小山百代 三森すずこらキャストの生
トークも『少女☆歌劇 レヴュースタ
ァライト』の新たなる挑戦 初のオン
ライン公演も大盛況

新型コロナの影響で多くのライブイベントが中止・延期を余儀なくされる中、そんな状況下でファンにライブコンテンツを届ける試みを重ねているブシロード。同社が展開するメディアミックスプロジェクトのひとつで、舞台でのミュージカルを軸とした『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』が選んだ選択は「オンライン舞台公演」。
その第一歩となる新作舞台映像&メイキング上映と、メイン出演陣である「スタァライト九九組」全員が勢ぞろいしたトークイベント『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -The LIVE ONLINE-』が7月12日(日)にイオンシネマ幕張新都心で開催された。映像ならではの舞台の見せ方にも挑戦した新たな『レヴュースタァライト』の可能性が見えたイベントの様子をお届けしよう。

今だから見せられるレヴューを届けたい! そんな創り手の新たな挑戦が始まる
(c)Project Revue Starlight
佐藤「会場に来てくださってる皆さーん、そして配信を見てくださってる皆さーん、こんばんわー!」
小山「画面の向こうで見ている皆さん元気ですかー? 会場のみんなも元気だったらコブシ突き上げてくださーい!」
イベントは小山百代(愛城 華恋役)、三森すずこ(神楽 ひかり役)、 富田麻帆(天堂 真矢役)、佐藤日向(星見 純那役)、岩田陽葵(露崎 まひる役)、小泉萌香(大場 なな役)、相羽あいな(西條 クロディーヌ役)、生田輝(石動 双葉役)、伊藤彩沙(花柳 香子役)ら、スタァライト九九組全員による挨拶からスタート。会場に集まったファンはソーシャルディスタンスのために歓声は上げられないが、小山のコールに応えて力強くコブシを突き上げて、静かだが熱い盛り上がりを見せて壇上の9人を喜ばせた。
(c)Project Revue Starlight
本来なら7月3日より始まるはずだった新作舞台公演だったが、新型コロナの影響を鑑みて残念ながら延期が決定。その代わりに舞台を待ち望んでいたファンのみんなに元気を与えられるモノを作れないかという演者やスタッフの思いが今回のオンライン公演に繋がったと語る小山。
さまざまな制限の中で創り上げた今回のオンライン公演は、時間は短いもののこれまで同様に舞台とライブパートの二部構成。そして新作舞台公演用の主題歌の初お披露目もあるということで、会場は期待と喜びの拍手に包まれた。
(c)Project Revue Starlight
一週間という限られた時間の稽古の中で創り上げたという今回の舞台についての見所について、小泉は「久しぶりの稽古だったけど、スタァライトの稽古といえばこれだなっていうぐらいにめちゃめちゃ汗をかきました」と熱のこもった現場の様子を語り、小山は今回の内容が来たるべき新作公演のエピソード0にあたるものなので、散りばめられているであろう伏線などを記憶しておいて、心の中で温めておいてほしいとのメッセージを会場と配信を見ているファンに伝え、いよいよ初のオンライン公演の幕が開いた……。
(c)Project Revue Starlight
最上級生になる華恋たちが見せる歌劇…それが『桃太郎』?
(c)Project Revue Starlight
今回の舞台で描かれるのは、聖翔音楽学園俳優育成科第99期生・2年A組の面々が3年生への進級を間近に控えた春休みのある日の出来事。
最上級生となることへの決意と不安がないまぜになって「2.5年生」などと言ったりしながらも学校にやってきた彼女達は、下級生に向けての公開授業見学の準備のために、学園主任の走駝 紗羽(椎名へきる)の元を訪れる。
彼女達に課せられたのは、下級生に自分達が二年間学んできたことを見せるため、誰もが知っている物語を新たな解釈で演じる「物語読解」の演目を決めること。その責任者として遅刻した愛城 華恋が指名される。華恋はやる気満々だが、ひかり以外の全員が頭を抱えてしまう。転入生のひかりは知らなかったのだが、1年生の時に華恋が物語読解をした『桃太郎』の新解釈がとんでもないモノだったのだ…。
そんなストーリーが繰り広げられる「エピソード0」は、これまでの舞台版ではあまり描かれなかった日常コメディ描写が多く、問題の『桃太郎』では川を流れてくる桃を天堂 真矢(富田麻帆)がマジメに回転ダンスと共に演じるなど笑いを誘う場面も全編に散りばめられたものとなっていた。
(c)Project Revue Starlight
さらに舞台版恒例の出席確認ミュージカル「プレコール」では、画面が九分割されて全員の踊りや表情が同時に映し出され(公演後のトークパートでは「自分のパート以外でも踊りがあると稽古初日に知らされて大変だった」との裏話も)、舞台パートの最後を飾る「次なるステージへ!」のかけ声とともに制服姿だった九九組の面々が瞬時にレヴュー衣裳姿に変わってライブパートに突入するなど、映像ならではの演出の数々に会場もTwitterでの配信実況も熱く盛り上がった。
(c)Project Revue Starlight
