L→R 桜井秀俊(Vo&Gu)、YO-KING(Vo&Gu)

L→R 桜井秀俊(Vo&Gu)、YO-KING(Vo&Gu)

【真心ブラザーズ インタビュー】
楽しく生きてる俺を見て、
勝手に元気になってくれ

“ゴキゲンは楽しい”を合言葉に、聴く者を明るく元気にしてくれる2年振り17枚目のオリジナルアルバム『Cheer』。まだまだ不安や憂鬱が立ち込む現在だからこそ聴きたい、愛と自由に満ちあふれた真心節全開の楽曲たち。僕らはこんな一枚を待っていた!

ふたりが感じていた重なるテーマが
違う表現で出てきた

まだまだ不安や憂鬱が立ち込む昨今ですが、『Cheer』は聴くだけで明るく元気になれる一枚ですね。

桜井
すごい手応えがあります。毎回ベストを尽くして作ってるんですが、なんか見えざる力も働いて。働くんですよね、何年かに一回(笑)。“来た来た!”ってタイミングがあるんです。
YO-KING
うん、いいアルバムだと思います。毎回いいんで、このアルバムだけがいいというわけじゃないんですが(笑)。安定していいものができてますね。

以前、YO-KINGさんが“アルバムはその時の記録を残す感じで作りたい”と言ってましたが。前作『INNER VOICE』(2018年9月発表のアルバム)後はどんな期間でした?

YO-KING
デビュー30周年もあったし、「かっこいいだろ」は昨年の春ツアーでやった新曲だったり…でも、僕の曲はそれ以外、今年の春先に作ったものばかりですね。2020年の春って特殊な時期でしたから。自分の気持ちとか隠れた感情ってところでは、数年経った時にその頃のことを思い出せると思うし、しっかり記録できたと思います。ただ、そのまま出すんじゃなくて、2番は昔のことを歌っていたり。2年なのか、10年なのかを3~4分に詰めて、一曲として表現するっていうのが曲という表現の面白いところですよね。

状況が変わってきた時、聴こえ方や意味合いが変わってくるかもしれないし。

YO-KING
そうだね、人それぞれの日常に溶け込んでいくと思うし。その人が間違った解釈のまま聴き続けたら、その人にとってはそれが正解だと思うし。

確かに。僕は今作で「こんぷろマインズ」に勇気をもらいました。というのも、今、奥さんと冷戦中でして…。

YO-KING
おっ、いい情報が来たぞ(笑)。

この曲を聴いて、僕も愛の度量を持って寛容でいようと思いました。

桜井
生々しいね。火に油を注がなければいいですけど(笑)。

いや、「不良」みたいに《まともなこと 僕に求めないで》と開き直ってしまったら、火に油を注ぐことになると思いますけど(笑)。その「不良」と「こんぷろマインズ」が並んで入ってるのも面白いですよね。表現は違うけど、実は歌ってることは近かったりして。

桜井
そうですね。YO-KINGさんと俺が感じていた重なるテーマ、“ちょっとどうなのよ?”ってことが違う表現で出てきて、それが同じアルバムに入ってるっていうのはすごく面白いですよね。

今回も桜井さんの「パッチワーク」で軽快に始まって、YO-KINGさんの「緑に水」で大団円かと思いきや、「サンセットハンター」でポツンと影を落として終わるという。おふたりの曲のバランスが絶妙で、改めて真心ブラザーズだなと思いました。

桜井
30年やってればそうなりますよ。今回は最初にね、YO-KINGさんが“歌がドンと出たものがいいんじゃない?”と言ってて。
YO-KING
そう。“歌モノで、ステレオで”っていうのは最初から考えてました。モノラルで2枚作ったんで、今度はステレオかなと思って。どっちもいいんだけどね、モノも好きだし、ステレオも好きだし。あとは、歌モノを作ろうと思った時、どんな曲ができるのか自分も興味があって。メロディーってできてきた段階であまり推敲しないんですけど、今回は“こう行ったほうが美味しいかな?”って推敲したりして、そこは今までとちょっと違うかもしれない。

1曲目「パッチワーク」に続く、「炎」の桜井さんによるアウトロのギターもめちゃくちゃカッコ良いですね。

桜井
長尺のね。「炎」こそ推敲といいますか、構成をすごく悩みましたね。Dメロ、Eメロまであるから長くなっちゃうと思ってコンパクトにまとめてたんですけど、サビがもうひと回しあったほうがいいって制作スタッフにアドバイスされて、“じゃあ、入れちゃおう!”と思って長くして、“いっそのことケツに長尺ギターを入れちゃえ!”と熱演しました。

しっかり感情が乗ったギターがたっぷり余韻に浸らせてくれて、そのまま次の曲「かっこいいだろ」につながって、“はい! 真心、カッコ良いです!!”と(笑)。

桜井
あははは。「かっこいいだろ」も最初はYO-KINGさんがジャ~ン!ってギター弾いてから《かっこいいだろ》って始まってたんだけど、歌始まりにしたらすごく良くなりましたね。そういうことの繰り返しがいいバイブスのまま完成まで導いてくれて、必然的にいい答えが転がってくるんです。
L→R 桜井秀俊(Vo&Gu)、YO-KING(Vo&Gu)
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OKMusic編集部

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