麻衣×ラッキィ池田夫妻が配信コンサ
ートを開催! テーマは「親子で聴き
たい笑顔の音楽」 その見どころは?

現在、各地の映画館で上映されているため、興行収入ランキング上位に『風の谷のナウシカ』などのジブリ作品が食い込んでいると話題になっているが、『ナウシカ』の劇中もっとも印象に残る“ランランララ~”という歌声を聴かせているのが作曲家・久石譲の長女である、当時4歳の麻衣であった。現在、彼女は世界各地で活躍する歌手となり、CMなどでも歌声を耳にする機会が少なくない。
若くして日本を代表するチェリストとして名高い宮田大をして「女声でも男声でもないというか、色んな要素がミックスされた“麻衣さんの声”としか言えない魅力を持っている」と絶賛される麻衣が、長きにわたってコラボレーションしてきたラッキィ池田・彩木エリ夫妻をゲストに迎え、「親子で聴きたい笑顔の音楽」というテーマで配信コンサートを披露する。麻衣がラッキィ池田・彩木エリ夫妻の振付に絶大な信頼を寄せる理由など、公演にむけたお話を幅広くうかがった。
――7月になり、やっと開催されるイベントの数も徐々に増えてきつつありますが、新型コロナウィルスの影響で、皆さまの生活には大きな変化はありましたか?
麻衣 実は海外公演(ロンドンウェンブリースタジアムでの公演やシアトル交響楽団との共演など)が全部なくなってしまったんですよ。だから、いま日本にいること自体が大きな違いといえますが、子どもがまだ1歳なので、日々の生活はあまり変わりませんね。
あと、主宰する合唱団(リトルキャロル)の練習もリモートでせざるを得なくなったんですけど、いまの技術ではどうしてもタイムラグがあって、リアルタイムでは一緒に声を合わせることが出来ないんですよ。だから、ひとりひとりの公開個人練習みたいになっちゃう……。その代わり、誤魔化しがきかないのでみんなすごく上手になりましたが(笑)、以前通りの練習再開の目処はたちません。
ラッキィ池田 僕は改めてデジタルの良さを感じられるようになりました。Zoomなんてソフトを以前は知らなかったんですけど、吉本(興業)の授業などをやるために今では使いこなせるようになって、「もうこれでいいんじゃないの?」って思うほどになりましたね。普通、ダンスの振付するときは、鏡があるスタジオでやるんですけど、ひとりひとりを対面で見ることが出来ないんですよ。でもZoomでやると、それが出来るんです。
ラッキィ池田
――なるほど、皆さん、真正面にカメラを置きますもんね。
ラッキィ そうなんですよ。
彩木エリ 吉本の学校なのでお題を振って、実際にやってもらうんですけど、一気に100人教えられますからね。
ラッキィ 今までは鏡を見ながら、同じ方向をむいて……という感じでやっていたんですけれど、Zoomなら画面を指で横に(スワイプ)やりながら、どんどんチェックできます。それと今までのことを見直すには良い時期で、お笑い芸人を目指す若い人たちに、お金を稼ぐことも大事だけど、まずは面白いことを基本にしようよってしっかり教えることが出来たんじゃないかなと思います。
彩木 今はEテレとCMの振付も再開していますが、緊急事態宣言中はさすがにそうしたお仕事も全部ストップしていましたね。でも池田先生は創作活動が炸裂していましたよ!ダンボール製のロボットを作ったり(笑)。
ラッキィ 自宅のスタジオに何もなくて殺風景だったので、ロボットぐらい作っておこうかなと。これぐらいあります(手で高さを示す)。
――結構、大きいですね!?小学校のお子さんぐらいの背丈がありそうです(笑)
彩木 他にも2~3体の人形を作ったんですよ。そのうちのひとつは、アマビエです(笑)。
ラッキィ 前々から、ぬいぐるみ旅行会社(ウナギトラベル)のお手伝いをしていたこともあり、ぬいぐるみのダンス教室というのをリモートで始めたんです。ファミリー(ご本人)は映っちゃいけなくて、ぬいぐるみの子たちだけが画面にいるんですけど、一緒に踊るので結構汗だくになります(笑)。
彩木 ダンスに苦手意識をもっていらっしゃる方でも、踊っているのは自分自身ではなくぬいぐるみなので恥ずかしがることもなく、音楽にあわせてリズムをとる楽しさを感じてもらえるんです。新しい発見でした。
ラッキィ でもこれって2.5次元でもないし、何次元なんですかね(笑)。
一同 (笑)
――そもそも、麻衣さんとラッキィご夫妻とのご縁は、どんなきっかけだったんでしょうか?
