斉藤壮馬インタビュー 第2章からは
「自分を解き放つ」ことにした理由
& 『Summerholic!』・9月新曲『パレ
ット』の楽しみ方

アーティスト活動の第2章となる『in bloom』シリーズをスタートした斉藤壮馬。"季節のうつろい"、"世界の終わりのその先"をテーマに、3曲連続デジタルシングルをリリース中だ。第1弾『ペトリコール』に続く、第2弾『Summerholic!』が8月19日にリリース。さらに、9月19日には第3弾『パレット』のリリースも控えている。そんな斉藤に、『in bloom』シリーズや3曲への思いをインタビュー。「この3曲を作ってみて、今後はこういう楽曲が増えていくんだろうなと改めて感じました」と語る斉藤。自らを解き放った彼がどんな表現で楽しませてくれるのか、第2章への期待が高まるインタビューとなった。
――アーティスト斉藤壮馬にとっての第2章とは、どんな想いがこめられているのでしょうか。
そこまで明確なものではないのですが、いままでの楽曲とはまたちがった世界観の楽曲もやっていきますよ、というような意味合いでスタートさせていただきました。2019年12月に発売したミニアルバム『my blue vacation』は、“旅”や“世界の終わり”というモチーフを盤全体のテーマとして制作したんです。それがうまくまとまったという手ごたえがあって。であれば、ここから先はいままで制限をかけていたような音楽性や楽曲を表現していこうと、自分のなかで決めました。そう思えるようになったきっかけは、ファンの方の声。お手紙などで「もっとディープな音楽をやっても、聴きます」と言ってくださる方がすごく多かったんです。いままでは、声優・斉藤壮馬が歌うにはこの曲は暗すぎるとか、声優・斉藤壮馬が歌う以上は楽曲にある程度のエンタメ性が必要だから、これはやめておこう、といった制限を設けていました。でもここから先は、それを取り払って考えてみてもいいんじゃないかなと思えたんです。
――よりディープなものを望む声は、どのように受け止められましたか?
純粋にありがたいなという気持ちが大きかったです。自分の楽曲は、どれもいわゆるメッセージソングではないんです。自分で書いたものもそうでないものも。自分がいいたいことを歌にしているのではなく、例えば「フィッシュストーリー」(1st single)であれば「フィッシュストーリー」という物語があるだけ。そこに自分の思いは関係ないんです。楽曲ひとつひとつに物語があるという解釈でこれまでお届けしてきたので、自分自身のディープな部分を受け止めてもらうというよりは、もっとポップスっぽくない楽曲をやっても受け入れてもらえそうだな、挑戦してもいいんじゃないかなと思えるようになった安心感の方が大きかったですね。今回の3曲はもちろんですが、さらにその先でリリースするであろう楽曲の方が、よりディープな部分をお届けすることになると思います。だから今回の3曲は、まだその少し手前。
――これまではコンセプチュアルな作品をCDとして発表されてきましたが、配信ならではの魅力もあったのでしょうか。
1曲ずつリリースできる利点といえば、リアルな季節に合わせた楽曲をリリースできること。例えば12月にリリースするアルバムには、夏の曲はなかなか入れにくいですから。それは大きな強みだと感じています。聴いてくださった方も、「今の曲だ」と感じてくださったのがうれしかったです。
「ペトリコール」MVカット
――『in bloom』シリーズ第1弾「ペトリコール」(6月27日リリース)は、まさに梅雨の時期に聞きたい楽曲でした。
今年の6月でデビュー3周年だったので、実はそのタイミングでシングルを出そうということになっていたんです。ただ諸事情で、今回は配信でのリリースになりまして。その時点でもう「ペトリコール」は存在していたので、この曲はどうしても梅雨の時期に合わせて、6月に出したいと思ったんです。さらに、配信というかたちで時期に合わせたリリースになるのであれば、2曲目は夏に、3曲目は夏の終わりから秋の始まりくらいの時期になるだろうと考えまして。であれば、この6月から9月という季節の移ろいを歌っていくのもおもしろそうだな、というところから3曲のテーマが固まりました。
『in bloom』シリーズの3曲はすごく個人的で内省的なもの
斉藤壮馬 『ペトリコール』 MV
――第2弾「Summerholic!」(8月19日リリース)はまさに夏の曲ですが、歌詞に注目すると独特な夏の曲で驚きました。
