【BUCK-TICK リコメンド】
キャリア35年のBUCK-TICKが挑む
“逸脱した音楽”とは
BUCK-TICKへの敬意と愛情が
詰まったトリビュートアルバム
このシングルと同日にリリースされるのがトリビュートアルバム第三弾となる『PARADEIII 〜RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK〜』だ。第一弾がリリースされたのは結成20周年の2005年。当時は“まだ生きているのに”と、メンバーはトリビュートされることにどこかくすぐったさを感じていたようだった。遠藤ミチロウや土屋昌巳といった彼らの先輩にあたるミュージシャンから、同期&後輩ミュージシャンと幅広い世代が顔を並べた。第二弾はデビュー25周年の2012年に制作された。これにはD’ERLANGERの他、氣志團やMERRY、MUCCなど追随するバンドが多く参加していたことが印象的だ。
そして、第三弾のラインナップを見てみると、前2作に比べてより一層世代もジャンルも幅が広がった。CUBE JUICE、YOW-ROW率いるGARIをはじめ、minus(-)、黒色すみれといった、これまでのBUCK-TICKサウンドにかかわりを持つアーティストと、BUCK-TICKと交流の深いDer Zibet、DIR EN GREY、シド、異ジャンル組のBRAHMAN、八十八ケ所巡礼、GRANRODEO、藤巻亮太、そして椎名林檎、坂本美雨と女性アーティストが名を連ねているのも特徴的だ。minus(-)のフィーチャリング・ヴォーカリストとして藤川千愛も参加している。
個人的に面白かったのは、異色組の中でも両極にいるBRAHMANと藤巻亮太が、このトリビュートの1曲目と最後の13曲目に据えられているところ。BUCK-TICKインダストリアルロックの代表曲「ICONOCLASM」を轟音のバンドサウンドで骨太に仕上げたBRAHMANは圧巻のひと言に尽きる。そして、藤巻亮太の「JUST ONE MORE KISS」はギター1本と歌のみのアコースティックなアプローチでありながら、決してアコースティックサウンドではないところに彼なりの敬愛を感じたし、そこから徐々にバンドサウンドへと変化していく高揚感は鳥肌ものだった。
そして、DIR EN GREYは満を持しての参加。8ビートでキラメキのある「NATIONAL MEDIA BOYS」が彼らの手に掛かるとこんなにもダークネスでアバンギャルドな楽曲になるのかと驚愕する。Der Zibetの「愛の葬列」のデカダンな装いにも感嘆しきりだ。他にも、シアトリカルな映像が浮かぶ黒色すみれの「Lullaby-III」、八十八ケ所巡礼の「青の世界」やシドの「JUPITER」、GRANRODEOの「天使は誰だ」は、原曲を活かしながらそれぞれが持つバンドアンサンブルで聴かせてくれた。
椎名林檎はネタバレになってしまうと面白くないので詳しくは書かないが、サウンドはジャジーなアプローチで「唄」を歌唱。坂本美雨はピアノサウンドでしっとりと「ミウ」を歌い、minus(-) featuring 藤川千愛の「形而上 流星」も変拍子の浮遊感と藤川の美しい歌声が印象に残る。メンバーと一緒にBUCK-TICKサウンドを作るマニピュレーターとしてもお馴染みのCUBE JUICEの「LOVE ME」やGARIの「惡の華」は、彼らの持ち味を十二分に活かした満足度の高い仕上がりになっている。
まさに各アーティストがBUCK-TICKへの敬意と愛情を込めながら、それぞれの楽曲と全力で向き合った結晶の本作。実に多彩な作品に仕上がったと言える。
夏にアルバムをリリース、秋にはそれに伴う全国ツアーの開催、そして恒例の12月29日の日本武道館公演が発表になっていて、スケジュールはすでに目白押しだ。とはいえ、さらに嬉しい発表が追加されるといいなと願わずにはいられない。2020年は結成35周年の年。BUCK-TICKの未来はいつまで経ってもワクワクとドキドキに満ちあふれているのである。
そして、第三弾のラインナップを見てみると、前2作に比べてより一層世代もジャンルも幅が広がった。CUBE JUICE、YOW-ROW率いるGARIをはじめ、minus(-)、黒色すみれといった、これまでのBUCK-TICKサウンドにかかわりを持つアーティストと、BUCK-TICKと交流の深いDer Zibet、DIR EN GREY、シド、異ジャンル組のBRAHMAN、八十八ケ所巡礼、GRANRODEO、藤巻亮太、そして椎名林檎、坂本美雨と女性アーティストが名を連ねているのも特徴的だ。minus(-)のフィーチャリング・ヴォーカリストとして藤川千愛も参加している。
個人的に面白かったのは、異色組の中でも両極にいるBRAHMANと藤巻亮太が、このトリビュートの1曲目と最後の13曲目に据えられているところ。BUCK-TICKインダストリアルロックの代表曲「ICONOCLASM」を轟音のバンドサウンドで骨太に仕上げたBRAHMANは圧巻のひと言に尽きる。そして、藤巻亮太の「JUST ONE MORE KISS」はギター1本と歌のみのアコースティックなアプローチでありながら、決してアコースティックサウンドではないところに彼なりの敬愛を感じたし、そこから徐々にバンドサウンドへと変化していく高揚感は鳥肌ものだった。
そして、DIR EN GREYは満を持しての参加。8ビートでキラメキのある「NATIONAL MEDIA BOYS」が彼らの手に掛かるとこんなにもダークネスでアバンギャルドな楽曲になるのかと驚愕する。Der Zibetの「愛の葬列」のデカダンな装いにも感嘆しきりだ。他にも、シアトリカルな映像が浮かぶ黒色すみれの「Lullaby-III」、八十八ケ所巡礼の「青の世界」やシドの「JUPITER」、GRANRODEOの「天使は誰だ」は、原曲を活かしながらそれぞれが持つバンドアンサンブルで聴かせてくれた。
椎名林檎はネタバレになってしまうと面白くないので詳しくは書かないが、サウンドはジャジーなアプローチで「唄」を歌唱。坂本美雨はピアノサウンドでしっとりと「ミウ」を歌い、minus(-) featuring 藤川千愛の「形而上 流星」も変拍子の浮遊感と藤川の美しい歌声が印象に残る。メンバーと一緒にBUCK-TICKサウンドを作るマニピュレーターとしてもお馴染みのCUBE JUICEの「LOVE ME」やGARIの「惡の華」は、彼らの持ち味を十二分に活かした満足度の高い仕上がりになっている。
まさに各アーティストがBUCK-TICKへの敬意と愛情を込めながら、それぞれの楽曲と全力で向き合った結晶の本作。実に多彩な作品に仕上がったと言える。
夏にアルバムをリリース、秋にはそれに伴う全国ツアーの開催、そして恒例の12月29日の日本武道館公演が発表になっていて、スケジュールはすでに目白押しだ。とはいえ、さらに嬉しい発表が追加されるといいなと願わずにはいられない。2020年は結成35周年の年。BUCK-TICKの未来はいつまで経ってもワクワクとドキドキに満ちあふれているのである。
文:大窪由香
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