THE YELLOW MONKEY、30周年ライブ2本
目はバンドの聖地・横浜アリーナに新
たな歴史を刻む一夜に

THE YELLOW MONKEYが30周年ライブの2本目『30th Anniversary LIVE -YOKOHAMA SPECIAL-』を神奈川県・横浜アリーナで開催した。
先日の東京ドームに続き、会場では新型コロナウィルスの感染対策はしっかりと取られていた。入場時にはお客さんの間隔を空け、規制入退場、接触確認アプリ「COCOA」のチェック、検温、消毒を徹底。座席は1席ずつ空けられ、政府のガイドラインに準じて半分のキャパシティにあたる6,000人の観客が集まった。
THE YELLOW MONKEYにとって横浜アリーナは、1997年に開催した初のアリーナツアー『FIX THE SICKS』の幕開けの地であり、全国113本をまわった伝説のロングツアー『PUNCH DRUNKARD TOUR 1998/99』ファイナル4Daysも飾った、バンドのライブ史を語るうえで欠かせない会場だ。MCでは、吉井和哉(Vo/Gt)が「今日は“懐かしの横浜アリーナ”みたいなナンバーを用意してまいりました」と語り、この日は幾多の思い出を積み重ねてきたバンドの聖地に新たな歴史を刻む一夜になった。
THE YELLOW MONKEY『30th Anniversary LIVE -YOKOHAMA SPECIAL-』 Photo by 横山マサト
THE YELLOW MONKEYは、「ロッキーのテーマ」をSEに登場すると、菊地英二(Dr/以下アニー)のパワフルなドラムを皮切りに、廣瀬洋一(Ba/以下ヒーセ)のベース、菊地英昭(Gt/以下エマ)と吉井のギターがひとつずつ重なり、「パンチドランカー」からライブが幕を開けた。燃えるような真っ赤な照明が会場を染めた「BURN」、「楽園に行きましょう!」という吉井の高らかな宣言から開放的なムードを作り上げた「楽園」へと、序盤から熱いステージが展開する。そして、「今夜は俺たちのホームグランド、大好きな横浜アリーナでございます」と最初のあいさつ。新型コロナ感染拡大防止に配慮して歓声を出せないお客さんに、「声はいらないから、体でください!」とレスポンスを求めると、99年の横浜アリーナのセットリストを踏襲するように、「TVのシンガー」と「ゴージャス」を続けて披露。アニーのカウントで突入した「O.K.」では、4人の姿をリアルタイムで合成したスクリーン映像でも観客を魅了した。
THE YELLOW MONKEY(菊地英昭) Photo by 横山マサト
演奏が一息つくと、会場は長い拍手で包まれる。横浜アリーナという会場が、90年代後半にバンドがロンドンでレコーディングを行なっていた思い出とも密接なつながりがある場所であることをMCで語った吉井。「(当時の)淡い切ない空気感を感じていただけたらいいなと思っています」と伝えると、「NAI」のエバーグリーンなサウンドが会場を優しく包み込んだ。中盤には、エマとヒーセがステージから伸びた左右の花道へと広がり、吉井が宇宙空間を遊泳するようなパフォーマンスを見せた「HOTEL宇宙船」、両手を大きく振って盛り上がった「SHOCK HEARTS」で会場が一体になった。吉井が激しくギターをかき鳴らしたイントが口火を切り、圧倒的な混沌を作り上げた「天国旅行」は、この日のハイライトのひとつだった。
THE YELLOW MONKEY(菊地英二) Photo by 横山マサト
終盤には、エマが発光するギターに持ち替えたダンサブルな「MY WINDING ROAD」に続き、会場の隅々まで踊らせた「甘い経験」へと、声を出せないハンデを忘れさせるように体で参加できる楽曲を次々に繰り出した。キーボードの鶴谷崇が奏でるピアノにのせて、吉井が語りかける。「人が集まって生のロックンロールをやるっていうのは、自分たちにとっては絶やしてはいけないことで。批判もあるとは思うんですけど、エンターテイメントの火を消してはいけないということで、やらせてもらっています」と。さらに、昨年バンドが30周年を迎えたことに触れ、「40周年、50周年も、みんなとギンギラギンの恰好をして盛り上がりたいと、そのときは大きな声で叫び合えたらいいなと思っています」と伝えた。そして、「みんなが届けてくれた声と一緒に歌わせてもらいます」と言うと、事前にアプリやカラオケで募集してファンの歌声を会場に流した「バラ色の日々」へ。会場では歌声や歓声があげられないという状況下でも、観客と共にライブを作り上げる演出が大きな感動を生んだ。ラストを飾ったのは「悲しきASIAN BOY」。上手から下手へと猛ダッシュで駆け抜けた吉井が、「Are you No.1 Rock'n roll asian!!! THE YELLOW MONKEY!」と全力の叫び声をあげ、大きな拍手に包まれて本編は幕をおろした。
THE YELLOW MONKEY(廣瀬洋一) Photo by 横山マサト
「見てないようで見てる」から始まったアンコールでは、「横浜、負けるなよ!」と力強いエールを届けた「パール」のあと、メンバー紹介へ。「オン・ドラムス、ザ・イエロー・モンキーのエンジン、菊地英二、アニー!」、「オン・キーボード、職人、鶴谷崇!」、「リードギター、吉井和哉の永遠の恋人、菊地英昭、エマ!」、「オン・ベース、俺の兄貴、みんなの兄貴、廣瀬洋一、ヒーセ!」と、吉井が一人ひとり名前を呼び、最後はヒーセが吉井を紹介。「この人のおかげで、イエローモンキーは……日本のロックはまた光を取り戻すでしょう! 吉井和哉、ロビン!」と言うと、ひときわ大きな拍手が湧いた。全21曲、2時間にわたるライブの最後は、99年の「PUNCH DRUNKARD TOUR」のファイナルの横浜アリーナでもラストナンバーとして披露された「SO YOUNG」。会場が美しい光に包まれるなか、三大ドーム編とは異なる、横浜アリーナだけの30周年ライブを完成させた。この日の模様は「Huluストア」「ニコニコ生放送」にて11月10日(火)23時59分までアーカイブ配信が行われる。
THE YELLOW MONKEYの30周年ライブは、次回12月7日の国立代々木競技場第一体育館を経て、バンドの結成日である12月28日の日本武道館でファイナルを迎える。
なお、2月3日には、20年ぶりのライブ・アルバム『Live Loud』をリリース予定。昨年12月28日のナゴヤドーム、今年2月11日の京セラドーム、11月3日の東京ドームの3公演から、同アルバムの収録曲をセレクトするファン投票の受付がスタートしている。

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