希望なき世に光り射せ

“面白きこともなき世をおもしろく すみなしものは心なりけり”というのは、幕末に活躍した高杉晋作の名句だ。“心の持ちようで世界は面白くもつまらなくもなる”という信念は、今の時代にも通じるものではないだろうか。希望なき世に希望を見出していくのも、自分自身。だからこそ、音楽やロックンロールは眩しいのではないか。そんなことをSuueat.を聴きながら考えていた。

彼らを構築しているのは、60年代から90年代までのUS、UKのインディー・ロックである。ベトナムの南北対立や英国の深刻な不景気に対峙して鳴っていた音楽の文脈を、Suueat.は引いているのだ。
あの時代、音楽が光のひとつだったように、彼らも現代に光を射している。気だるげなボーカルやラフな音色のギター、そして心地よいテンポ感。表面を掬っただけで終わらぬ地に足ついたマインドがあるからこそ、Suueat.の音楽には希望を感じるのではないだろうか。

先日配信が開始された「Sunshine Of You」は、新体制になって以来、初となるシングル。肩肘張らない空気感と心地よいギターサウンドは健在だ。先行きの見えない日々が続いているが、希望のひとつを見出す手段として、ぜひ彼らの音に触れてもらいたい。

こんなアーティストが好きな人におすす

・CAR10・Not Wonk・And Summer Club

Suueat. アーティストページ|BIG UP!

提供:BIG UP!zine
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