ミュージカル『ミス・サイゴン』製作
発表 “レジェンド”市村正親が卒業
撤回!「息子がクリス役をやるくらい
までやりたい!」と宣言 

2020年5月23日(土)、東京・帝国劇場を皮切りに全国8都市にて上演されるミュージカル『ミス・サイゴン』の製作発表が2月26日、都内で行われ、エンジニア役の市村正親、駒田一、伊礼彼方、東山義久、キム役の高畑充希昆夏美大原櫻子、屋比久知奈、クリス役の小野田龍之介、海宝直人、チョ・サンウン、ジョン役の上原理生、上野哲也、エレン役の知念里奈、仙名彩世、松原凜子、トゥイ役の神田恭兵、西川大貴、ジジ役の青山郁代、則松亜海らが登場して劇中歌の数々を圧倒的な歌唱力で披露した(下記動画参照)。
【動画】ミュージカル『ミス・サイゴン』製作発表記者会見~楽曲披露

本作はベトナム戦争陥落間近のサイゴンを舞台に、アメリカ兵クリスとベトナム人のキムの愛と別離を描いた物語。1992年の初演以来、日本での通算上演回数は1368回となる。
約200名の一般オーディエンスが見守る中、製作発表スタート。冒頭、スクリーンでこれまでの舞台映像が流れ、バラバラバラ……とヘリコプターが遠ざかる音の後、全キャストがステージに登場し「火がついたサイゴン」を熱唱。アンサンブル40名、プリンシパル20名の総勢60名という大カンパニーはステージの上から溢れんばかり、そして笑顔と確かな声量で歌い上げていた。
その後フォトセッションを挟んで、プリンシパルキャストが残り、会見となった。
青山郁代
則松亜海
神田恭兵
西川大貴
今回初めて出演が決まったキャストは「前回はアンサンブルでした」「メインキャストは念願だった」、また前回に引き続き同役を演じる事になったキャストは「新たな気持ちで臨みたい」「新しいキャストの皆さんと一緒に出来る事が嬉しい」などと口々に今の気持ちを述べていく。
知念里奈
仙名彩世
松原凜子
上原理生
上野哲也
小野田龍之介
海宝直人
チョ・サンウン
クリス役を演じる小野田は「4年ぶりという事で4年経ったからこそ感じ取れるものを大切に感じながら稽古をしたい」、海宝は「2008年の時にアンサンブルで初参加。当時19歳だったんですが、こうしてまた戻ってこれるのが心から嬉しいと思っています」、チョは「日本では劇団四季の舞台が最後だったので、また日本の舞台に立てる事が嬉しい。(小野田、海宝を見ながら)友達と仲良くなって頑張りたい」とコメント。チョが共演者を“友達”と表現した時にあたたかい笑い声が起きていた。
高畑充希
キム役の高畑は今回初出演。「子どもの頃から『ミス・サイゴン』を観ていたので、憧れのカンパニーに入れた事が最高に嬉しい」と語る。作品についての思い出を聴かれると「芝居中に偶然、ヘリが止まってしまって、(エンジニア役の)筧(利夫)さんが15分フリートークしてくださった回を観ました」と笑顔を見せる。憧れではあったがキム役は自身にとって遠い存在だったと思いを述べる高畑は「今年28歳で、もしチャレンジできるならそろそろ最後なんじゃないかと思ったので、ダメ元でオーディションを受けてみようと思って受けてみたのが一昨年。決まった時はびっくりしたし、嬉しかったけど、今はどうしようという感じです」と素直な心境を表した。ミュージカル出演が7年ぶりと語る高畑は、舞台に出ていない間のボイストレーニングについて「全然やってなかった。なので、お尻に火がつきまして……」と自分のお尻に目線をやると「どれどれ?」と言わんばかりに市村も覗き込んで笑っていた。
「お尻に火がついて」という高畑さんに「どれどれ?」と覗き込む市村さん(駒田さんも!)
昆夏美
昆は「前回、喉の病気になって名古屋公演の途中から降板する事となり、ご迷惑をおかけしましたし、自分としても悔しい想いをした。今回出演出来る事が本当に嬉しい」とかみしめるように語る。
大原櫻子
高畑と同じく初出演の大原は「稽古前なので自分がどんな風に演じるのか正直分からないですが、心を込めて演じたい」と決意を述べる。本作にまつわるエピソードとして「デビュー映画の打ち上げのときに『ミス・サイゴン』の歌を歌って、そこからスタッフさんが初舞台のオファーをくださったりと、すごくご縁のある作品」と語っていた。
屋比久知奈
屋比久も今回初出演。「プレッシャーもパワーに変えて挑みたい」と意気込んだ。
東山義久
エンジニア役に初めて挑む東山は「市村さん初め多くのキャスト、スタッフの皆さんの熱意と情熱が伝わってきます。初日から千秋楽まで誠心誠意務めていきたい」とコメント。「最初に帝劇に立った時は、『エリザベート』のトートダンサーとして踊っていた。こんな形でまた帝劇に帰って来れたのは身が引き締まる思いです」と自身の足跡を振り返る東山は、他のエンジニア役には負けない点として「足を無駄に上げるようなエンジニアとか、柔軟性を生かしたエンジニアをやってくのかな」とダンス巧手ならではの笑いを誘っていた。
伊礼彼方
同じく初エンジニア役の伊礼は緊張のせいか、最初の挨拶で噛みまくり。「まさか市村さんの隣に居る事でこんなに緊張するとは想像していなかった。やはり歴史を作った方なんだなあ。貴重な経験なので、しっかりと。盗めるものは盗んでいきたい」と市村をリスペクト。なお自身を「フランス人寄りのエンジニア」と表現して会場の観客に魅惑の微笑みを送っていた。
駒田一
今回で3度目のエンジニア役となる駒田は「初演の時はただがむしゃらにやっていただけですが、前回は少しだけ地に足を付けて演じる事が出来たかな、今回はもっともっと、いろんなところを見まわしながら演じたい」と経験者ならではのコメントを口にした。
いい笑顔!!
そしてレジェンド・市村の番となる。「初演から出ています!」と高らかに宣言し、笑いを誘う市村は、「前回卒業宣言をしましたが、また戻ってきました! 待っててくれた人!?」と声を上げるとキャストたちから歓声が沸き起こる。前回の卒業宣言を撤回して今回復活したことについて問われると「そのほうがお客さんが入るかなと思って。計算通りです」と冗談を飛ばすと、キャストもオーディエンスも大笑い。「今回はまたゼロからやってみたいなと思っています。前にやったことはすっかり忘れて、やったことのないような方向から作っていけたら」と改めて本作に挑む事を宣言した。なお、いつまでエンジニア役をやりたいか、との質問が飛ぶと「今は、続けられる限りやってくれと言われてまして。120歳……(笑)。できるだけ長く」と言った矢先に「あ! 息子がクリス役をやるくらいまで!」と元気に返し、相変わらずの子煩悩ぶりを見せていた。
市村正親
製作発表の後は再び歌唱披露。メドレー形式で「世界が終わる夜のように」「トゥイの死」「今も信じてるわ」「生き延びたけりゃ」「命をあげよう」「ブイドイ」そして「アメリカン・ドリーム」を高らかに歌い上げ、締めくくった。

【動画】ミュージカル『ミス・サイゴン』製作発表記者会見より

取材・文・撮影=こむらさき

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