麻衣 1996年からNHK東京放送児童合唱団(旧:東京放送児童合唱団)の卒団生で結成した女声コーラス・グループ「リトルキャロル」をやっているんですけど、卒団後にN児のコンサートでラッキィ先生、エリ先生が担当されたステージングをみて驚いたんです。芸術性の高さ、華やかさ、そして何よりこんなにお客様を魅了してくれるステージって他にないって思ったんです。その時点では面識はなかったんですけど、是非とも私達の合唱団にもお願いしたいと頼みまして、それから毎年お世話になっています。
彩木 この仕事を一生懸命していて本当に良かったと思う瞬間って、私たちの仕事をみて、共感していただいて依頼をいただけることなんですよ。一番嬉しいです。
彩木エリ
――麻衣さんの心を掴んで離さなかったご夫妻のステージングって、他の方と何が違うのでしょう?
ラッキィ 普通の振付の先生だと、子どもなので揺れるだけ……っていう風にしがちなんですけど、実は揺れるのってすごく難しいんです。しかも揃わないと、観ている方はストレスだけが溜まるっていう状況になってしまう。歌詞をみても、揺れなきゃいけない内容じゃないのに揺れるのを揃えるっていうのは、本当に大変。だから歌詞に合わせて、もっと難しい動きでもやってしまった方が、子どもたちも自発的に揃っていくんです。歌っている内容を立体的にしていくのは大人も子どもも関係なくて、全員が歌を理解すればおのずと掘り起こされていくんです。
震災があるたびに「上を向いて歩こう」が歌われたりしますけど、(作詞者の)永さんが「この歌は震災のために作った歌じゃない!」って言うんですよ。もうちょっと言い方あるんじゃないかなと思いましたけど(笑)、でも同時に「生み出されたものを、どう感じるかは皆さんの自由」っていうことでもあると思うんです。歌う人が変われば、受け取り方も変わりますよね。リトルキャロルが「ボヘミアン・ラプソディ」を歌えば当然、QUEENと違う歌になるんです。
彩木 踊りって、感情を開放したり、ボディーランゲージのように何かを表現したりするものだと思うんですけど、私たちはいつも“音楽を人間の身体で絵にする”っていうような目的で踊りというものを使っていたりするんです。
――実際に、身体を動かす側からするとどうですか?
麻衣 先生たちの振付って、複雑ですごく難しいんですよ。だから最初に練習を見ていただくタイミングぐらいだと「もうちょっと頑張ってね!」って言われてしまうぐらい(笑)。動きに必死過ぎてしまうんですよね。そこから、この振付にどういう意味があるんだということをもう一回、ひとりひとりのメンバーが自分のなかで消化していく。それが深まるほど、理解度の密度というかパワーが強まって作品として仕上がるんじゃないかといつも思います。
彩木 初めての年だと多分つらいだけで、何なんだろうと思うはずなんですよね。やっぱり舞台の上で、お客さんの感動を実感してくれると、そこから信頼関係が生まれるんです。そうすると相乗効果が出て、大きなやる気のエネルギーが生まれて、皆もレベルアップして、より良い作品を生み出すことが出来る……という関係をリトルキャロルさんとは続けさせていただいていますね。
麻衣 大きな飛躍のきっかけになったのは(2014年の)「レ・ミゼラブル」メドレーを振付していただいたことじゃないかと思います。私たちにとっては演技だったり、児童合唱的な表現から大きく抜け出たりすることが難しくて。先生方との「レ・ミゼ」で、その殻を破れたからこそ、去年のQUEENも実現できたんです。感謝しかないですね。
――実はラッキィご夫妻のお陰でステージングだけではなく、音楽そのものがより幅広く、より深くなっていかれたのですね。

【Streaming+】『リビングルームコンサート VOL.6』

――さて、いよいよ7月31日の配信コンサートについてお話をうかがいたいのですが、今回の企画のテーマは「親子で聴きたい笑顔の音楽」だそうですね。
麻衣 もともと私が長野のSBCラジオで「麻衣のミュージックランデブー」という番組を3年ほどやらせていただいていたのですが、去年は産休でお休みになってしまっていたんです。今年、その「親子で聴きたい笑顔の音楽」というテーマで特番をお送りした際にラッキィ先生、エリ先生にゲストとして出演していただいたんです。
私は母親の目線から、ラッキィ先生とエリ先生には子どもたちに長年振り付けてきた経験から、幼稚園、小学校低学年、小学校高学年、中学校に分けて、それぞれの年代で親子で聴いてほしい曲を紹介してゆくというラジオ特番だったのですが、これがとてもおもしろかったので、もうちょっと違う形でも企画してみたいと思っていたのです。そして今回、このリビングルームコンサートで、私とリトルキャロル、そして大人気YouTuberでもあるピアニストの菊池亮太さんで、それぞれの紹介する曲を生演奏していくというパワーアップした形で配信できることになりました!
