2回目にして超進化を遂げて贈るガル
ニデ・ハロウィンパーティ! 『GARN
iDELiA Presents HALLOWEEN MiRACLE
WONDER PARTY 2020@おうち編』Day1
ライブレポ

GARNiDELiAの2人と、彼らにゆかりのあるアーティストが出演するライブイベント『GARNiDELiA Presents HALLOWEEN MiRACLE WONDER PARTY 2020 @おうち編 Day1』が、2020年10月30日(金)、イープラス「Streaming+」よりライブ配信された。GARNiDELiAが主催するハロウィンパーティは、2019年に続き2回目。今回は「@おうち編」と銘打ってストリーミング配信のライブとして全国のファンへ向けて届けられるだけでなく、2日間のイベントとして開催される。今回はライブの収録が行われた渋谷の会場から、現地の模様を徹底取材。収録の裏側も含め、『ガルニデハロパ』Day1のライブをレポートしていく。

■manaco
『ガルニデハロパ』Day1のトップを務めたのは、昨年のハロパに続けて2回目の登場となる女性シンガー・manacoだ。今年は真っ黒のドレスと三角帽子の魔女スタイルで登場。1曲目から力強くメッセージ性の強い「私を殺さないでよ」を披露した。ときどきドレスの裾を掴みながら、感情を爆発させたように歌を「放つ」。
MCに続けて、2曲目にはぐっと静かなイントロから始まるバラード「アイを注いでくれたキミに」を、また3曲目の「向日葵」では裾の長いスカートで軽やかにジャンプしてみたり、手を叩いたり。体を動かすたびに揺れるドレスが美しい。
撮影:安西美樹
歌い終えた後、『ハロパ』主催者であるGARNiDELiAの2人が登場。tokuはヴァンパイア、メイリアは三角帽子の魔女姿と、イベントのフライヤーに掲載されていたイラスト通りの仮装でバッチリとキメている。manacoへのアーティストインタビューで「プライベートなハロウィンの思い出」について触れると、manacoはチア部だった高校生のころにド派手なピンクの衣装を着て渋谷の街に繰り出していたことを語り、主催の2人を驚かせた。
■COJIRASE THE TRIP(コジラセザトリップ)
2組目に登場したのは、みうめ・217(仮面ライアー217)・ATS(元・まったん)・あすぱらの男女4人からなるダンスボーカルユニットCOJIRASE THE TRIP(コジラセザトリップ)である。今年は4人とも西洋風の軍服姿で登場。顔に血のりもつけ、ゾンビのように恐ろしくも凛々しい表情だ。まずはハードなラップ曲「BLACK SWAN」からスタート。1曲からチームワーク抜群のキレッキレダンスを披露し、歌う。
撮影:安西美樹
「みなさんこんばんはー!」と挨拶も交えたMCを挟んだ後は、GARNiDELiAのtokuが作曲・提供した楽曲「Soldier」を、toku自身がDJとして参加しコラボで披露。3曲目にはバラード曲「As Time goes by」飛び跳ねながら歌い、踊った。
人が踊りたいと思う本能に直接訴えかけてくるような、圧倒的ダンスパフォーマンス。最後にはGARNiDELiAの2人とのコラボで、「Choice」を披露した。GARNiDELiAのメイリア・tokuとCOJIRASEの4人が立つのは別々のステージだが、これはもちろん別撮りではない。隣り合った2つのステージにそれぞれが立ち、同時に撮影された。しかもカメラ位置を変え、2テイクも同じパフォーマンスを披露。COJIRASEの4人くるくると回るように前後に入れ替わりながらボーカルが交代していく様子も面白く、これが収録では2度も見ることができたのは「豪華!」と言うより他なかった。
撮影:安西美樹
最後のGARNiDELiAによるアーティストインタビューでは、COJIRASEの4人のプライベートなハロウィンについて触れられ、「渋谷の街でフラッシュモブをやりたい」という野望が語られた。具体的には217が「魔女役」となり、他のメンバーによって狩り出されるという寸劇が考えられているのだという。これはぜひとも何年か先の実現に期待したいところ!?
