抜群の歌唱力と圧倒的エモさを併せ持
つ9人が集まったCapital Rhythm(キ
ャピタリズム)彼らが魅せるものとは

新たなネット発ヴォーカルチームの新星にして巨星ともいえる9人の歌い手が集まった。その名もCapital Rhythm(キャピタリズム)。数々のヴォーカルグループをSPICEでは取り上げてきたが、その中でも抜群の歌唱力を全員が誇り、そして何よりもその志の高さと、情熱の大きさはピカイチなのではないだろうか。なにしろ話を聞いていて、本当にこちらまで熱くなるような”エモさ”なのだ。ある種この9人が集まり船出したことは事件に近い。今回はその出航の時に立ち会えた。存分に語ってもらった彼らの”青春”をご覧あれ。
――抜群の歌唱力を誇る9人によるヴォーカルチーム・Capital Rhythm(キャピタリズム)は、Rioさんが声をかけて集まったメンバーなのですよね。
Rio:そうです。僕はもともと歌い手活動をしていて、その後プロの世界に足を踏み入れたんですけど、正直に言ってしまうとうまくいかなくて。再び歌い手の活動に戻って、つかさしくんと一緒に“りおさし”として活動していたんですよ。
――Rioさんとつかさしさんは、以前から交流があったのですか。
Rio:交流があったし、僕がプロのときに所属していたのはL'Arc~en~Cielさんのいる事務所で、つかさしくんもヴィジュアル系シーンでバンド活動をしていてね。
つかさし:そうそう。同じシーンで活動していた者同士、響き合うものもあったっていう。
Rio:で、この2人だけじゃなくメンバーを増やしていったら、もっと大きなことができるんじゃないか、っていうことで声をかけたのが、当時、あまり深く関わりがなかったカケリネくん。そこから、実は8人の中で一番つき合いの長いあじっこくんにも、声をかけて。
いかさん:あじっこさんと、一番つき合いが長かったんだ。知らなかった。
Rio:そうなんだよ、実は。で、僕、つかさしくん、カケちゃん、あじっこくんで、“りおさしかけっこ”を組んで、自分たちで企画したライヴに向けて活動していて。同時に、ほかのメンバーにも声をかけるつもりで、声をかける順番も決めていたんですよ。そして、一緒に理想を目指せるメンバーがそろったところで、2019年11月に“Capital Rhythm -音ノ都-”というライヴを開催したんです。
――以降、音ノ宮高校”を舞台にした声劇動画やさまざまなカヴァー動画を投稿し、話題となっているわけですが、それぞれに活動やキャリアを重ねてきた上で、Capital Rhythmとはどういう存在なのでしょうか。
カケリネ:僕は10年以上音楽活動をしてきたんですけど、一生音楽をやっていく、というのが夢で。このメンバー8人とだったら、その夢を叶えられるんじゃないかと思うし、僕の音楽人生のすべてになり得るであろう、すごく大事なチームです、Capital Rhythmは。この9人だったら、今という時代のニーズに合った活動ができるんじゃないかな、とも思います。
カケリネ
けったろ:Capital Rhythmって、『ワンピース』と一緒なんですよ。みんなそれぞれ個性も目標も違うけど、Capital Rhythmという同じ船に乗っている団結力は、すごく大きくて。
いかさん:確かに、これだけバラバラな9人がまとまることって、なかなかないよね。
けったろ:音楽面に関しても、僕だったらラップするし、neroだったらR&Bが好きだし、Rioやつかさし、カケリネはヴィジュアル系が好きだし、それぞれに好きなもの、得意なことはバラバラなんだけど、みんなで一丸となったときのパワーは誰にも負けない自信はあるもんね。僕は長年、音楽や芸能の世界で生きてきたけど、自分にとって必要な人を見つけた、っていう確信がありますよ。
あじっこ:実際、11月に開催したライヴでのメンバーの高まりようといったら、異様だったもんね。お互いに負けたくない!という気持ちは持ちつつも、この9人ならいける!って。
