L→R TAROW-ONE(Dr)、TAKU(Gu)、Shyoudog(Ba)

L→R TAROW-ONE(Dr)、TAKU(Gu)、Shyoudog(Ba)

【韻シストBAND インタビュー】
ずっと聴いていられる、
むちゃくちゃ満足度の高い作品

“こういう一面もあんねんで”
というものを広めたい

せっかくだから全曲解説しちゃいましょう! 「トランプゲーム」は?

TAKU
「トランプゲーム」はバラエティーの中で言うとレゲエですね。ただ、ひと言にレゲエと言ってもいろいろあるし、マナーと言われるものが強い音楽だと思うので、そこに長けてる人にディレクションしてもらいたくて、PUSHIM姉さんにちょっとした味つけをお願いしました。“ここ、もうちょっとこうしたほうがいいんじゃない?”とか、“ここの歌い方、ちょっとだけレイドバックしたほうがポケットに入るよ”とか、実際にレコーディングに来てもらってアドバイスしていただいたんで、そのちょっとしたことで大きく味が変わったというか、曲が締まりましたね。お願いして良かったと思います。

この歌詞はラブソングっぽくもあるし、社会的なメッセージを歌ってるようにも聴こえました。

Shyoudog
レゲエには“戦いの音楽”というイメージがあるんですけど、その中にはボブ・マーリーの「One Love」に代表される愛の歌もあって。「トランプゲーム」は世界を支配しているトランプという人について、最初はもっと過激に突っ込んで書いてたんですけど、“色濃いかな?”と思ったんで、争いやいろんなことが起こる世の中、やっぱり一番大事な人が自分の支えになっているっていう感じの歌詞にしました。
TAKU
歌詞を客観的に見れる立場からすると、一番リスナーに選択の余地を与えられる曲な気がします。
Shyoudog
とらえ方を広くして、いろんな人にリンクしてもらうことは、いつも歌詞を書く時に大事にしてるので。できるだけとらえ方は広く、でもイメージははっきりと、そこは今回特に挑戦したところなんですけど、ちゃんとかたちにできたという実感はありますね。

そして、アルバムのラストを締める「Goodbye」。これは最高に切ない曲ですね。

Shyoudog
結構昔に作ってた曲なんですけど、TAROWくんが“この曲、このアルバムに合うんちゃう?”と言ってくれて、眠ってたものが浮上しました。
TAROW-ONE
レコーディングスタジオに向かってる電車の中で、みんなで共有してるGoogleドライブに上がってるトラックをディグってる時に、“これ、ドンピではまるんちゃうか?”と。ブルース、レゲエ、ソウル、ファンクとか、はっきり色分けしてるEPの中のどこかに絶対収まる曲やと思ったんで提案させてもらいました。僕が作ったみたいになってますけど、ただ見つけただけです(笑)。
Shyoudog
曲のイメージが別れの歌やと思ったので、そういう歌詞にしました。僕らも結構な大人なんで、いろいろ経験してることもあるし、“この人、大好きや”という感覚だけじゃない恋愛感情って絶対にあると思うんですよ。共感に近いようなね。そういう一面を出せる曲になったらいいかなと思いました。

シュウさんの歌がめちゃくちゃエモい! 気合い感じます。

Shyoudog
振り切って歌わなあかんとは思いました。こういう曲って、つい照れて歌うところがあるんで、そこは意識して歌わせてもらいました。

今回の作品はヴォーカリスト・Shyoudogの魅力全開だと思います。ですよね、TAKUさん。

TAKU
僕はいつもほめてるんですけど、伝わってるのかな。あんまり素直に聞いてくれへんから。
Shyoudog
(笑)。
TAKU
昔から歌ってましたけど、ここ2年ぐらいはヴォーカリスト然としてきたというか…それは前から個人的に言ったりしてたんですけど、本人に伝わった感触がない(笑)。シュウと面識が全然なくて、この歌をライヴで聴いたら、“自分、ええやん! 今度一緒にやろうや”って話しかけると思う。いいヴォーカリストだと思います。
Shyoudog
ありがとうございます(笑)。
TAKU
そういうヴォーカリスト像も『RAIN』には落とし込めたんじゃないかと思いますね。

インスト2曲もむちゃくちゃカッコ良い! まず「レイニーファンク」はどうですか、TAROWさん?

