The Brow Beat Live Tour 2020“Adam”

The Brow Beat Live Tour 2020“Adam”

【ライブリポート】佐藤流司率いるT
he Brow Beat “Adam”ツアーファイ
ナル「全部ぶっ壊して帰ろうぜ」

 2.5次元舞台や映像作品などを中心に活躍する俳優・佐藤流司がアーティスト「Ryuji」として、PENICILLINHAKUEIをプロデューサーに迎えて結成したThe Brow Beat。1月10日のZepp DiverCity(TOKYO)から始まった「The Brow Beat Live Tour 2020“Adam”」の最終公演が、2月22日のLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催された。  1月1日に発売した3rdアルバム「Adam」を引っさげて全国6カ所を回った今回のツアーは、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)での2Daysを持って締めくくり。ツアーファイナルのこの日は、これまで以上に熱のこもったライブを繰り広げ、会場を沸かせた。  オープニングSEの「Eve」に続き、ステージを覆う幕にアルバム「Adam」をイメージした映像が流れると、会場からは割れんばかりの拍手が湧き上がった。幻想的で壮大な楽曲「Adam」のイントロが始まりステージの幕が降りると、Ryuji、HAKUEI、鳴風、CHIROLYN、かどしゅんたろうが現れ、ライブがスタートした。  これまでのツアーでは、HAKUEIとのデュエット曲は後半に配されていたが、今回はステージ冒頭からツインボーカルの曲が立て続けに用意されており、「サザンクロス」「日本」で会場のボルテージを一気に上げていった。  その後、HAKUEIがステージを後にした。ここでこの日、初めてRyujiが「こんにちは。温まってます?」と会場へ声を掛け、「アイリス」へと続く。「アイリス」が収録された1stアルバム『ラグナロク』が発売されたのは、2018年1月1日。わずか2年少し前のことなのだが、一足跳びで駆け上がったような彼らの成長ぶりに、はるか昔のことのように感じられた。  初めてのMCでRyujiは「最終日とか千秋楽とかツアーファイナルという日に気合を入れるのは俺、好きじゃないんですが、人間やっぱりどう繕っても気合が入ります。今日の俺のテンションについてこられるのか? 覚悟しておけ」と会場をあおると、「ヤタガラスの影踏み」「Hide and Seek」「火炎」と駆け抜けるように進んでいった。  この日のRyujiは、自身でも話していた通り、どこか突き抜けたような激しさを感じさせるライブパフォーマンスを見せた。それに引っ張られるかのように、会場の熱気も天井知らずで上がっていく。  スローチューンの「Oblivion」を挟み、その後のMCではメンバーそれぞれがThe Brow Beatを通して感じている成長などが語られ、和やかなムードが漂った。  そんな中、「服を脱いできます」と言い残して、突然ステージを後にしたRyuji。「何も聞いてないんだよ、これ」と苦笑いを浮かべながらも、CHIROLYN、鳴風、かどしゅんたろうによるセッションで場はつながれた。  ジャケットを脱いだRyujiが戻ってくると「まだまだいけますか? 今日はファイナルということで自分のペースのちょっと上を出してもらえればいいかなと思うので、最後まで盛り上がっていきましょう!」と観客に声を掛け「BLACK SHEEP」を。この楽曲は、GEEKSのエンドウ.が、Ryujiの熱望を受けて書き上げたもの。これまでのThe Brow Beatの楽曲とは一味違うロックでありながらも、Ryujiの魅力が的確に出ている曲で、ライブで聴くとその格好良さが際立って聞こえた。  続いて、「ジセイノク」、拡声器を片手に持ってRyujiがシャウトする「パラノイド・スター」。ここまでスピード感のあるハードな楽曲が立て続けに演奏され、MCでは息を切らして座るという珍しいRyujiの姿も見られた。息を整えつつ、Ryujiは「ここから驚きの、これよりしんどいぞっていう時間がくるので」と観客の期待を高めると、「‐Member Call‐」でHAKUEIを再び呼び込んで、「沙羅羅羅」「OVER」「L.R」と畳み掛けた。  アンコールでは、一転して「灯篭流し」、「睡蓮」をしっとりと聴かせる。「睡蓮」ではRyujiが客席にマイクを向けると、観客の歌声が会場全体に響き渡り、会場が一つになった感覚を味わうことができた。 続く2度目のアンコールでは、会場を訪れていた、PENICILLINのドラマーであり、昨年6月に行われた日比谷野外音楽堂のライブではThe Brow Beatでもドラムを叩いたO‐JIROをサプライズでステージに上げ、このツアー恒例となった「ジュース当てゲーム」を開催。  用意された六つのグラスのうち、1つだけ酢の原液が入っており、引き当てた人は観客に気付かれないように飲み干して、観客は誰が飲んだかを当てるというゲームだ。この日、観客の予想の多くはかどしゅんたろうだった。しかし、実際にはRyujiが酢を引いており、その演技力に観客はまんまとだまされた形となった。そんな穏やかなMCタイムを挟んだ後は、「Snow White」「CLOWN」で再び場内を沸かせ、最後には「Browbeat」で締めくくった。
 この日は、3度目のアンコールにも応えたメンバーたち。「全部ぶっ壊して帰ろうぜ」というRyujiのあおりから「Black & Black」を投下し、ファイナルにふさわしい熱狂のうちにライブは幕を閉じた。 息もつかせぬ構成で、これまで以上の「激しさ」や「ロック魂」を見せたThe Brow Beat。「沙羅羅羅」でのジャンプや「睡蓮」での合唱など、一体感を感じさせる演出も多く、病みつきになる楽しさがあった。ライブのラストでRyujiは「またお会いしましょう」という言葉を残してステージを去っていたが、早くも次のライブ開催を期待せずにはいられない。 (取材・文/嶋田真己)  この日のライブを収めたDVD『The Brow Beat Live Tour 2020“Adam”2020.02.22(仮)』は6月30日に発売。
公式サイト https://thebrowbeat.jp

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