【仲村瞳の歌謡界偉人名言集】#138
シンガーソングライター・友川カズキ
の言葉

作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサー、バンドマン、振付師、……そして、歌手。きらびやかな日本の歌謡界を支えてきた偉人たちを紹介するとともに、その方々が発したエネルギー溢れる言葉を伝えます。常軌を逸した言動の裏に、時代を牽引したパワーが隠されているのです! このコラムで、皆様の生活に少しでも艶と潤いが生まれることを願います。

競輪が病気なら、生涯、治らないでほし

より

今回の名言は、2020年2月1日から公開されている、友川カズキ主演のドキュメンタリー映画「どこへ出しても恥かしい人」の紹介記事からの抜粋である。映画の内容は、ほぼ、友川の酒と競輪に明け暮れる日々だが、音楽家として、画家として、表現者としての魅力も映し出されている。映画の中で友川は「何かに酔ってなきゃ、人間じゃない」とも語っている。酒に酔い、かつてはバスケットボールに酔い、歌に酔い、絵画に酔い、そして、競輪にも酔う。今回の名言からは、酔いしれて、愛したものはとことん追い続ける強い姿勢が伺える。友川の酒好きと競輪好きは、ファンなら誰もが知るところ。その熱量は友川が伝説的な競輪選手・滝沢正光に捧げた「夢のラップもういっちょ」という曲を聴くだけでも強烈に伝わってくる。何はともあれ、友川のライブをナマで体験して、良くも悪くも衝撃を受けない人はいないだろう。

友川カズキ(ともかわかずき)
1950年生まれ、秋田県三種町出身。1971年、中津川フォークジャンボリーに飛び入り参加。1974年、宇崎竜童の後押しを受け、シングル「上京の状況」でレコードデビュー。1977年、ちあきなおみは、友川カズキに楽曲提供を依頼した「夜を急ぐ人」で、第28回「NHK紅白歌合戦」に出場。この時、司会者に「気持ちの悪い曲ですね」と感想が述べられたことが伝説となっている。奥田民生遠藤ミチロウなど、多くのアーティストに影響を与えている。映画監督の大島渚は「友川カズキのうたが胸にしみいるとしたら、君は幸せだと思え。涙があふれたら、君は選ばれた人間だと思え」と絶賛した。バスケットボールの名門、能代工業高校の名コーチとしてオリンピック日本代表選手を育てた実績があるほか、競輪評論家、画家、俳優としても評価が高い。現在も日本全国で精力的にライブ活動を行っている。 2020年4月12日、新宿御苑前のselfにてソロライブが開催される。
仲村 瞳(なかむらひとみ)
編集者・ライター。2003年、『週刊SPA!』(扶桑社)でライターデビュー後、『TOKYO1週間』(講談社)、『Hot-Dog PRESS』(講談社)などの情報誌で雑誌制作に従事する。2009年、『のせすぎ! 中野ブロードウェイ』(辰巳出版)の制作をきっかけに中野ブロードウェイ研究家として活動を開始。ゾンビ漫画『ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド 女ンビ~童貞SOS~』(著・すぎむらしんいち/講談社)の単行本巻末記事を担当。2012年から絵馬研究本『えまにあん』(自主制作)を発行し、絵馬研究家としても活動を続ける。2014年にライフワークでもある昭和歌謡研究をテーマとした『昭和歌謡文化継承委員会』を発足し会長として活動中。

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