【マリアンヌ東雲 ライヴレポート】
『マリアンヌ東雲ソロアルバム
発売記念ライブ
「マリアンヌ東雲とG.S.P」』
2019年11月9日 at 下北沢CLUB Que
初のソロアルバム『MOOD ADJUSTER』に伴う東名阪ツアーの初日となった11月9日の東京公演。歌い手としてキノコホテルの支配人とは別の顔を見せるソロでのライヴに加え、なんとこの日の対バンは彼女のもうひとつのユニット肋骨という、出ずっぱりの一日となった。本人もブログで“自分対自分の戦い”と綴った濃厚な夜をグッと圧縮してレポートする。
エレクトロニックなノイズとコンピュータのプログラム画面に支配される空間の中、登場した肋骨。ペールグリーンのウィッグにブラックレザーの衣装とアイパッチのマリアンヌとアーバンギャルドや戸川 純とのユニットでも活動中のおおくぼけい(Key&Syn)の佇まいは80年代のインダストリアル・テクノバンドのようだ。ボコーダーを通した歌と語りの中間的な声の表現や、おおくぼのクラシカルなピアノ、マリアンヌのバイオリンによって時代を特定できない空間を構築し、コアでありつつ集中すること自体が快楽となりうる30分となった。
その後、DJタイムを挟み、おびただしい機材がステージを埋め尽くす中、赤い水玉のワンピースに黒のベレーと赤いヒールに衣装替えしたマリアンヌが、ソロ作のプロデューサーでもある松石ゲル率いるG.S.P.とともにステージに現れると、まるで別人のような印象だ。ビザールなSEとタイトなビートの「脱出」から始まり、昭和のロック歌謡的な「プールサイド・プリテンダー」へとシームレスに演奏が続く。生のリズム隊は不在で打ち込みであることがむしろ作品のモダンなアレンジを体感させることに成功している。また、ジャズやブラジル音楽的な難しい歌メロの「漂流のサブタレニアンズ」を松石とデュエットで歌い、そのままソロアルバム通り「絶海の女」につなぐ流れは映画のようなドラマチックさがあり、アルバムのタイトルチューンでは集中して観入っていたファンも踊り、大きなグルーブが生まれた。
テルミンを奏でる場面こそあったものの、ほぼ歌うことに集中していたマリアンヌ。初めて尽くしのライヴの緊張感の中に、表現者・マリアンヌ東雲の奥深さと純粋さ、そして業を観た想いだ。
エレクトロニックなノイズとコンピュータのプログラム画面に支配される空間の中、登場した肋骨。ペールグリーンのウィッグにブラックレザーの衣装とアイパッチのマリアンヌとアーバンギャルドや戸川 純とのユニットでも活動中のおおくぼけい(Key&Syn)の佇まいは80年代のインダストリアル・テクノバンドのようだ。ボコーダーを通した歌と語りの中間的な声の表現や、おおくぼのクラシカルなピアノ、マリアンヌのバイオリンによって時代を特定できない空間を構築し、コアでありつつ集中すること自体が快楽となりうる30分となった。
その後、DJタイムを挟み、おびただしい機材がステージを埋め尽くす中、赤い水玉のワンピースに黒のベレーと赤いヒールに衣装替えしたマリアンヌが、ソロ作のプロデューサーでもある松石ゲル率いるG.S.P.とともにステージに現れると、まるで別人のような印象だ。ビザールなSEとタイトなビートの「脱出」から始まり、昭和のロック歌謡的な「プールサイド・プリテンダー」へとシームレスに演奏が続く。生のリズム隊は不在で打ち込みであることがむしろ作品のモダンなアレンジを体感させることに成功している。また、ジャズやブラジル音楽的な難しい歌メロの「漂流のサブタレニアンズ」を松石とデュエットで歌い、そのままソロアルバム通り「絶海の女」につなぐ流れは映画のようなドラマチックさがあり、アルバムのタイトルチューンでは集中して観入っていたファンも踊り、大きなグルーブが生まれた。
テルミンを奏でる場面こそあったものの、ほぼ歌うことに集中していたマリアンヌ。初めて尽くしのライヴの緊張感の中に、表現者・マリアンヌ東雲の奥深さと純粋さ、そして業を観た想いだ。
撮影:Yuta Taniguchi/取材:石角友香