仲村宗悟

仲村宗悟

【仲村宗悟 インタビュー】
シングルに入れる3曲
全てのテーマを恋にした

昨年10月にシングル「Here comes The SUN」でアーティストデビューを果たした声優・仲村宗悟から2ndシングル「カラフル」が到着! 自身で作詞作曲を行ない、アレンジやミックスにもこだわったという本作に触れると、彼の資質の高さを実感すること請け合いだ。

ギターを弾くようになってすぐに
自分の音楽を発信したくなった

仲村さんはもともとはミュージシャン志望だったとお聞きました。まずは、音楽に目覚めた時期やきっかけなどを話していただけますか。

僕の家は歌うことが好きな家系なんです。家族でカラオケに行ったり、ギターが家にあって、親父は酔っ払うとギターを弾きながら歌ったり、兄とドライブに行く時は運転している兄の横に座って、スピッツを大音量で流してふたりで熱唱したりしていましたね。そんなふうに小さい頃から音楽が身近なところにある環境で育ったこともあって、中学生になるとギターを弾きたくなるわけですよ。“ギターを弾いて歌っていたらモテるかな”と思って(笑)。それで、中3の頃からギターを弾くようになりました。

自然な流れで音楽をやるようになったんですね。友達とバンドを組んだりもされましたか?

高校1年の時にGLAYのコピーバンドを組みましたけど、本当に期間限定という感じで、すぐに辞めてしまいました。自分の音楽を発信したいと思うようになって、曲を作り始めて…いろんなアーティストのコピーもしたけど、コピーよりもオリジナルを作るのが楽しかったんですよね。僕は物作りがすごく好きなんですよ。作詞作曲に限らずレコーディングも好きだし、MVを撮るのも好きだし、ライヴも好きです。物作りに関わるのは楽しいし、完成した時に達成感が得られるのもいいんですよね。

根っからのクリエイターですね。ということは、高校生の頃は音楽にどっぷりという感じでした?

んー…高校時代は将来やりたいことが特になかったんですよ。そういう中で“何をやっている時が一番楽しいか”を考えたら、“音楽だ”と気付いて、18歳の時に沖縄から上京してきたんです。音楽はどこでもできるのに、なぜ東京だったかと言うと、沖縄には家族がいるし、僕は人と話すのが好きだから知り合いがたくさんいたんですけど、そういう環境を全部なくして、ゼロの状態からまたひとつ築いていくとなったら自分はどうするのかな、まったく何もない状態にさらされてみたいなと思ったんです。それで東京に行くことを決めたんです。

思い切りましたね。上京後は専門学校に通われていたのでしょうか?

音楽の専門学校に入学しました。いろんな学生さんが入居できる寮のようなところに入って、そこからまたいろんな人付き合いが始まっていったんですけど、将来に対して明確なビジョンを持たないまま生活していたんですよね。音楽で食っていけるようになるためにこういうことをしよう…みたいなプランを持たず、勢いだけに任せて音楽をやっていたから、専門学校を卒業したら、何もなくなってしまったんです。バイトをしながら、たまに小さいライヴハウスでライヴをするという生活でしたね。ライヴをしてもお客さんが増えるわけでもなく、対バンのお客さんをあてにしても対バンのお客さんもいないという状態で、“俺は何のために、誰のために発信しているんだ?”みたいな。

それはつらい…。

その時期は本当につらかったです。ライヴをしてもお金にならないどころか、逆にマイナスになってしまうから、お金が減っていくんですよ。それをカバーするためにバイトの比重が増えて、音楽に割ける時間が減っていって、ライヴをする間隔も空くようになって…。それで、自分が東京にいる意味を考えるようになりましたね。その頃に音楽をやりつつ芝居もやっている人が周りにいたので、ちょくちょく演劇を観に行っていたんです。最初のうちは“面白いかったな”とか、“今日のは全然意味が分からなかった…”というくらいだったのですが、何度も観に行くうちに、自分が舞台の上に立ったらどんなふうに演じるかを考えるようになったんです。そこからお芝居に触れるようになって、友達に話を聞いたら週2くらいのペースでワークショップみたいなところに通っているらしく。僕は思い立ったらすぐに行動するタイプなので、自分もそこに通うことにしたんです。そこで声優の授業があって、すごく魅力を感じたんですよ。ひとつのキャラクターに息を吹き込んで、そのキャラの心臓を動かすことができる。アニメーターさんなど、いろんなスタッフが力を合わせて、ひとりの人間を創造するというのは素敵なことだと思って。そこから声優業に興味を持ち始めて、今の事務所につながっていって、声優の仕事をやらせていただくようになりました。

暗黒期を抜けましたね。そして、声優として順調な活動をされつつも音楽に対する情熱が消えることはなかったんですね?

はい。僕は“音楽を辞める”ということの意味がよく分からなくて。日常の中で歩いていれば音楽は聴こえてくるし、いい音楽を聴くと“いいな”と感じるし、新しい音楽の中にも好きな音楽は必ずある。だから、“音楽を辞めるって、どういうこと?”という感じで、音楽から離れることはなかったです。そういう中で、お芝居という世界に出会って、声優という声のお芝居の道に出会って、新しい夢がひとつできた。その結果、心を動かされる仕事に出会うことができたけど、僕は自分の人生を潤わせるためだったら2足のわらじでも、3足のわらじでもいいと思うので、“声優をやるなら音楽は辞めないといけない”というふうには考えないんです。ここまでの流れがなかったら、僕は絶対にミュージシャンとしてデビューできなかったと思うから、自分が歩んできた道を否定はしないし、ベストのタイミングでデビューできたと思っています。

声優とミュージシャンの両方を深く愛しているんですね。ちなみに最近好んで聴いている音楽などはありますか?

僕はいいと思ったものは何でも聴くし、いろんなものをインプットしたいので、よく知らないジャンルも積極的に聴くようにしています。最近は去年出会った、ずっと真夜中でいいのに。をよく聴いていますね。ACAねという女性シンガーを中心にしたアーティストで、バンドサウンドを活かしていてエモーショナルだったり、疾走感があったりして、めっちゃいいんですよ。本当に好きで、ライヴにも行きました。
仲村宗悟
仲村宗悟
仲村宗悟
シングル「カラフル」【初回限定盤(BD+フォトブック付)】
シングル「カラフル」【通常盤】

OKMusic編集部

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