Little Glee Monster、「同じ時間や
同じ想いを共有してもらえたら」メン
バーの熱い思いが形になった初のオン
デマンドライブをレポート

ライブが行えない状況の中、同じ空間は共有出来なくても、同じ時間や同じ想いを共有してもらえたら--。メンバーの熱い思いが形になったLittle Glee Monsterの有料生配信ライブ「Little Glee Monster > BRIGHT NEW WORLD < スペシャルオンデマンドライブ」が、6月27日に「Streaming+」で放送された。久々のライブ、初のオンデマンドという新しいコミュニケーションの形のライブに全力で臨んだ約1時間のライブの模様を、みなさんと同じ条件で、パソコンの画面を見ながらレポートさせてもらおう。
Little Glee Monster photo by Yusuke Satou
ツアーのリハーサル風景を中心に、モノクロームで仕上げたかっこいいタイトルトラックのオープニング。一転してシーンは現在へ、ドラマチックなピアノのタッチから始まる1曲目は、2月リリースの最新アルバム『BRIGHT NEW WORLD』から「In Your Calling」だ。メンバー5人とバックバンドが立つステージは、こぢんまりとしたプライベートスタジオのような空間で、壁の本棚やモノクロームの写真パネルなどが落ち着いた空気を醸し出す。芹奈、manaka、MAYU、アサヒ、かれんとマイクを繋ぐ、第一声から歌もハーモニーもばっちり決まってるが、ちょっと表情が硬いのはやはり初挑戦の緊張か。2曲目も最新アルバムからの「Classic」で、5人のスキャット風コーラスから始まるリズミックな曲を、バンドが熱いグルーヴでしっかりサポート。歌いながら芹奈が笑顔を見せ、アサヒが元気よくステップを踏む。調子が出てきたみたいだ。
Little Glee Monster photo by Yusuke Satou

5人揃ってのMCは、おなじみのアカペラのグループ紹介からスタート。かれんが「みなさんお久しぶりです!」と口火を切ると、芹奈が「始まる前は緊張してました!」と告白。MAYUが「今日の衣装は3年前のツアーで着てた衣装です!」と紹介すると、アサヒが「ちょっとキツイ…」とつぶやいて笑いを取る。歌う姿のかっこよさと、しゃべる時のゆるさの強力なギャップ、これもリトグリの愛すべき魅力の一つ。スマホとタブレットを取り出してリアルタイムのチャットを紹介しながら、「画面越しにみんなと今を共有してる」と、manakaが粋なセリフを言う。とにかく明るい普段着の、果てしなく続きそうな女子会風トークを切り上げた芹奈が、「1曲1曲心を込めて歌います。明日の糧になればいいと思います」といい感じでまとめる。5人のコンビネーションは抜群だ。
もう1曲、最新アルバムからのアップなロックチューン「Love Yourself」で盛り上げたあと、サードアルバム『juice』からの「いつかこの涙が」は、スロー&メロディアスにしっとりと。革のソファに腰掛けて歌う、途端に5人がぐっと大人っぽく見えてくるのが不思議。おなじみの洋楽カバー曲「You’ ve Got A Friend」は、澄み切った声のハーモニーと、ピアノとサックスの情感豊かなトーンが美しく絡み合う。リトグリには様々な顔がある。
Little Glee Monster photo by Yusuke Satou

「みなさんの第一歩となるように心をこめて歌います」
かれんの曲紹介で歌った「足跡」は、「第87回NHK全国学校音楽コンクール中学生部の部」課題曲。今年のコンクールは中止になってしまったが、来年の「第88回」に引き継がれることが決まったこの曲は、前半はバラード調、後半はロック的リズムで熱く盛り上がるドラマチックソング。We Believe、I Believe。メンバー作詞による言葉の一つ一つと、重なるコーラスが5人以上の存在感を持って高らかに響き渡る。気持ちが入っている。
再びのMCタイム。「音楽の力をより感じました」「ライブができるのは当たり前じゃない」「より一層大切に」。自粛期間中に感じたことを一人ずつ語る、その言葉に実感がこもっている。「ここから一気に盛り上がっていきたいと思います!」とmanakaが叫ぶ。「画面越しにイエー!ってやって!」と煽る。今そこにいるファンの存在を感じられれば、配信でもたぶん何も変わらない。ライブはここから後半戦だ。
Little Glee Monster photo by Yusuke Satou
昨年、アース・ウインド & ファイアーとの共演で話題をまいたファンクチューン「I Feel The Light」は、あえて画面をモノクロームに変えてシックにアダルトに。5人のフォーメーションダンスがばっちりかっこいい。NHKラグビーワールドカップテーマソングだった「ECHO」は、ヘヴィなロック調のリズムに乗り、5人で拳を掲げる凛々しい姿に思わず見とれる。軽快なスピード感でポップにぶっ飛ばす「だから、ひとりじゃない」と、同じくスピード感あふれる「OVER」は、メドレーのようにノンストップで。5人のダンスはさらに激しさを増し、画面からはみだしそうなほどの迫力だ。そして満面の笑顔とパワフルな歌。
Little Glee Monster photo by Yusuke Satou
「久々に“元気ゾーン”やらせてもらいました!」
アサヒの思い付きのセリフに「元気ゾーンって何?」と一斉に突っ込む4人。リトグリのアッパーチューンにぴったりだと思うけれど、どうだろう。再びスマホとタブレットでみんなのチャットを拾い上げ、「足跡」をフルで歌うのが初めてなこと、「I Feel The Light」のダンスがニューバージョンであることなどが判明。「アサヒのスカート曲がってない?」というチャットに、あわてて直しに行くアサヒ。スマホのカメラを構えたmanakaの「ご利益ありそうなポーズ!」という無茶ぶりに、謎の狛犬ポーズで応えるアサヒ。フリーダムすぎるMCタイム、もっと見たい聴きたい方はいつか必ずライブへ行こう。
Little Glee Monster photo by Yusuke Satou
「久々のライブ、楽しい時間を過ごせました!」
アサヒの紹介で、いよいよラストチューン「世界はあなたに笑いかけている」へ。ソウルフレイバーの効いた明るいポップチューンを、肩を組んで歌う5人。manakaとアサヒが狛犬ポーズでじゃれあってる。仲良きことは美しき哉。歌って踊って笑ってのハイテンションが、最後までまったく落ちないのがリトグリのライブのモットー。芹奈の「Little Glee Monsterだったよ!」という一言にみんな大笑いの、笑顔いっぱいのハッピーフィナーレ。約1時間の全力パフォーマンスは、ツアー中止の寂しさを補うにはまだまだ足りないかもしれないが、とことん前向きな5人の思いが伝わる貴重な体験だった。
終了後、画面に映し出される5人の直筆メッセージ。「足跡」のシングルリリリースが、9月上旬に決定したことも発表された。メッセージの最後の一行は「これからもリトグリにできることをたくさん共有できたらと思っています!」だった。2020年はまだ半分終わったばかり。Little Glee Monsterがこれからどんな楽しいことをしてくれるか、次のアクションを楽しみに待っていよう。

取材・文=宮本英夫 撮影=Yusuke Satou
Little Glee Monster photo by Yusuke Satou

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