けったろ:それぞれにソロプレイヤーなわけで、僕もたまに主催ライヴを開催するし、この歌い手界隈では対バン形式のライヴって多いから、Rioから最初に11月のライヴの話をもらったときは、いわゆる普通の対バンライヴになるのかな、って思っていたんですけどね。
いかさん:でも、そこでものすごい熱量を目の当たりにしてしまって。Rioの思い描く世界に足を踏み入れる覚悟をしてみてもいいのかな、って思ったんです。
あじっこ:僕はインターネットに歌の投稿をし始めて7年目なんですけど、プロモーションするのがあまり上手ではなくて(苦笑)。歌に自信はあったものの、正直言うと腐ってしまっていて、歌をやめることはしなくても、それ以上の期待はしないようにしている自分もいました。そんな僕に火をつけてくれたのが、Rioなんですよ。僕だけじゃないかな、Rioはまるでライターで、みんなに火をつけてくれる人。次々とアイデアが湧いてくるRioがいて、それを冷静にプランニングするけったん(けったろ)がいて、僕としては本当にCapital Rhythmとしての活動が楽しいですよ。
あじっこ
NORISTRY:活動を始めてから今に至るまで、僕は何回かグループを組んだことがあったんですけど、なかなかうまくまとまることがなくて(苦笑)。次第に、歌や音楽をアツく語ることを遠ざけるようになっていたんですね。でも、めちゃめちゃアツいRioくんに誘われて11月のCapital Rhythmのライヴに出てみたら、アツくなるのはかっこ悪いことじゃない、っていうことを久々に肌で感じることができたし、目標は違えど向いている方向は同じメンバーなんじゃないか、と感じられたので。Capital Rhythmというグループに賭けてみたい、と思ったんです。いやでも、こんなに感情移入できる場所になるとは思ってもいなかったし、これからが楽しみですよ。
けったろ:……激アツじゃん!(笑)
NORISTRY:すみません、つい…(笑)。
けったろ:いや、わかるよ。こういうグループにしていきたい!っていう我の強さはまったくなくて、かっこいいみんなをもっと世に広めたいんだよ!っていうのがRio。こういうグループにするためにこういうメンバーを集めてこういう売り出し方をしていこう、みたいなことではまったくないので。
――本当にメンバーに惚れ込んでいるし、そういうRioさんの純度の高い想いがメンバーの胸に響くわけですよね。
いかさん:まさしくですね。本当に、Rioは純粋。
nero:うんうん。僕も長く音楽活動を重ねてきて、苦労もたくさんしてきて、時には絶望もしてきた中で、普段どおり自分なりにベストを尽くす、という考えにしかなってなくて。でも、いざライヴをしてみたら、Rioのアツい気持ちが伝染していって、最後のMCではみんな本当にアツくなって。信じたい、という気持ちはこれまでもあって、でもなんか上手くいかなかったりもした自分にとって、Capital Rhythmは再びの青春を謳歌できるチームなんだなと思えました。
nero
カケリネ:確かに。その感覚、わかる。
nero:キラキラした気持ちが蘇ってくるよね(笑)。
いかさん:けったんの家やRioの家に日々集まって、合宿みたいなこともしょっちゅうしてるしね(笑)。
NORISTRY:そうそう、お互いの顔を見て話すことが多いっていうのも、いいところだと思う。
Rio:会ったほうが、アイデアもより生まれるのかなって。
nero:みんないろいろ経験してきたからこそ、主張できるし、お互いを尊重できるし。みんなちがってみんないい、のがCapital Rhythmなんです(笑)。
あじっこ:そうそう(笑)。お互いにちぐはぐな方向は向きながらも9人としてのこれからをイメージはして少しずつ前に進んでいく。その歪さがあるからこそ熱量も上がっていくのかな、っていう。
――お互いを認め合って、刺激を受け合えているって、だいぶ強み!
