、さながら教会音楽を聴いているような壮大なサウンドを紡ぎ出す。なんだかもの凄いモノを目撃してるかのように、客席も注視し見守る。「Slumberland」では、常田が拡声器を持ってアジテーションするように煽り歌い、うねるような合唱が被さり、そのままドラムソロに移行する。ラストは常田と井口のボーカルに轟音のギターと重量級のリズム隊が畳み込むように重なりあう「Flash!!!」。この間、MCは一切なし。最後に井口が「サンキュー!」と一言だけ呟いて舞台を降りていった。オーディエンスを見惚れさせる清々しいまでの潔いステージであった。
2番手はKEYTALK。オープニングSEの中、勢いよくステージにあらわれ、左右の花道まで走り回り、のっけからサービス精神100%のボルテージ。その溢れんばかりのパワーで1曲目から会場をグイグイと盛り上げる。もっともKEYTALKの魅力は勢いだけではない。寺中友将(Vo&G)と首藤義勝(Vo&B)、ふたりの掛け合いツインボーカルも外せない。「Love me」での美しいハーモニーは秀逸モノだ。そんなふたりを支えるのが小野武正(G&MC&Cho)のメロディアスなギターと重量級のリズム隊。彼らの繰り出すファンク、ディスコ・ビートやEDMは卓越した技術の演奏があってこそ。中盤のKEYTALK恒例の小野武正による「ペーい!」のコール&レスポンスで会場を十二分に温めると、いよいよ本領発揮。「お祭り騒ぎの準備出来てますか!」と始まったのは、和のテイストを盛り込んだパーティー・チューン「MATSURI BAYASHI」。“もういっちょ!”の掛け声に合わせ14000人がその場でジャンプし、“祭りじゃ! 祭りじゃ!”のコールに酔いしれる様は、言葉通りお祭り状態だ。そこへ畳み掛けるように「今日いちばんのダンス見せてもらっていいですか? 行くぞ〜ラスト!」とダンス・ロック「MONSTER DANCE」を投入。これ以上はないというほどに盛り上げ、35分のステージを全力疾走した。
昨年に続いて<バズリズムLIVE>2回目の参加となるsumikaは、登場のSEなしで最新シングル「イコール」、タイトル通りの弾けるようなポップナンバー「ソーダ」を立て続けに演奏。14000人の観客で埋まった会場を見回し、片岡健太(Vo&G)は「2階の横の方までびっしり!」と驚く。sumikaの4人は全員が神奈川出身で、ここ横浜アリーナは地元。それゆえ満員の客席には感激もひとしお。「バカリさんとは地元の川崎で一緒に野球したり、番組スタッフのみなさんはライブに来てくれて熱い気持ちをちゃんと言葉にして伝えてくださり、みんな音楽仲間だと思ってます!」と伝え、「いち音楽仲間として最高のライブにしたいと思ってます!」とこの日の気合を宣言。「1秒間で世界が変わる曲!」と紹介した「MAGIC」、ブラックテイスト溢れる「Traveling」、めまぐるしく変化するリズムとメロディの「ペルソナ・プロムナード」と続け、会場を揺らす。客席もそうだが、何よりもメンバー自身がここで演奏できるのを心の底から楽しんでいる様子が伝わってくる。「ずっと続けばいいのにね」と名残惜しそうに、sumikaのメンバーが最初に作った曲「⾬天決⾏」を歌って35分のステージを締めた。
トリ前は15周年を迎えたフジファブリック。映画『パルプ・フィクション』のテーマ曲「ミシルルー」が流れる中、メンバーがステージに登場。人気ドラマ&映画の主題歌にもなった「夜明けのBEAT」を1曲目に持ってきてオーディエンスのハートを鷲掴みにすると、「銀河」「LIFE」に「徒然モノクローム」といったパワーポップを次々に繰り出し場内を興奮の坩堝に叩き込む。その興奮はメンバーにも伝播し、山内総一郎(Vo&G)は広いステージを左右に動き回り、ボーカル・パートでマイクまで辿り着けない一幕もあったほど。この会場の熱気に山内は「今日ここに集まってる人を見て、みんな未来が見えてる人たちだというのを確信しました!」と感無量。「最後に、みなさんにこの曲を贈りたいと思います。心を込めて歌いたいと思います」とラストナンバー「若者のすべて」を、横浜アリーナの隅々まで届くよう、じっくりと歌い上げる。先程までの喧騒とは打って変わり、客席も微動だにせず、じっと聞き入る。
大きな拍手に包まれた感動のバラードのあと、スクリーンに映し出されたのは<バズリズムLIVE>恒例の、バカリズムとのコラボ紹介VTR。<バズリズムLIVE>では、これまでに秦基博との「ハタリズム」、いきものがかりの水野良樹との「いきものばかり」、大原櫻子との「大原バカリ子」と、爆笑のコラボステージを見せてきた。そして今回のコラボ相手はフジファブリック。VTRではコラボに至った経緯が流され、新たなユニット「フジファブリズム」がステージに登場した。
センターには赤いストラトキャスターを抱えたバカリズムが陣取る。新曲のタイトルは「Tie up」。曲はフジファブリック、詞はバカリズムが担った、紛うことないコラボレーションだ。山内の弾くイントロのギターリフは紛れもないフジファブリック・サウンド。そこへ“タイアップが取れたらいいのに〜タイアップを愛してる〜”とシュールな歌詞をバカリズムと山内が交互に歌う。強烈な違和感がある筈なのに、「タイ・アップ〜」と一緒に口ずさんでしまう。気がつけば客席も大合唱してる始末。歌い終えるとバカリズムはロックスター風に「どうもありがとう」とつぶやいてステージを降り、ステージ下手に集まったメンバーは佐藤梨那アナウンサーのインタビューに答える。バカリズムは満面の笑顔を浮かべ「めっちゃ楽しかった!」とコメントしつつも、「緊張しましたよ。だって、あんな名曲のあとに、これ歌うんですもの」と恐縮しきり。山内は「ミュージシャンには憚られて、とても書けない、いい歌詞です!」とバカリズムの詞を称えた。かくして、恒例コラボ企画は大爆笑で大成功。果たして来年は、どんなコラボをぶち込んでくるかも楽しみだ。
<バズリズムLIVE 2019>最終日のトリはスキマスイッチ。1曲目から、いきなりの「奏(かなで) 」で場内はざわつく。前半は大橋卓弥(Vo&G)の声をじっくり聴かせるべく、バラード、ミディアム・テンポの楽曲が並ぶ。そんなしっとりとした雰囲気を一変させたのが大橋と常田真太郎(Pf&Cho&Organ)の掛け合い。「このメンツの中で俺たちが出ていいの?」という自虐ネタから始まったトークネタから、King Gnuに同姓のメンバーがいて「今、常田って来てると思う」と自信を見せるが、「同じ名字なのにあっちはセクシーだもんね、読み方が違うからかなぁ」とぼやく。そこへ大橋が「おまえのセクシーは高2で捨てたもんな!」と突っ込む。こんなやり取りが繰り広げられ、場内は大爆笑。いい感じで温まった頃に「ガラナ」「Ah yeah!!」とアップチューン・ナンバーを畳み掛け、14000人を総立ちにさせるところはさすがのステージング。