「ペトリコール」が何度も聴いていくうちにしみてくるタイプの楽曲だったので、2曲目は逆に、曲としてもノリが良くて夏を感じられるような歌にしようと思って生まれたのが「Summerholic!」でした。でも夏の楽しみ方は人それぞれ。僕はもともと、「Summerholic!」の主人公のように、「今日はすごくいい天気だな」と思いながら、部屋のなかで映画を観たり飲みながら本を読んだりするのが好きなんです。それが自分なりの贅沢な夏の過ごし方のひとつ(笑)。でもそれって一般的な考え方からすると、ちょっとズレてるんだろうなと。普通は「晴れてるのになんで外に行かないの?」って思いますよね。本人としては前向きに贅沢に夏を満喫しているんですけど。だからある意味、素直にひねくれた曲なんです。そんなところがおもしろいんじゃないかなと思って書きました。
――斉藤さんならではの夏の楽しみ方が詰まった楽曲になっているんですね。
自分でMVを客観的に観たのですが、本人はすごく楽しそうだけど、この人部屋にひとりなんだよな……と思ったら、おもしろいやら怖いやら(笑)。いままでもそういう曲は書いていましたが、『in bloom』シリーズの3曲は、特にそれぞれが自分の世界に没入している歌になっているんです。だから歌の主人公の主観ではとても楽しそうなんだけど、客観的に見ると「どうなんだろう?」と疑問に思うような曲になっています。例えば「memento」(『my blue vacation』収録)は、“世界の終わり”を直球に歌にした曲。でもそれは“自分だけの世界”という意味ではなく、“この世界全体”の終わりという意味だったんです。それと比べたら、『in bloom』シリーズの3曲はすごく個人的で内省的なものになっている。この3曲を作ってみて、今後はこういう楽曲が増えていくんだろうなと改めて感じました。
斉藤壮馬 『Summerholic!』 MV
――世界観は内省的な方に進んでいるのに、楽曲としてはノリノリでおもしろい構成をしていますね。
ポップさや聴き心地の楽しさは音楽の大事な要素なので、そこは3曲とも意識しています。さらに、「ここは何パートと呼べばいいんだろう?」っていう曲の構成も、意図的に作りました。いわゆる日本のポップスはAメロ→Bメロ→サビという構成が多いのですが、そうしなければいけない決まりもないですし。翻って考えてみると、自分が好きな曲はそういったテンプレ的な構成ではない楽曲が多くて。「Summerholic!」もコード自体は大きく変わってはいなくて、同じセットをループしているんです。でもそこに乗せるメロディが変わるだけで、全然違って聴こえるのが面白いんですよね。そこは洋楽的な発想で作ってみました。
――そうすることによって、どんな変化がつけられるのでしょうか。
例えばAメロ→Bメロ→サビという王道の構成の場合、それだけで安心感があるんです。「次にサビがくるな」って準備したうえで聴くことができますから。でも構成が変わっていく楽曲には、次に何が来るかわからないワクワク感がある。どちらも音楽としてはありですが、自分は1曲のなかにもこんなにいろんな展開があったんだ! っていう驚きがあった方が好きなので、ワクワク感を重視してみました。これも僕の趣味です。
「Summerholic!」MVカット
――そこでイントロのフレーズがまさにいい味をだしていますね。
イントロのギターのフレーズをDTMソフトでループ再生しながら、これにハマるコード進行はないかなと考えていたら、するする出来上がりました。このコード進行は、イギリスの古典的なセブンスのコード進行になっていて、バンド感+ちょうどいい感じの夕暮れ感が漂う音になってるんです。楽しいんだけどちょっとだけ寂しさもある、そんな音がこの曲にはぴったりかなと。
――同じメロディにハーモニカの音が入るだけで、一気にその寂しさが増すところもおもしろい。
ハーモニカ、いいところで入りますよね。アレンジャーのSakuさんが提案してくださって入れたんです。でもふと冷静になると、「この人部屋にひとりでハーモニカ吹いてるのか……」と考えてしまうところもあって(笑)。そういうオフビート感……すっとぼけたユーモアが、この曲にはあるんです。ただ夏らしいハッピーな曲だと思っていた方も、こういう視点で聴き返してみていただけると、また違った印象で楽しんでいただけると思います。
――そう考えると、部屋にひとりのはずが、大勢で乾杯しているのも不思議なことになってきますね。
でもいざできあがったものを聴いてみたら、「あれ? 誰と乾杯してるんだろう」と(笑)。もちろん作り手・斉藤壮馬なりに楽曲のイメージはもっているのですが、聴き手・斉藤壮馬として客観的に曲を解釈するのも楽しいです。それに、いつかライブで歌うことがあれば、「乾杯!」ってコール&レスポンスが楽しめそうでいいですよね。
夜中に映画を観ていたら……斉藤壮馬の夏エピソード
――ちなみに斉藤さんはどんな解釈をされたのでしょうか。
実は歌詞にヒントがあるんです。歌いだし部分で「幽霊だってはしゃいじゃいそうだよね」って歌っていて、後半で誰かと「乾杯」しているということは……?
