ももすももす

ももすももす

【ももすももす インタビュー】
ロックアーティストとして
認識されるような人間になりたい

自分に自信はあんまり持てないけど、
いい作品だということは
胸を張って言える

「桜の刺繍」は疾走感があって、季節が過ぎ去っていく様子が思い浮かびました。

時の流れには逆らえないじゃないですか。それを季節の変わり目に感じることがあって、変わりゆく様子を伝えるような曲調にしてみました。一番最後に入っているコーラスは桜が散っていくのをイメージしています。

今作を聴いて、改めてももすさんは自分の感性をすごく大切にしていて、自分にしかできない表現や曲を生み出していると思ったんですけど、ご自身ではももすももすとはどんなアーティストだと思いますか?

一番武器にしていきたいのは言葉だけど、それには結び付かない歌声だと思うし、でも編曲ができるのは楽しいし…うーん、どんなアーティストなんだろう。はっきりとは分からないけど、ロックアーティストとして認識されるような人間になりたいと思っています。あと、言葉をもっと使っていきたいですね。

以前、“自分の言葉が好きじゃなくなってしまった”というお話を聞きましたが、今は“恐竜の背中”と名付けたオフィシャルホームページで日記を書いていたり、随筆『徒然水』の連載も再開してますよね。

あの時から気持ちは変わりました。やっぱり文章を書くのが好きだし、ホームページに言葉を載せるのは心が軽くなる作業なんです。『徒然水』のページは普通に文字列を揃えて載せるのではなく、右寄せにしたり、左寄せにしたりと形式を気にせずに自由に載せるようにしたらすごく自分にしっくりきたんです。それで自分の言葉を受け入れられるようになりました。

それは良かった! あのホームページは火星の天気のリンクが張ってあったりと仕掛けがたくさんあるから楽しんでほしいですね。話をアルバムに戻すと、最後に収録された「ハネムーン」はメロディーがポップで、ピュアさのある曲ですよね。

遠くのほうで行なわれているふたりの催しを曲にしているので、全体的に淡い感じで作りました。遠くで起こっていることだから、遠くの国にある楽器を使ってみたくて、バグパイプの音が入っているんですよ。奏者の方に来てもらったんですけど、バグパイプって出せる音階が狭いんです。でも、どうしても入れたかったので、それに合わせてピッチを下げたりと調整もしました。

打ち込みで変なドラムを作るのが好きともおっしゃってましたが、今回も遊んでみた曲はありますか?

すごく単調だけど「saboten」。ワンパターンのドラムなんですけど、それに合わせてベースやギターを考えるのが一番楽しかったですね。エレキシタールが入っているのも注目ポイントです!

「うさぎの耳」はソロ活動して初めてMVをアップした曲ですが、今回が初音源化で再録していますね。歌ってみていかがでしたか?

あの頃に戻ったような気持ちもあったけど、キーがデモと変わっているので、歌も前より進化したのかなと思いました。歌や表現力はこの1年で少しは成長できたのかなって。

それが自信になったりは?

自信はあんまり持てないけど、いい作品だということは絶対に胸を張って言えます。あと、自分が自信を持ったらつまらない人間になるんじゃないかっていう不安も少しあります(笑)。

「隕石」の《靴を履いたまま心の奥までおいでよ》ってフレーズもそうですけど、言葉遊びが随所に散りばめられていて、ちょっとひねくれているような考えが見えるのも魅力だと思います。

ありがとうございます。私は普段きれい好きなんですけど、靴は汚してみたいって気持ちがあるんです。きれいなだけではなく、汚れてみたい気持ちもあれば、片付けたい気持ちもある…それが歌詞になって、ちょっとおかしなフレーズが生まれるのかな。

今作を聴いて、改めてももすさんは自分の感性をすごく大切にしていて、自分にしかできない表現や曲を生み出していると思ったんですけど、ご自身ではももすももすとはどんなアーティストだと思いますか?

一番武器にしていきたいのは言葉だけど、それには結び付かない歌声だと思うし、でも編曲ができるのは楽しいし…うーん、どんなアーティストなんだろう。はっきりとは分からないけど、ロックアーティストとして認識されるような人間になりたいと思っています。あと、言葉をもっと使っていきたいですね。

アルバムを作って、何かライヴでやってみたいことは浮かびましたか?

いつかロボットにコーラスさせたいと思いました。ペッパーくんに何台か来てもらって、「火星よ、こんにちは」のコーラスを歌ってもらったら面白いかなとか(笑)。あとは、海外でもライヴをできるようになりたいです。

おぉ海外!

ヨーロッパに行きたいです。ついこの前、監督の女の子とふたりでMVの撮影で台湾に行ってきたんですけど、それも楽しみにしていてほしいです。今までは自分の素の部分をMVに出すことはなかったんですけど、今回は素の部分が出ている気がします。

取材:千々和香苗

アルバム『 彗星吟遊』2020年3月3日発売 TRIAD/日本コロムビア
    • 【初回限定盤(DVD付)】
    • COZP-1633〜4 
    • ¥4,100(税抜)
    • 【通常盤】
    • COCP-41092 
    • ¥2,700(税抜)

ライヴ情報

『FM AICHI presents STAND UP!』
3/14(土) 愛知・ell.FITS ALL

『ひつじウォーズ2020』
3/29(日) 大阪・梅田周辺ライヴハウス5会場

ももすももす プロフィール

モモスモモス:2015年よりロックバンド・メランコリック写楽の作詞作曲を手がけ、ヴォーカル&ギター“ももす”として活動。18年より“ももすももす”としてソロ活動を開始。中毒性の高いハイトーンヴォイスと純文学の影響を受けたユニークな言葉遣い、そして絵画のように奥深く、予測不能なメロディーの渦を宅録から世界へ発信している。19年2月にはシングル「木馬」でメジャーデビュー、20年3月には1stアルバム『彗星吟遊』を発表。23年2月にソニー・ミュージックレーベルズ移籍第一弾シングル「エソア」をリリース。その後も配信シングルを2曲、CDシングルを1枚発表し、11月に移籍後初となるアルバム『白猫浪漫』をリリース。12月にはワンマンライヴ『黒猫会議』を開催する。ももすももす ソニー・ミュージックレーベルズ アーティストページ

「桜の刺繍」MV

「隕石」MV

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

新着