そしてラストは「知ってる人は一緒に歌ってください!」と鉄板の「全力少年」に突入。中盤、大橋はステージを降り、客電が全開となった明るい会場をアリーナ最後方まで全力で駆け抜けオーディエンスを煽る。これには観客も大喜びで、サビでは14000人の大合唱が起こる。最後は常田のピアノの上に飛び乗り、地上に向かってハイ・ジャンプで怒涛と興奮のステージを締めくくった。どのバンドのファンにも、しっかりと自分たちをアピール出来る力強さがスキマスイッチにはある。改めて彼らの無双ぶりを見せつけられたパフォーマンスで2日間に渡って開催された<バズリズムLIVE 2019>は終了した。

なお、<バズリズムLIVE 2019>の模様は11月29日(金)と12月6日(金)放送の『バズリズム02』と、12月21日(土)のCS日テレプラスにて放送される。

撮影◎山内洋枝

セットリスト

■King Gnu
01.飛行艇
02.Sorrows
03.白日
04.The hole
05.Slumberland
06.Flash!!!

■KEYTALK
01.桜花爛漫
02.Summer Venus
03.BUBBLE-GUM MAGIC
04.Love me
05.MATSURI BAYASHI
06.MONSTER DANCE

■sumika
01.イコール
02.ソーダ
03.MAGIC
04.Traveling
05.ペルソナ・プロムナード
06.雨天決行

■フジファブリック
01.夜明けのBEAT
02.Green Bird
03.銀河
04.LIFE
05.徒然モノクローム
06.若者のすべて

■フジファブリズム(バカリズム、フジファブリック)
01.Tie up

■スキマスイッチ
01.奏(かなで)
02.Revival
03.ハナツ
04.ガラナ
05.Ah yeah!!
06.全力少年

MC:バカリズム/進行:佐藤梨那(日本テレビアナウンサー)

<バズリズムLIVE 2019>放送日程

地上波:DAY1:11月29日(金)深夜/DAY2:12月6日(金)深夜/バズリズム02にて放送
CS:日テレプラス 12月21日(土)20:00〜/DAY1&DAY2 :5時間一挙放送

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