そしてライブパートでは、初公開の新作舞台用主題歌「サイカイ合図」を皮切りに、「約束タワー」そして迫力満点の殺陣を交えての「Circle of the Revue」の4曲 が立て続けに披露され、最後は九九組、椎名へきる、そして他の生徒や殺陣の演者として舞台を支えた出演陣が勢ぞろいしてのグランドフィナーレで、初の試みとなるオンライン公演は大団円にて幕を閉じた。
一週間で創り上げた熱い舞台…その裏側ではどんなことが?
(c)Project Revue Starlight
上映が終わり、再びスタァライト九九組の9人がステージに勢ぞろいしてトークショーがスタート。自分達も完成した映像を見るのが初めてだったという9人は、Twitterでの実況ハッシュタグがトレンド入りした事の嬉しさも重なって、控え室から外に音が漏れるほど盛り上がっていたとのこと。
そして映像の中で披露した「サイカイ合図」については、熱いダンサブルなナンバーを一週間の稽古で仕上げたとのこと。岩田からは「戦隊物の主題歌みたいで勢いのある曲」「思ったよりダンスの難易度が高かったけど、迫力があってカッコよかった」とのコメントも出て、ここに至るまでが熱く大変な日々だった事が語られた。
さらに、今回の「エピソード0」から繋がる新作公演タイトルが『少女☆歌劇 レヴュースタァライト #3 Growth』に決定したことも発表。ここから先に繋がる事を期待してほしいとの小山の言葉に会場は大きな拍手で包まれた。
(c)Project Revue Starlight
続いては「LIVE ONLINE ダイアローグ」と題して、キャストによる今回の公演の振り返りトークがスタート。今回の舞台は、これまでの公演では少なかった日常パートメインだったので演じている側も新鮮だったとのこと。
続いて、歌詞もリニューアルされたプレコールの話題に。これまでは小山が一番手を務めていたが、今回は「華恋が遅刻」というストーリーのために石動 双葉役の生田が一番に歌い始めることになり、歌詞もキャラクターの成長に合わせて少し変わっていた事もあって、あまりの緊張から三回の収録で二回間違えたと告白。他にも分割場面を活かしたパフォーマンスも盛り込んだ話や、映像では使われなかったが、全員が舞台や階段を激しく移動しながら踊る姿を引きで押さえたバージョンもあるとのことで、今後見る機会が出来てほしいといった話題も飛び出した。
(c)Project Revue Starlight
次は「Circle of the Revue」での殺陣の話題に。9人揃っての殺陣を演じるのが久々だったことや、今回は映像ということで全体の殺陣と個別の顔カットなども細かく撮影して構成したので、舞台ではできない映画みたいにカッコイイ殺陣になったと盛り上がった。特に星見 純那役の佐藤は、普段の舞台では光の演出で表現していた弓を射る動作を今回の殺陣で「4年目にして初めて本当の弓と矢を撃った」と熱っぽく語った。
話題はエピソード0の大きな見せ場となった新解釈『桃太郎』に移り、川を流れていく桃を表現するシーンでは青い布で川の動きを出す役者陣と、流れる桃を演じる富田が川と一つになった動きを出すべく一丸となって取り組んだことや、樹や小鳥の役に対する演出・児玉明子さんからの演技指導の話では当人のモノマネも飛び出して大いに盛り上がった。
(c)Project Revue Starlight
稽古期間の裏話として、話題は新曲「サイカイ合図」の振り付けの話に。昨今の情勢から、振り付けのYurika Rakudaさんから送られてきた動画を見て全員が自宅練習をしていたのだが、相羽には富田から後ろ姿を撮影した振り付け動画も送られていたという話になり、全員から「いいなー」「優しいー」「ずるいぞー」とのツッコミを受けた富田は「みんなはできる子! 相羽さんはちょっと天然だから!」と言い返し笑いを誘う一幕も。
(c)Project Revue Starlight
他にも本番収録日に誕生日を迎えた三森へのサプライズバースデーや、当人達の間でやりとりされているNG動画の数々、そして稽古場のトイレが遠くて暗い通路の先にあったため、怖がりの相羽を驚かすために佐藤がイタズラを仕掛けたり、怖くてトイレにいけない時に椎名へきるがついてきてくれた話など、ファンにはたまらないエピソードが山程飛び出したダイアローグとなった。
(c)Project Revue Starlight
(c)Project Revue Starlight
この後は三人ずつに分かれて台詞をしりとりで繋げて台詞数を競う即興劇対決や、九九組で「一番○○な人」を多数決で決めてみんなの仲を深めていく九九組アンケート(ちなみに「一番食いしん坊な人」→小山、「一番天然な人」→相羽、「自分が男だったら一番つきあいたい人」→富田という結果に)、そして劇場公開延期となっていた再生産総集編『少女☆歌劇 レヴュースタァライト ロンド・ロンド・ロンド』の公開が8月7日(金)に決定&主題歌「再生讃美曲」のCDリリースが9月9日に決定などの最新情報の告知と共に公演もついにフィナーレに。
最後の挨拶では半年ぶりに9人で揃う事ができたことの嬉しさや、映画公開日が大場なな=バナナの8月7日で、CDリリース日が九九組の9月9日なったことに「ディスティニーを感じる」と相羽が語るなど、ファンにとっても演者にとっても『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』の新たな展開への期待が高まるオンライン公演となった。
取材・文=斉藤直樹

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