――あ、怖いですね(笑)。
そうなんです。まあ、夏ですからね! 音楽として楽しみつつ、そんな解釈もできる余地のある曲になっています。
――斉藤さんがイメージする夏といえば、「Summerholic!」のような過ごし方がベストなのでしょうか?
子どもの頃は山に行ったり虫取りをしたりと、夏らしい過ごし方をよくしていました。でももともとインドア派ということもあって、「夏だから海行こうぜ!」っていう過ごし方は、ほぼ経験がないですね。ただ、夏は一番エモーショナルな季節だと思います。花火、スイカ、風鈴、プールなどなど、四季の中でも特に夏を想起させるものが多いんですよね。
「Summerholic!」MVカット
――斉藤さんが夏にヒヤっとしたエピソードはありますか?
先日、夜中に映画を観ていたときのこと。ものすごく集中していたんですが、ふと気が付くと「パンッパンッ」と窓を叩く音がしたんです。外を見ても何もいなかったので、気を取り直してまた映画を観始めたら、やっぱり叩いてくる音が聞こえて。さすがに「マジか……」と怖くなって窓を開けたら、ベランダに蝉がいました(笑)。迷い込んだまま柵が越えられず出られなくなってたみたいで。これはなんとか逃がしてあげなければと思って、クイックルワイパーを持ってきて、クリケットのように救い上げて逃がしてあげました(笑)。怖かったです。
「パレット」のテーマは“感情の色彩”
――そして9月19日には、第3弾「パレット」がリリースされます。
これは、「ペトリコール」を作っているときにできた曲です。僕はいつも90秒くらいのデモ音源をまずスタッフさんに聴いていただいて、良さそうだねとなったらフルを作るというやり方をしていて。そのときちょうど「ペトリコール」の歌詞を詰めている際中だったのですが、ふと息抜きがしたくなりまして。
「ペトリコール」がリフレインでグルーヴを高めていくタイプの楽曲だったので、その反動で、重めのディストーションのかかった力で押すようなフレーズが引きたくなって。いわゆるUSのエモバンドっぽい音がいいなと思ってそのまま弾いていたら、すんなり「パレット」の1番くらいまで出来上がったんです。
「パレット」は、音楽的にはかなり直球なサウンド。当初は「ペトリコール」、「パレット」の順番でリリースすることも考えていたんです。夏にあえてエモーショナルな楽曲があってもいいかなと。でもそうこうしていたら「Summerholic!」が出来上がったので、「パレット」は夏から秋へ移り変わる季節を、バンドでエモーショナルに歌おうということになりました。なので制作期間的にはわりと短めでしたね。その分歌詞は時間をかけました。アレンジャーのSakuさんも、「ペトリコール」には時間がかかっていましたが、「パレット」に関しては「一瞬でアレンジできるのに~!」とおっしゃっていて。それはたぶん、「パレット」の方に僕らバンドキッズの好きな要素が詰まってるからだと思うんです。
――まさに、夏の終わりの野音で聴きたいです。
爆音でね。演奏する側も聴く側も、グッとくる1曲になったと思います。
――歌詞ではどんなところにこだわったのでしょうか?
