世界中で大きな成功を収めた
レッド・ツェッペリンの
最高傑作『IV』
本作『IV』について
「限りなき戦い(原題:The Battle Of Evermore)」はブリティッシュトラッド風のナンバーで、ゲストヴォーカリストとしてサンディ・デニー(元フェアポート・コンヴェンション)が参加し、重厚なトラッド作品となっている。この曲が導入部のようなかたちとなり、続いて「天国への階段」が始まる。ツェッペリンの作品中、最もよく知られた曲である。ブリティッシュトラッドにCSN&Y的スパイスをまぶした前半部分が終わると、後半はペイジのギターを中心にドラマチックな展開となる8分にも及ぶ大作である。本作がまだリリースされていない71年の初来日の際、「ブラック・ドッグ」と「天国への階段」が披露され、大きな話題となった。
他に、ジョーンズのキーボードとペイジのツインギターが効果的な「ミスティ・マウンテン・ホップ」、プラントの巧みなボーカルが映える「フォー・スティックス」、CSN&Y風のさわやかなナンバー「カリフォルニア(原題:Going To California)」、そしてラストを飾るブルージーでヘヴィな大作「レヴィー・ブレイクス(原題:When The Levee Breaks)」は、泥臭いプラントのマウスハープとペイジのスライドギターが光る。最後の2曲はアメリカンロックっぽい仕上がりとなっている。
ビートルズ、ローリング・ストーンズに続くブリティッシュロック界の大物グループといえば、レッド・ツェッペリンをおいて他になく、その名声は本作に負うところが大きい。ロックファンであれば聴いておくべき一大傑作である。
TEXT:河崎直人