THE ORAL CIGARETTES『RUSH BALL 20
20』ライブレポート ――制約下でも
“通常運転”の壮絶パフォーマンスに
乱舞で応戦

『RUSH BALL 2020』THE ORAL CIGARETTES
「ロックから離れないでいてくれて、ありがとう! 6カ月ぶりのライブで、帰ってくる場所が大阪で本当によかった」(Vo.Gt/山中拓也、以下同)
バンドとしても久々となったライブで、こう切り出したのはTHE ORAL CIGARETTESの4人だ。そんなブランクは全く感じさせない緩急自在のフレージングで魅了する鈴木重伸(Gt)と山中のツインギターがよく映える「起死回生STORY」から始まり、オーラルらしい不穏なムードをはらんだ「Shala La」で踊らせるなど、全曲アンセムでのセットリストに会場は乱舞で応戦!
THE ORAL CIGARETTES
「こういうタイミングでイベントを開催するというのはむちゃくちゃ勇気のいることです。ここに来たみなさんも素晴らしいし、スタッフのみなさんにも大きな拍手を送りましょう! (客席は)いつもとちょっと違うかもしれませんが僕らは変わりません!」
THE ORAL CIGARETTES
そう言葉にしたとおり、続く「カンタンナコト」では彼らの“通常運転”=ヘドバンの嵐が生まれる壮絶なステージングを展開! 中西雅哉(Dr)が打ち鳴らす怒涛のビートと、軽やかにステップを踏みながら躍動するあきらかにあきら(Ba.Cho)。そんなリズム隊ふたりの重厚な存在感もビリビリ全身に迫りくる。極彩色のライティングを背負いながら、ハンドマイクで縦横無尽にステージを駆ける山中は、高潔な歌声の素晴らしさはもちろん、妖艶な表情をたたえつつ指先の先まで美しく魅了するショーマンシップを発揮し、その様には脱帽の一言だ。
THE ORAL CIGARETTES
一転、MCでは「こんなに静かになることもないだろうから、逆にこの静けさを楽しんでやろうかと思ってます。5秒黙ろうか」なんて目を閉じ、おどける一幕も(笑)。さらに、あきらが歓声のSEを出せば、「これめちゃめちゃ便利やん!」と多用する愉快なギャップも、関西勢の彼ららしいところだ。
THE ORAL CIGARETTES
「俺らはロックバンド。ロックバンドにしかできないことをメッセージとして歌にのせて、伝えていきたいと思います。みんなの力がこれからも必要です。絶対にまた会おうな、約束。全員の顔を見ていく!」とひとり一人に歌いかけ、あっという間に過ぎ去った全6曲。ラストは大歓声のSEを忘れず、ユーモアたっぷりに締めくくってくれた。
THE ORAL CIGARETTES
取材・文=後藤愛 撮影=河上良
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