怪物も意外とカワイイ?嵐が表現する
「Monster」の世界
嵐・屈指の名曲
名曲揃いの嵐の楽曲の中でも、特に知名度の高い楽曲の一つである『Monster』は、J-POPシーンの中でも独特の雰囲気を持つナンバーであり、一度耳にするとなかなか癖になるメロディーが印象的ですね
2010年、大野智が主演となったドラマ『怪物くん』の主題歌として知っている方も多いのではないのでしょうか。
『怪物くん』だから『Monster』というタイトルは、ある意味分かりやすいタイアップではあるものの、その音楽性と歌詞からなる世界観にはファンならずとも魅了されます。
TVで披露される際は、どうしてもメンバーのダンスに目を奪われてしまいがちですが、今回はその歌詞に着目し、ドラマ『怪物くん』とはまた異なる視点からその意味を読み解いていきます。
心をざわつかせるようなイントロからの印象的なフレーズは、ミステリアスでホラーチックなロマンスの始まりでしょうか。
愛する人の叫び声で目覚めた彼こそがモンスターで、自らを「残酷」と称する彼は、浮世離れした恐ろしい存在なのかもしれません。
まるで愛する人を恐怖に陥れようとしているかのような表現で、彼女は次第に追い詰められていきます。
「怖がらせたい」というのは、我々人間で言うならば「好きな子ほどいじめたくなる」感情に近いものなのでしょうか。そう思うと、なかなか可愛らしいモンスターですね。
何故彼がそこまでするのか。理由は「彼女が好きだから」という他ありません。
日が昇ったら傍にはいられない。せめてそれまでは一緒に居たい!という健気な願いは、叶えてあげたくなりますね。…ちょっと怖いけれど。
怪物も見かけじゃない!
Monster 歌詞 「嵐」
https://utaten.com/lyric/jb71005085
https://utaten.com/lyric/jb71005085
彼の力を持ってすれば、彼女を闇の世界へ引き込むことは容易いことのばず。モンスターは、どちらの世界を選ぶのでしょうか。
彼女の存在によって目覚め、出会い、恋に落ちたモンスター。どんな恐ろしく醜い見た目であったとしても、愛する人を思う心は美しく偽りのないものなのです。
彼は彼女を、自分のテリトリーである闇の世界へと拐うのでしょうか。それとも、いつか人間として生まれ変わり彼女と結ばれるその日を待つのでしょうか。
歌詞の中にその答えはないですが、彼はきっとただ愛する人を思い続ける純粋で健気な怪物なのです。
それは彼の容姿には似つかわしくない、意外とベタで、可愛らしい恋心のように思えますね。彼は1万年後の未来も、彼女のことをまっすぐに愛し続けていくのでしょう。
TEXT 島田たま子