角松敏生との邂逅で
中山美穂がアイドルから完全脱皮!
『CATCH THE NITE』は
女性シンガー史上屈指の名盤
脱アイドルがうかがえる歌詞
《Woo darling 今夜も又/Woo darling わがままに負けそう/本気じゃないこと知っていたけど まだ迷ってるの/In the night 今夜限りで終りにして/In the night ゆくあてのない愛はこれで/Good bye love》(M2「MISTY LOVE」)。
《何かが私の中で 変わってゆく気がするの/もう流されたくないわ》《Don't stop dance とびだす/夜の街が教えてくれるわ/Catch my heart 変わらぬ/もう一人の私に目覚めて》《何も考えずに 身をまかせていた/そんな毎日には 今夜でさよなら/大切な日々の中で stepを踏んでよ さあ!/素敵な夜の始まり》(M6「CATCH ME」)。
《この退屈な部屋の中から すぐに/連れ出して どこか遠くへ》《決められた毎日に 縛られたまま/ときめくことさえいつか/見失なうのが恐いから》《きっとまた ありふれた朝がくる/その前に私を変えて》(M7「JUST MY LOVER」)。
《Get your love tonight/お互いに待つ人がいる/Get your love tonight/もうあの頃に帰れない》《Get your love tonight/それ以上 言わなくていい/Get your love tonight/今夜だけ連れ出して》(M9「GET YOUR LOVE TONIGHT」)。
《私が求めていたことは きっと/ここにいることじゃないの/気がついた時は 指輪をはずして/駆けだしていたの 振り向かずに》《花嫁姿のままとび出したら/あなたにすぐ電話するわ/あの部屋の花瓶 これから毎日/私が水をあげたいの》(M10「花瓶」)。
そのほとんどが男女の関係を綴ったものではあるようだが、どれもこれも現状からの変化や逃避を希求する内容である。アイドルからアーティストへの脱皮を図りたいと考える彼女の決意、そのメタファーのように思えるのは私だけではあるまい。作品に貫かれたスピリッツもお見事である。
TEXT:帆苅智之