――ラッキィさんたちは、このお題に対して、どんな風に選曲されたのですか?
ラッキィ 自分が子どもの頃、どんな音楽が耳に、心にガンと入ってきたのかなっていうのをまず考えた上で、不特定多数の方々が聴かれるので全く誰も知らない曲ではなく、皆さんがご存知であろうものから選びました。あとは、なるべく「いい子いい子」した選曲はしないようにしています。子どもって小学生にあがると、振り付ける時も、もう割とやんちゃなんですよ(笑)。
彩木 やんちゃだし、やんちゃであるべきだと思います!
一同 (笑)
ラッキィ ちょうど音楽業界も、もう一回振り出しに戻らなきゃいけない時期なのかなとも思うんですよ。単純に恋愛の歌を作ったり、歌ったりすればいい……だけじゃないのは確かですし。いま、何を歌わないといけないのか?
――重みのある言葉です……。
ラッキィ 今回のプログラムに並んでいるのは、自信をもってお薦めできるいい曲ばかりですね。
麻衣 色んなジャンルにばらけているんですけど、ひとつのテーマだからこそ深く楽しんでいただけるんじゃないかと思います。あと、来年のリトルキャロル結成25周年にむけてラッキィ先生に曲目を相談していると「麻衣ちゃん、そろそろ久石譲さんがいいんじゃない?」と言われたんです。
ラッキィ みんなが思う夢ですよね。
麻衣 それで、来年にむけて「君をのせて」を今回も歌うことにしました。
麻衣
――その記念コンサートの頃には、コンサートホールでのライヴが再開できているといいですよね……。
ラッキィ 分かんないよ。やっぱりリモートが面白かったなあ!って思うかも知れないし(笑)
麻衣 うちの父も自粛期間中、全く仕事がなくなってしまったので、私たちの出ているリビングルームコンサートだけでなく、辻井(伸行)くんの配信をみたり、母は反田(恭平)くんの配信をみたりと、配信コンサートのウォッチャーになってましたよ(笑)。配信のスケジュールに合わせて、晩御飯の時間やメニューを決めていたぐらいです。
彩木 じゃあ今回のコンサートは、どんなメニューが合うんだろう?
麻衣 これはカレーライスです!(断言)
――その心は!?
麻衣 なんでかって言いますと、見入っちゃうはずなので、食べ方が難しくなくて、ただすくって口に運べばいいものが合ってるんじゃないかなと!
彩木 えー?でも「ボヘミアン・ラプソディ」にカレーは合うかなあ?
麻衣 大丈夫です!その頃には食べ終わっているはずなんで!(断言)
一同 (爆笑)
――演奏だけでなく、こんな和気あいあいとした楽しいトークが聴けるのも公演の見どころになりそうですね!
麻衣 今回の公演も、私のリビングルームにおふたりをお招きしたら、生演奏がリビングルームに来ちゃった!……というのがコンセプトなんです。配信をみてくださる方々とも、チャットを通して交流できたらなと考えています。
彩木 恋愛相談とか?私たち3人は、それぞれ個性もバラバラなので、色んな視点で相談には乗れるかなと思います(笑)。今回のテーマは「子ども」なので、そういった相談でもいいし。30年ぐらい子どもたちとのお仕事をしていますから!
麻衣 それいいですね!
ラッキィ 何があっても面白いですよね。観ている人たちのために、ちょっとした振り付けをしてもいいかもしれないし。
――なんと!そんな特別な演出まで……。ますます、今回の配信コンサートが見逃せないものになりそうですね。
【Streaming+にてオンライン配信!LIVING ROOM CONCERT】ラッキー池田、彩木エリよりメッセージが到着!
取材・文=小室 敬幸

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