■アナタシア
3組目に登場したのは、芝健・まりん・ハネル・カナタ・まさと・りおんの男性6人組ダンスユニット、アナタシアだ。リーダーの芝健は眼帯をした海賊の衣装で登場。他の5人はドラキュラ伯爵の格好で現れた。
1曲目はボーカロイド楽曲「フィクサー」では、早速6人の息のそろった軽快なダンスを披露。それぞれがまとう衣装のマントもヒラリヒラリと翻り、より鮮やかに見えたが、続くMCではりおんだけが衣装の違和感を指摘され、「カラオケ店員のコスプレやってます、りおんです!」と自己紹介し、メンバーの笑いを誘った。
2曲目のボーカロイド楽曲「ドクハク」では前方宙返りやバク転までもあり、アクロバットな動きをどんどん披露。3曲目「ゴーストルール」も高いシンクロ率で息を飲むようなダンスパフォーマンスで駆け抜けた。
舞台の後のGARNiDELiAによるアーティストインタビューでは、「めっちゃ非リア」としてプライベートなハロウィンは今まで無かったと語るメンバー6人。実はメイリア自身も「ハロウィンで渋谷に繰り出すのが怖いから、私たちだけで慣れ合ったメンバー同士の怖くないハロパをやろう! をコンセプトにした」と、今回のライブの意外(?)な趣旨も明らかにした。
■*ChocoLate Bomb!!
早くも折り返しの4組目。え~すけ、ゆじまる、ぱんめん、たっくん、れお、渚こうた、さっさーからなる男性アイドルユニット*ChocoLate Bomb!!(ちょこぼ)が登場した。7人は今回、仮装ではなく、10thシングル「Hungry Wolves」の衣装をまとって登場。1曲目の「ZETTAIフィーリング」から、ステージの端から端まで使った圧巻のダンスパフォーマンスを披露する。続けてユーロビート調の激しめの楽曲「激-LOVE」でも、息のそろった歌とダンスを繰り広げる。
続くMCでは、GARNiDELiAから楽曲提供された新曲「Hungry Wolves」について触れ、3曲目としてこれを披露。曲を終えた後のGARNiDELiAによるアーティストインタビューでは、「仮装じゃないけど一番衣装が派手! リハを見ていてもキュンキュンが止まらなかった!」とメイリアも絶賛した。新曲についてちょこぼのメンバーは、「今まで(自分たちにとって)あんまり無い感じの曲だった」「めちゃくちゃオタク受けよさそう!」と語れば、メイリアも「曲を書いた私の想像を超えた!」とさらに称える。
撮影:安西美樹
そして4曲目には、GARNiDELiAの楽曲「Hysteric Bullett」をコラボで披露。最初のフレーズ「キミを離さない Hysteric Bullett」の直後では、隣り合ったステージに立つメイリアとちょこぼの7人が向き合い、お互いを手でつくった銃で撃ち合うような演出が見られた。実はこちらは、その場で決まった振り付けである。「これをやったらテンション上がる!」とちょこぼのメンバーからのリクエストによるもので、そうしたポイントも収録ライブならではと感じさせられた。
■kradness
5組目には男性シンガー・kradnessが、血のりだらけのボロボロシャツで登場。顔にも血のりを付けて見るからに痛々しいが、もちろんこれは仮装。その姿とはまったく正反対に、1曲のボーカロイド曲「エイリアンエイリアン」のイントロで「ハロウィンパーティ盛り上がっていきましょー!」と叫ぶと、パワフルな歌声を発し、力強く拳を振り、生き生きとしたステージを作り上げていく。
撮影:安西美樹
kradnessにとっては初の配信ライブということだったが、2曲目「Oh!yeah!」では、普段のライブと同じように目の前に観客がいることを想定し、カメラに向かってコール&レスポンスの練習まで実施。配信を観た方も、きっとこのシーンは「生放送」の感覚で見、一緒にコール&レスポンスしてくれたことであろう。実際のスタジオでももちろん、観客はいない代わりに、スタッフ一同が手を高く上げ、歌声に応えた。
撮影:安西美樹
3曲目にはアップテンポなボーカロイド楽曲「命のユースティティア」を熱唱。どんなテンポでも物凄い声量が衰えることはない。間にGARNiDELiAによるアーティストインタビューを挟んで、4曲目ではkradnessとメイリアのコラボで、ボーカロイド曲「クレイジー・ビート」を披露。リズムに合わせて思い思い自由に体を揺らし、歌った。まさに「クレイジー」と名を冠すに相応しい、楽曲に合わせた最大のパフォーマンスを共に披露してくてた。
■ピコ
6組目。フランス人形のようなロングヘアーとリボン、そしてドレス&スカート姿で美女が登場……かと思いきや。「ピコです! ぴえん」可愛らしく挨拶しながらも、一曲目の「天樂」の歌い出しからいきなりメタルのようなシャウトをキメたのは、男女両方の歌声を持つと言われる男性シンガー・ピコだ。
続くMCで、「今年しか味わえないハロウィンを楽しんで参りましょう」と挨拶をするピコ。衣装について触れると、なんと今回は「地雷女子」をイメージした仮装なのだという。そっちだったか……!
