【さくらしめじ インタビュー】
今の僕たちの大切な想いが詰まった、
意地でも届けたいアルバム
結成5周年イヤーを爆進するフォークデュオ、さくらしめじ。田中雅功と髙田彪我は今年3月にめでたく高校を卒業。そんな人生のターニングポイントを迎えるタイミングで、2ndアルバム『改めまして、さくらしめじと申します。』をリリースする。楽曲制作にも積極的に参加した、ふたりの思い入れたっぷりな新作について話を訊いていこう。
僕たちがさくらしめじを背負っていく
っていうのを目標している
2ndアルバム『改めまして、さくらしめじと申します。』は、どんな作品を目指したのでしょうか?
雅功
僕たちは3月に高校を卒業して、これからまた新しい一歩を踏み出すということで、改めて自分たちの核となるアルバムにしたい想いがあって、“改めまして、さくらしめじと申します。”ってタイトルにしたんです。今年は結成5周年イヤーなんですけど、目標に“さくらしめじがさくらしめじになる”というのを掲げてるんですよ。
“さくらしめじがさくらしめじになる”というのは?
雅功
今までは作家さんに作っていただいた曲を歌うっていうのが基本で、さくらしめじって存在に僕らふたりが乗っかってた感じがあったんです。でも、今年はアーティストとしてさらに一歩進むために、僕たちがさくらしめじを背負っていくっていうのを目標にしてるんですよ。それを体現しようってことで、今回のアルバムを作っていったんです。僕ら自身が曲にかかわってたり、僕らで作った曲もあるんですよ。なので、僕らがさくらしめじになるっていうアルバムでもあるんです。
彪我
もっと自分たちから発信していこうっていうのは、去年の夏から目標としてて、その結果がこのアルバムにつながっていきました。
なるほど。1曲目の「風とあるがままに今を歩こう」は今言われた決意表明を歌った楽曲ですね。
雅功
この曲はアルバムの芯になればいいなと思ったんです。もともとは2曲目の「My Sunshine」を1曲目にした12曲入りになる予定だったんです。でも、アルバムの曲順を決めていた時、このアルバムをまとめる1曲目が欲しいって話になって。さくらしめじになるっていう僕らの証みたいな、僕らの等身大を曲にしました。
今の目線でこれからを見てる歌詞ですね。
雅功
はい。去年の夏ツアーのテーマが“青春”で、その時にできた曲が「青春の唄」なんですね。“明日”とか“昨日”とか言うけど、結局は今しかなくて、今を超えた先のこれからもその時点では、やっぱり今だってことに気付いたんです。僕らは高校を卒業するんですけど、同世代のみんなは進学とか就職とかこれからの不安を持ってる。そういう中で僕たちがやることって、今を一生懸命生きることだっていう想いを込めました。
彪我
「風とあるがままに今を歩こう」は初めて作家さんと同じ部屋で、ゼロから楽器を鳴らして作詞作曲を進めていったんです。
それは学ぶことも多かったのでは?
雅功
多かったですね。何より歌詞が大変でした。やりたい世界観があったから余計に大変で。作家さんとLINEのグループを作って、思い付いた言葉を言っていくってやってたんです。結局、歌詞が完成したのがレコーディング当日で(笑)。でも、そうやって作っていくことも楽しかったし、自分の中でより曲を昇華できました。
特にこだわったフレーズは?
彪我
サビ最後のタイトルにもなっている《風とあるがままに今を話そう》です。雅功がパッと出した案だったんですよ。
雅功
僕が仮で書いた歌詞があったんです。ほぼほぼ変わったけど、最後まで残ったのが《伸びる影 変わらないままで 風とあるがままに今を話そう》ってところで。この歌詞は時間が軸になってるんですけど、時間が過ぎるのはしょうがないことじゃないですか。それって止めることのできない風と近いと思ったんです。今歩いてるところを風と歩いて、慌てずに今を一生懸命に生きていこうって想いを込めました。
着実に一歩一歩進んでいく、さくらしめじっぽいですね。
彪我
曲としても、さくらしめじっぽさを意識したんです。アルバムは今までと違うタイプの曲も多いんですけど、新しいさくらしめじの核となる曲なら今までのさくらしめじっぽさもありつつ新しいものにしようって感じでした。