the peggies、来年春から史上最長ツ
アーも決定 超満員の渋谷TSUTAYA O
-EASTセミファイナル公演公式レポが
到着

全国ツアーセミファイナルthe peggiesは仲間を探すためのシグナルを放った
12月1日、全国13カ所をまわるワンマンツアー『the peggies tour 2019 - YELLOW -』のセミファイナル公演が東京・渋谷のTSUTAYA O-EASTで開催された。開場前から期待感で顔を高揚させた人だかりがTSUTAYA O-EASTを囲む。今宵は、たくさんの街を旅しながら、各地で“仲間たち”と出会い、ともに歌い、踊ってきたthe peggiesが一回り大きくなった姿を見せるステージとなった。
◎みんなで一緒に愛の旅に出ようぜ!
the peggies
フロアをぎっしりと埋める観客が待ち構えるなか、一瞬の暗転の後、黄色いライトがミラーボールで乱反射。大歓声と拍手に迎えられてthe peggiesの3人が現れる。「準備はいいかい!」。北澤ゆうほ(Vo&G)の掛け声が響く。ステージは、このツアー用に書き下ろされた新曲「YELLOW」で幕を開けた。高校時代から歩みをともにしてきた3人のバンドサウンドが弾けるように転がり始める。みずみずしくて無鉄砲、ファイティングスピリットにあふれた青春の真っ只中を突き進むまぶしさがあふれ出す。
「行くぜ! みんなで一緒に愛の旅に出ようぜ!」
すでにフロアは温まっている。ハンドクラップとコール&レスポンスに乗せて「君のせい」「LOVE TRIP」「そうだ、僕らは」とアッパーなポップチューンが続く。喜怒哀楽のフィーリングをソリッド&ラウドに響かせるギター。石渡マキコ(B&Cho)と大貫みく(Dr&Cho)のリズム隊が鳴らす骨太にうねるビート。スリーピースバンドはカッコいい、とあらためて感じさせてくれるアンサンブルに乗せ、北澤が青春期のキラメキと苛立ち、もどかしさを言葉とメロディに乗せて繰り出していく。
the peggies
the peggies

11カ所を回ってホームグラウンドに帰ってきた彼女たちに、フロアから「おかえり!」と歓声が飛ぶ。新作のリリースを伴わない今回のツアーは、いわば“お約束事”を必要としないネイキッドな姿を見せる舞台でもある。「the peggiesのいろいろな表情を見せたい」という北澤の言葉通り、しっとりとしたバラードの「ずっと」、ラウドロックな「ネバーランド」、幻想的なスケールの大きさを持つ「スプートニク」、ヘヴィネスとポップネスのコントラストが効いた「かみさま」、弾き語りの「いきてる」とバラエティに富んだ曲が続き、引き出しの多さと底力を見せる。
「忘れられない人や思い出を頭によぎらせながらツアー中に作った」という新曲「アネモネ」では、ギラリとした北澤の心の奥にある素の優しさが露わにされ、ドキリとさせられた。

the peggies

◎もっと仲間を作って、もっともっと歌いたい
the peggiesの歌を聴いていて、ライブを観ていて感じるのは、こんがらがった自分を抱えながらも愛とともに旅を続けようとする彼女たちの勇敢さと誇らしさ。そして闘争心だ。
生きていくということの答えは、愛し愛されることの答えは、簡単に割り切れるものではない。青き青春の只中ならば、それはなおさらだ。ただthe peggiesは、そこでわかったふりをして頷くことをよしとはしない。変わった人たちと見られても、割り切れない感情を抱えながらでも、堂々と、明日に目を向けて“生きるということの旅”を続ける。
当然、その途上ではささくれ立った痛みを負うし、闘いのなかで誰かを傷つけた後悔にとらわれることもある。苛立ちも迷いも涙もある。でも、自分たちの“当たり前”を貫き、今は先が見えなくても未来の光を求めてあきらめない。そこには青春のまぶしさがあり、何度でも立ち上がる懲りない若者のファイティングポーズがある。
the peggies
「まだまだついてこられるか!」「大きな声を聞かせてくれ!」「完璧、ありがとう!」。北澤は何度も呼びかける。
アップチューンの「DIEVE TO LOVE」「ハートビート」「I御中」「する」「サマラブ超特急」が立て続けに繰り出され、ステージはエンディングに向けて加速していく。躍動する3人にあわせて観客が体いっぱいに応える。手を叩き、大声で歌い、ジャンプしてフロアを揺らす。「もっと! もっと!!」。まだまだ足りないとばかりに北澤が叫びながら「GLORY」と「マイクロフォン」が続く。涙も乾かず、傷が癒えていなくても挑み、前進するパワーがあふれ出す。
この夜、彼女たちの連帯感と闘争心に精一杯応えるフロアの一体感を見ていると、フロアの彼や彼女たちも世の中の“当たり前”には簡単に頷けないthe peggiesの仲間なんだな、と思った。と、その時、北澤が今回のツアーを振り返りながら、こう告げた。
the peggies
「そもそもなんで音楽を人前でやっているんだろう。そう考えた時、誰かに褒められたいわけでもない。チヤホヤされて自信をつけたいわけでもない。ステージでみんなを見ていると、一人じゃないと思える。これは仲間を探すためのシグナルなんだって思える。だから私はこうして生きていますとみんなに見せて、元気を与えて、元気をもらう。みんなが明日を頑張れる糧となる存在になりたい」
the peggiesと仲間たちの旅はまだまだ続く。そんな確信に満ちながら、本編は「僕は強くなれるかな」というメッセージが込められた「スタンドバイミー」で幕を閉じた。
the peggies
アンコールでは「明日が来るのは少し寂しいけどまた絶対に会おうぜ」のフレーズが大合唱となった「明日」。そして「もっとたくさんの仲間を作って、もっともっと歌いたい。私たちの旅はまだまだ終わらないぜ!」という北澤の言葉とともに「ドリーミージャーニー」を披露。メンバーがステージを去った後も興奮冷めやらぬ観客による「明日」の合唱で呼び戻されたthe peggiesは、2度目のアンコールに応え、「グライダー」が多幸感いっぱいに鳴らされた。
the peggiesは来年の3月28日からキャリア史上最長の19カ所をまわるツアー「tour 2020“LOVEGREEN”」を展開することが発表された。オフィシャルサイトでは先行受付を開始しているこのツアーで、彼女たちのさらなる「もっと! もっと!!」を目撃してもらいたい。

文=山本貴政 撮影=河本悠貴
the peggies
『スタンドバイミー』Music Video Short Ver.

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