撮影:安西美樹
完全にネタに走っているように見えて、しかしながら女声と聴き間違えるような高音は、その格好もむしろ違和感ないとさえ思える。儚さを感じさせるボーカロイド楽曲「花鳥諷詠」、さらに激しいリズムの「不退転パスファインダー」と、2曲続けて高くバイタリティー溢れる声で歌い上げた。
曲終わりのGARNiDELiAによるアーティストインタビューでは、さっそく仮装、と言うより女装について触れられ、「お笑い枠、必要でしょ?」と語るピコ。しかし顔の化粧についてはメイクさんにガチで作られてしまったと語り、メイリアにも「普通にかわいいんだけど!」と絶賛されてしまった。しかも『ガルニデハロパ』には今回が初登場となるピコは、意外にも緊張していたそうで、「ぴえん、ぴえんと言っとかないと自我が保てなかった!」というお茶目な内心も吐露していた。
7組目、Day1の最期のゲストアーティストとして登場したのは、ピコに続き初出演となるボーカロイド楽曲等のトラックメイカー・男性DJの八王子Pである。魔法使いのような真っ黒の衣装で登場し、DJ TIMEがスタートした。使用楽曲は、ハロウィンらしく鏡音リンの「Happy Halloween」に始まり、巡音ルカの切ないバラード「Just Be Friends」や、激しい打ち込みの初音ミク「Little Scarlet Bad Girl」など、10曲もの人気ボーカロイド楽曲。ダンスミュージックとしてどれもBPM高めに、ノリノリなアレンジを施され、メドレーで繋がれていった。
撮影:安西美樹
そして最後の11曲目には、「バイオレンストリガー」をメイリアの歌声と、217(COJIRASE THE TRIP)のダンスでコラボ。鬼気迫る歌詞をメイリアが力強く歌い上げ、パーカーに着替えた217が 激しく情熱的に踊りまくる。ステージを完全にディスコへと作り変え、まさにその仮装にも相応しい魔法のような八王子Pのパフォーマンスが完成した。
撮影:安西美樹
ステージ終わりのGARNiDELiAによるアーティストインタビューでは、過去のハロウィンの思い出について触れられ「(DJなどのステージで)一番ハロウィンしてますから!」と語った八王子P。しかし意外にも、過去の舞台ではせいぜい帽子をかぶる程度で、仮装をするのは今回が初めてだったという。魔法使いの衣装を着てみたものの、それだけでは物足りず「顔は、メイクさんに泣きついて仕上げてもらいました」というこぼれ話も語ってくれた。
すべてが圧巻のパフォーマンス! カバーセレクションで「ハロパ」のステージがますます鮮やかに彩られる
Day1すべてのゲストアーティストが登場した後は、カバーセレクションのコーナーが始まった。すべてここでしか見られない貴重過ぎるコラボが披露されていく。
1曲目、ボカロ曲「PLATONIC GIRL」の男性パートを歌うのはkradness、そして女性パートはフランス人形のような可愛らしい少女……ではなく、「地雷女子」のコスプレをしたピコだ。2曲目にはピコとメイリアのコラボで、テレビアニメ『革命機ヴァルヴレイヴ』2ndシーズンのOPテーマ「革命デュアリズム」を披露。今度はメイリアが水樹奈々パート、ピコが西川貴教パートを歌う。ピコの変幻自在な歌声に、改めて驚かされる2曲だ。
撮影:安西美樹
3曲目にはmanacoとメイリアのコラボで、テレビアニメ『マクロスΔ』の挿入歌「いけないボーダーライン」を披露。どちらも魔女の衣装で、まるでユニットのような2人が、シンクロして体を揺らし、リズミカルに歌う。