この曲では、「パレット」というタイトルのとおり、“感情の色彩”について歌いたかったんです。例えば夏と秋の間って、どちらの季節も感じられるけれど、明確な名前はないじゃないですか。同じように、変化していく感情にも名前がないんです。そんな情景に名前をつけるのではなく、歌や音楽で表現できたらいいなと思って歌詞を書きました。
ストレートな歌詞になっているので、比較的わかりやすいはず。ラスサビも、どこか希望があるような終わり方をしています。当初はもうちょっと破滅的な歌詞だったんですけどね。「溶かして」という歌詞が、「壊して」だったんです。でも爽やかで前向きな後味の音楽や歌詞に落ち着きました。
――ストレートな歌詞って、斉藤さんのなかでは珍しいのでしょうか。
まっすぐさは美徳ですし、そういられること、歌えることは大事だと思います。でも自分はどちらかというと恥ずかしい気持ちがあるので、あえてずらしたり隠したりユーモアでごまかしたりするほうが好き。でも「自分がどうしたいか」というよりは、「その曲がどういう歌詞を求めているのか」を大事にするようにしています。「パレット」の曲にはまっすぐな歌詞だろうと思って書くことができたので、自分の中ではいいものが書けたんじゃないかなと思っています。
――歌詞のまっすぐさと、音のノイジーさがすごくマッチしていますよね。
デモの段階から、「とにかく音を大きくしてほしい・音は全部歪ませてほしい」とお願いしてました。特に低音にオケの音を集中させているので、ボーカルは中~高音域にしていて、ハモリも上ハモしか録っていないんです。パワーのある音の塊が低音にいるおかげで、歌が高音域に抜けていく楽曲になりました。その辺は、「屋上」や「還りたい」といったワードが出てくる序盤の歌詞とうまくマッチしたんじゃないかなと思います。
――アーティスト・斉藤壮馬の曲でありながら、バンドサウンドとしての魅力もあふれた1曲になっていますね。
参加していただくミュージシャンの方たちには、なるべくお任せするようにしています。3曲のうち、「ペトリコール」は引き算が大事になってくる楽曲。そんななかで素敵なグルーヴを出していただきました。一方、「Summerholic!」と「パレット」は、生のバンドの演奏でなければ出せないものがあって。それぞれタイプは違うのですが、どちらもバンドの良さ、おもしろさがすごく出ている演奏になっているので、さらに曲を素敵にしていただけた気がします。
第2章以降は、ルールから自分を解き放つ
――今後、斉藤さんが突き詰めていきたい音楽の方向性は?
僕が思う音楽の良さは、完全性ではないところ。例えばピッチがあっていないとか、ちょっとリズムが走ってるとか。そういったところこそが、逆に唯一無二の魅力になると思っていて。それがポップミュージックのおもしろさだと思うんです。なので今後も、いろんな方と表現していきたいですね。
個人で活動していてよかったなと思うのが、音楽性を限定しなくてもいいことなんです。「アーティスト・斉藤壮馬は絶対にこのジャンルしか歌いません」って決めなくていい。曲によっては、歌い方や発声方法すら変えてもいいというのが、非常にありがたいことだなと思っていて。だからこそこれからもいろんなミュージシャンの方とバンドを組んでみたいですし、その時々で生まれるグルーヴを追求していければと思っています。ただ、自分の音楽の中心には、必ずバンドサウンドがあるのかなとは思います。自分はバンド音楽を中心に聴いて育ってきましたしね。
それとは別に、編曲やミックスまで完全にひとりでやるような、より内省的な音楽にも興味はあります。それこそ、サビすらないようなもの……アシッド・フォーク&エレクトロニカみたいなものとか。果たしてそれを斉藤壮馬の名義でやるかどうかわかりませんけどね。1.5章まで、自分で自分の音楽に制限をかけていたことに気づいたので、そういうルールづけから、自分を解き放って、より良いものをお届けしていけたらと思っています。
――今回の3曲以上に解き放った斉藤さんの音楽が聴けるのが楽しみです。
いまも楽曲制作を進めていますが、これまで出してこなかったような方向性のものをお出しできると思います。「これが斉藤壮馬か」といわれたら、まあなんとなくはわかってもらえるんじゃないかな? っていうくらい、振り切った楽曲も生まれてますよ(笑)。例えるなら……「デート」(3rdシングル)の発想で料理をしたらこうなりました、みたいな。それは「キッチン(仮)」という曲なのですが、ぜひ楽しみにしていてほしいです。今回の「ペトリコール」「Summerholic!」「パレット」の3曲を制作したことで、もっともっとルールに捉われずに作っていこうと思えたので、この先もどんどん広がって行くはず。
ファンの考察が気づかせてくれるもの
――逆に、どんな意外性のあるものだとしても、斉藤壮馬の音楽であるといえるような軸は何だと思いますか?