TAROW-ONE
これは仮タイトルが“TAKUインスト”だったんですよ。TAKU主導でリフを作ってくれて、TAKU印が前面に出た、すごくいいファンクになってます。大好きです! ドラムはスネアの上にタンバリンを置いて叩いて、華やかな感じにしてます。

「Chance of rain」は?

TAROW-ONE
これが最初にできた曲なんですよ。3人でスタジオに入った時、TAKUからリフが出てきて…
TAKU
Aメロのリフは僕で、Bのところがリーダー(Shyoudog)です。
Shyoudog
10年前の『BIG FARM』に「120%」というインストが入ってるんですけど、僕らが初めて出したインストの曲なんですよ。なので、“そのエピソード2を作ろう!”というコンセプトでした。
TAKU
仮タイトルも“120% Eepisode 2”でした。
Shyoudog
そのつもりで作ったんですけど、一個の曲として成立してると思ったので、タイトルを変えました。「120%」と『RAIN』の連想から“降水確率って英語で何て言うんやろ?ってなり、それが“Chance of rain”ということを知って。降水確率が0パーセントなら晴れやし、120パーセントなら土砂降りやし、その時の自分のマインドに合わせて聴ける曲かもしれないと思って、“Chance of rain”というタイトルがしっくりきたんですね。

という、自信曲がずらりと揃ったEP『RAIN』。韻シストをあんまり知らない人にも広めたいですよね。

Shyoudog
はい、ぜひ! “こういう一面もあるねんで”というものが広がったら、より韻シストを聴いてもらうきっかけにもなると思うので。
TAROW-ONE
『SHINE』『RAIN』と来て、次は『HARVEST』が控えてるんで。韻シストBANDが『RAIN』を出すことによって、韻シストの活動に全部つながっていけるように、レーベルのボスのPUSHIMさんから“分かりやすく行ったほうがええんちゃう?”というアドバイスもいただいたので。分かりやすいトラックに、シュウがちゃんとリリックを落とし込んでくれたいい曲が並んでるんで、いろんな人に聴いてもらえたら嬉しいです。

TAKUさん、ライヴをやりたいですね。

TAKU
やりたいです! 今の時点でフラストレーションが溜まってるのに、これが2カ月、3カ月経ったらどうなるんやろ? とにかく今は普段ライヴがやれてたことを幸せやと思ってますし、これも血となり肉となる経験だと思って、それをぶつけるライヴがやりたいですね。

楽しみにしてます。そして、韻シストとしての次回作『HARVEST』はもう作り始めているのですか?

Shyoudog
はい。もともとそれを思って曲作りをしてたので。本格的にスタジオに入るのはまだ先ですけど、楽しみにしていてください。

取材:宮本英夫

EP『RAIN』2020年4月8日発売 Groovillage/徳間ジャパンコミュニケーションズ
    • TKCA-74877
    • ¥1,818(税抜)

ライヴ情報

『韻シストpresents OSAKA GOOD VIBES 2020振替公演』
8/10(月) 大阪・大阪城野外音楽堂

『NeighborFood 振替公演』
10/17(土) 大阪・心斎橋COMPASS
10/24(土) 東京・代官山LOOP

韻シストBAND プロフィール

インシストバンド:日本における生ヒップホップバンドのオリジネーター・韻シストのShyoudog、TAKU、TAROW-ONEからなる3ピースバンド。2012年にアルバム『REST OF MY LIFE』をリリース。そして、韻シスト名義で19年8月に発表したEP『SHINE』から20年秋に控えているアルバム『HARVEST』につながる“韻シスト3部作”のひとつとして、20年4月に7年4カ月振りの新作となるEP『RAIN』をリリース。韻シスト オフィシャルHP

「パパはブルースマン」MV

OKMusic編集部

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