4曲目はボカロ曲「ダンスロボットダンス」で、COJIRASE THE TRIPとアナタシアのコラボが行われた。ロボットをプログラミングするような手の動きを取り入れたCOJIRASE、オーソドックスなロボットダンスに少しだけ崩しを入れて軽快に踊ったアナタシア。どちらもまったく違う振り付けで、見ているだけでワクワクしてしまう。
撮影:安西美樹
カバーセレクションの最後には、星野舞夜の小説『タナトスの誘惑』を原作とする楽曲「夜に駆ける」を、メイリアが歌い、アナタシアの6人が踊る。歌にもダンスにも、ただただ見惚れる舞台。特にアナタシアの仮装のマントが動きに合わせて翻ると、ダンスによりいっそう疾走感が出てくる。そのメイリアのヒリヒリとした歌声に、配信でご覧になったファンの一人ひとりも、最後まできっと感じ入ったことだろう。永遠に終わらないでほしいと思えるステージが、遂に終わった。
撮影:安西美樹
Day1の出演アーティスト全員で歌い、踊る「Secret Party」で締め!続く舞台はDay2へ!
Day1最後の楽曲として歌われたのは、昨年の『ガルニデハロパ』でも披露され、今回のライブに先駆けて配信中のGARNiDELiAの楽曲、「Secret Party」だ。おどろおどろしいハロウィンをイメージした、今回のライブのテーマ曲ともなっているこの曲を、Day1出演のアーティストがそれぞれ歌い、踊る。実際の収録の際にはそれぞれ別撮りとなっていたが、COJIRASEやアナタシアなどそれぞれ独自の振り付けを歌い出しから最後まで披露。「口づけ頂戴」のフレーズでピコが手でハートを作ったのもまた可愛らしく、「すべて映像に入れてくれないともったいない!」と思えるようなパフォーマンスとなっていた。
去年に続き、2回目の開催となった『ガルニデハロパ』。コロナ禍であるにも関わらず、中止となるどころか2日間にかけて開催で、しかも全編収録というさらに手の込んだことになったのは、改めて驚きと言うよりほかない。
撮影:安西美樹
8月29日に配信されたGARNiDELiAのストリングスライブ『東京紅夜』にて、tokuとメイリアは、これからの音楽シーンについて、より手の込んだ配信ライブが主流となっていくだろうと答えていた。それに対してGARNiDELiAとしては、「配信でこんなことまでやってくれるの!? というような驚きを提供したい」という話も出た。今回の『ガルニデハロパ』は、その言葉への一つの答えでもあり、また「私たちは歩みを止めない」という言葉の体現でもあると感じる。
そうは言っても、配信を観たファンの中には、やはり「ライブに行きたい」「生で歌を聴きたい」と感じた方も多いだろう。それは実際に収録を目にした筆者も、「いまこのパフォーマンスを生で観られるのが僕らだけでいいのか。本来はもっと多くのお客さんやメディアの前で披露されるべきものなのに」という悔しい思いも感じたというのが正直な気持ちだ。
けれど、だからこそ考える。なぜ今、ほかのアーティストなどが有観客でのライブも再開し始めている中で、GARNiDELiAがまた、2日間の無観客配信ライブを開催することになったか。彼らがこの配信ライブで観てほしい、感じてほしいという気持ちは何なのか。
撮影:安西美樹
この記事が公開されている直後、Day1の配信はリピート視聴可能で、Day2のチケットはまだ購入可能だ。Day1、Day2の舞台も繰り返し、上記の問いかけについて考えていただきたいと願う。圧巻のパフォーマンスは、まだまだこの直後のDay2でも続いていく。ぜひとも、楽しみにご覧いただきたい。
取材・文:平原 学 撮影:安西美樹

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