つかさし:僕もそう思います。思い起こすと……プロの世界からRioが戻ってきたとき、彼から人が離れていったんですね。そこから再スタートするにあたり、僕は彼に一番寄り添った人間だ、と思っていて。
つかさし
Rio:彼がいなかったら活動を続けていないんじゃないかな、っていうくらい大きな存在ですよ、僕にとってのつかさしくんは。
つかさし:僕は僕で、Rioとだったら目指すところにたどり着けるんじゃないか、と思えていたからさ。Rioも、Rioが心血を注ぐCapital Rhythmも、僕にとっては信じる価値があるんです。
rairu:すごくいい話のあとになんなんですけど……僕はこのメンバーの中で一番、甘えん坊腐り野郎なんですよ(笑)。
いかさん:のりちゃん(NORISTRY)になんて“坊ちゃん”って呼ばれているしね(笑)。
いかさん
rairu:僕もRioさんとはだいぶつき合いが長くて、彼と時を同じくして僕も本名でメジャーデビューをして、その後rairuと伊礼亮、2つの名義で活動していくことになって。基本的に昔から好き勝手に生きてきたし、やりたいと思ったことはなんでも実現できてきちゃったんですよ。伊礼亮として思ったほどうまくいかなくても、なんとかなってきたし。ただ、そういう生き方の中で、知らないうちに自分のハードルを下げていたんですよね。音楽が主軸になくても人生が幸せであればいいや、みたいに。そんな僕に会うたびに火をつけてくれて、自分の音楽に自信を持たせてくれたのが、Rioさん。まだまだ腐っているところもある僕ですけど、毎回火をつけてくれるRioさんに、とりあえずはついていこうかな、と思っています。
いかさん:rairuくんは本当に独特なんです(笑)。いやぁ、でもCapital Rhythmって本当におもしろいグループだよね。neroさん、rairuくん、つかさしくんを見ても、絶対に同じグループのメンバーだとは思わないもん(笑)。
けったろ:だな。っていうか、rairuがもしROOT FIVE(けったろが所属するグループ)にいたら、キレる(笑)。
rairu:ですよね(笑)。
いかさん:確かに想像はできない(笑)。自分なんかは物心つく前から一匹狼タイプで、、「マイペースだよね」って言われ続けてきましたし。まさかグループ活動をすることになるとは思っていなかったけど、Capital Rhythmは驚きの連続だし、絶えず刺激をくれるもの。少しくらい大変でも、声優や俳優の仕事との両立をしたい、と思わせてくれます。
Rio:メンバーがいろいろと話してくれましたけど……僕は、Capital Rhythmとは、というところをお話ししておきます。グループ名の由来は“capitalism=資本主義”で、いわゆる良質な資源を持つ存在が評価されるべきだ、と思っていて。音楽に携わっているからには、良質な「音楽」を提供し、世間からの評価を得たいわけですが、その良質な「音楽」というのは、たとえファンでなくても、誰が見てもかっこいいと思えるようなもの。Capital Rhythmとしては、最大公約数を見極め、共通項を見出し、世の中にアプローチしていきたい、と考えています。また、あくまでソロのアーティストが集まったCapital Rhythmは、それぞれがそれぞれを一番に考えるべきで、いわば小規模なロックフェスや『FNS歌謡祭』をイメージした集合体。お互いの個性を尊重した上で、一体感も出していきたいんです。俺は自分が「ダメだ」と言われ続け、本当に苦しくてとても生き辛かった時代があります。無言の圧力や価値観の押し付け、みんなと違うことは“悪”である、NOと言わせないという世間の風潮は、よくないと考えていて。自分の道を突き進んで、頑張っている人が凄く好きなので、自分もそうなりたいと思うし・・・!人として上下はなくとも前後はあって、歩くスピードはその道によって変わっていく。人は一人じゃ生きられないし、一人よりも二人、二人よりも三人と、多少歩幅が狭くなろうとも人は手を取り合うべきだし、人として生まれた以上、思いやりを持って生きることは忘れてはいけない。そんな助け合いの精神を持ってCapital Rhythmは活動していきたいし、そういうマインドを音楽を通して世の中に広げていける、と信じています。
Rio
――なお、7月5日にライヴが開催されることが4月12日の無観客バンドライヴ生配信で発表されましたが、それも含め、今後に向けてのそれぞれの決意を聞かせてください。
けったろ:今、Capital Rhythm としては、激アツでエモエモなライヴをする“音ノ都”と、それぞれが自分役を声劇で演じる“音ノ宮高校”、その2つを軸として活動していて。4月12日は“音ノ都”としてライヴをしたんですけど、7月のライヴに関しては、“音ノ宮高校”もステージに引っ張ってきちゃうんですよ。