ポップであることだと思います。どんな難しいこと、高度なことをやっていても、音楽として聴いていて楽しめるものであることが大事だと思うので、そこからはブレずにいたい。今後は実験的な曲もお届けしていくとは思いますが、アルバムの全曲がそういう路線というわけではありません。耳なじみのいいポップな楽曲や実験的な楽曲を、バランスを取りながらお届けしていきたいと思います。結果として、アルバム全体を通して聴いたときに、どちらも楽しめる気持ちのいいものになれたらいいですね。
明確に「これが斉藤壮馬の音楽」呼べる軸はあると思うんです。でも、“あるんだけどない”という状態がいいかなと思っていて。仏教の教えのひとつに“非我”という言葉があるんですが、それは、人間の本質みたいなものは確かに存在するけれど、それは常に流動的であって、具体的に記述することはできない、という意味の言葉なんです。例えば、クールな状態のときもあるし、情熱的な状態のときもあるから、「斉藤壮馬の本質はクールな人間だ」とは言い切れないといったような。でも、本質はある。そう書かれていて、なるほどと思ったんです。だから、曲ごとにいろいろな形で表現できているっていう状態が、一番理想的なのかもしれません。
究極的なことを言えば、「斉藤壮馬の曲だってわからなかった」と言われた方がうれしいかも。声優業にも言えることですが、“私”を消してキャラクターに徹することができるというのは、理想的な役者の在り方だと思うんです。もしかしたら音楽もそうかもしれない。これからも音楽性を変化させていくことで、いろんな曲をお届けしていけたらいいなと思います。
――それをファンが望んでくれているというのもうれしいですね。
そうなんです。僕の楽曲って、考察しながら聴いてくださる方がすごく多くて。僕も皆さんの考察を見るのが好きなんですよね。自分の楽曲を介して、自分も聴いてくださる方もいろんな角度から考察ができるのが楽しいですし、ありがたいです。そんなリスナーさんがいてくださることがうれしくて。
――「斉藤さんならきっとなにか意図があるはず」という信頼と期待を感じます。
考察を読んでいると、自分でも「そうなんだ」と思うことがあるんです。創作って、どんなに意図して作っていても無意識のうちに何か別のものに接続されることが絶対あると思うんです。だから、自分では意識していなかったけれど、こんな広がりを見せる繋がりが無意識のなかにあったんだと、考察で気づかせてもらえるんです。それは僕の視点だけではたどり着けないもの。きっと無意識の中ではたどり着いているのかもしれませんが、意識してたどり着くことはできないんです。そんな部分にみなさんの考察のおかげでたどり着けることが、何よりもおもしろいですね。
――それだけ多角的に楽しめる音楽性を生み出してきた斉藤さんが、これからどんな表現をされるのか、ますます楽しみになりました!
ありがとうございます! 『in bloom』シリーズの3曲は“季節のうつろい”、“世界の終わりのその先”というテーマで、それぞれ違った視点から歌ってみました。聴いてくださったみなさんが、それぞれの解釈や考察で音楽を楽しんでくださったらうれしいです。ここから斉藤壮馬の第2章と銘打って、いままでにはないような方向性の楽曲をお届けしていきたいと思います。自分自身でもどんなものがお届けできるのかはわかりませんが、たくさん仕込んでおりますので、お知らせできるタイミングを楽しみに待っていていただけたらと思います。これからも穏やかに自分のペースでやっていきますので、みなさんもゆるやかに見守りつつ、一緒に楽しんでいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします!

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