いかさん:“音ノ都”と“音ノ宮高校”、別々のライヴを同じ日にするっていうね。たとえるなら……モンスターを育成して一緒に戦っていく、というった「原点」が同じでも、“ポケモン(『ポケットモンスター』)”と“デジモン(『デジモンアドベンチャー』)”に分かれて、それぞれが巨大なコンテンツとなっていく、みたいな。そういうおもしろいことが、Capital Rhythmでは実現できるんです。
Rio:そうそう。“Animelo Summer Live”と“ROCK IN JAPAN FESTIVAL”があったとしたら……。
けったろ:どっちにも出られるようなグループになりたい、とも思うしね。
Rio:二兎を追う者は一兎をも得ず、という言葉がありますけど、9人いたらきっと二兎を得られちゃうんですよ。
――なんなら、三兎でも四兎でも得られちゃうかも。
Rio:そう、すごく可能性があると思うんです、Capital Rhythmには。
けったろ:あとはですね、いろいろな歌い手のユニットやグループ、プロジェクトがあって、それぞれに魅力があるとは思うんですけど、とにかくうちのメンバーは歌がうまい! しかも、ロックやJ-POP、R&B、ヒップホップとか、リスナーさんには多彩なジャンルの中から自分が好きな音楽を見つけてもらうこともできますからね。
けったろ
Rio:僕自身、のど飴さんという歌い手さんを通してyasu(Janne Da Arc/Acid Black Cherry)さんの歌に出会い、大好きになりましたからね。そういうきっかけを今度は僕たちが作りたい、という想いもあります。
カケリネ:なので、とりあえずは7月のライヴでもかましたいなと(笑)。
NORISTRY:出たいつもの“かます”(笑)。僕たちは元々PCの前から1人ぼっちでみんなに歌を届けていましたが、ライヴだってかます(笑)んだぞってことを感じてもらえると思います。7月5日、楽しみにしていて下さい。
あじっこ:個人的には、去年の11月のライヴみたいな、お互いに負けられないけどめちゃ一体感があるっていう、あの感覚をまた味わいたいです。
NORISTRY
いかさん:“音ノ宮高校”のほうのライヴは、1年、2年、3年がガチで対バンするわけだからね、負けられないや!
つかさし:歌い手ライヴってリレー形式が多いけど、僕らはリレー形式の中でも一体感を生み出せるし、けったろ兄さんが言っていたようにみんな歌が抜群にうまいので。僕らならではの高い完成度、無比の存在感を、自信を持って示したいです。
Rio:ちなみに、“音ノ都”には+α/あるふぁきゅんがゲスト参加してくれます。今までCapital Rhythmには無かった、+α/あるふぁきゅんの女性高音キーの歌声が加わることで、きっといつもと違った華やかな雰囲気になるんじゃないかなと。
rairu:それも楽しみだよね。個人的には、昨年11月のライヴのときには1部と2部で1曲ずつのゲスト出演だったわけですけど、早くライヴで沢山歌って、みんなと一緒に、いい日を作りたいです。
rairu
nero:そうだね、うん。社会情勢的に読めない部分もあるけど……7月5日は間違いなく特別な1日になると思うので。みんなで、楽しみましょう。
Rio:ライヴが通常開催できないとしても、インターネットで生まれ育った僕らだからこそ、4月12日に観て貰ったような、無観客ライヴのような形で、電波に乗せて音楽を届ける事は出来ると思っています。どんな形でも、なんとしてでもやってやる!っていう気持ちではいます。
いかさん:だね。自分も、こんなにひとつのことに一生懸命に、周りからの見られ方も考えず、ただただがむしゃらに進むことができている今。これまで応援してくれている人たち、これから出会う人たちと感動を共有しながら、一緒に走っていきたいな、と思っています。
Rio:本当に、応援してくれる人というのは、僕たちにとって宝だよね。自分のことを全肯定で支えてくれているファンの人たちには、本当に感謝しかないし(こみ上げる涙をこらえながら)……君たちのおかげだぞ、と心から言いたいです。
けったろ:取材でこんなにエモくなるやつ、Rioくらいだよ。めっちゃグっとくるじゃん。
つかさし:こういうやつだから、人の心を動かせる歌を歌えるんだよね。
あじっこ:本当に、Rioは僕らに火をつけてくれる人。
いかさん:Rioがいてこそ、集まれたよ。
――信頼し合える仲間と愛すべきファンがいて、Capital Rhythmに怖いものはないですね。
いかさん:うん、ないです。
Rio:メンバーそれぞれのファンも本当に温かくて、メンバーを本気で支えてくれていますから。みんなでしっかりと手をつないで、未来を切り拓いていきたいです。

取材・文=杉江優花 Photo by=大塚正明

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