Editor's Talk Session

Editor's Talk Session

【Editor's Talk Session】
今月のテーマ:
バンドとライヴハウスと観客で
実現させた全国ツアーを経て思うこと

音楽に対する姿勢や、
ライヴに対する考えが変わった

岩田
メリーが高崎clubFLEEZでライヴをした時は、事前に対策について打ち合わせされたのでしょうか?
ガラ
ライヴハウス側に“うちはこういうのがあります”というものがあれば、それを使う箇所もありましたが、基本的には自分たちでアクリル板、消毒液、検温器、石鹸やハンドソープなど持ち込めるものは持ち込んで、換気用の扇風機とかについてはお借りしていましたね。
本多
だから、事前に擦り合わせつつ“じゃあ、それでいきましょう!”みたいな感じでしたね。そこはお互いの合点が合っていました。他の公演もそうなんですけど、事前での擦り合わや当日のやりとりの中で、“これを用意していただけるのであれば、こうしましょう”と進めてました。高崎clubFLEEZは地下なので、今は笑っちゃうくらい扇風機を設置してますしね(笑)。もともと地下だから換気設備も整ってるし。
岩田
やはりライヴハウスは換気がポイントになりますよね。実際にツアーを回られたメリーの感想として、これからツアーを回りたいというバンドに対して何かアドバイスはありますか?
ガラ
他の人たちがどうしているかによりますけどね。最初はステージにビニールやアクリル板があるということで、“それってどうなんだろう?”と思っていたんですけど、僕は変わらずパフォーマンスができましたし、むしろいつもできないパフォーマンスができたと思います。まぁ、そこもバンドによると思うんですけど。僕、こういうことになって気づいたんですけど、ヴォーカルの飛沫ってめちゃくちゃすごいんですよ。だから、アクリル板とかあるのはいいことだと思いますね。
石田
換気をしないといけないから、ライヴは2部構成にしたり?
ガラ
僕たちは初日の横浜だけですかね。やっぱりガイドラインが場所によって違うので、そこに合わせたところはあります。でも、換気もバンドによって違うと思いますね。MCで“今から換気します”と言えるバンドだといいけど、そういう世界観じゃないバンドもいるので…僕たちは曲と曲の間にBGMを流して、その間にスタッフにお願いして換気だったり、扇風機を回してもらったりしてましたね。
石田
2部構成にしたり、MCで中断させたりするのって、それまで作ってきた空気が壊れるっていうのはありますね。そういう意味では、ライヴの構成もそれぞれになってきますね。
ガラ
そうなんですよ。本多さん的には僕たちがツアーをして以降、状況は良くなっていってるんですか?
本多
あの時からしてみるとみんなツアーをするようになってきたり、お客さんも動くようになった…それこそ最初の頃だったら、会場に入ると足元にお客さん同士の距離を示す印があったり、検温や消毒をやらなきゃいけなかったりして、誰もが“そこまでしないといけないの?”と思ったはずなんですよ。でも、それが当たり前だと思って、お客さんも出演者もルールを守ってきた、この数カ月の積み重ねがあるからこそ開けてきたというか。お客さん、出演者、箱という三角形がしっかりとしてきた…これは地方にいるからすごくリアルに感じますね。
石田
まだ手探りだけど、ちゃんと進めていると。
本多
本当にまさにそうですね。高崎clubFLEEZは練習スタジオも併設しているんですが、そこで練習する人たちも徐々に戻ってきていますね。そういう意味でも、お客さんもアーティストも頑張っているのであれば、僕たち箱の人間もチューンナップして、日々アップデートしていかなきゃいけないと毎日思っています。
石田
ライヴが当たり前のものじゃなくなっただけに、ライヴに対する意識が高まったという感じですよね。
本多
まさにそうですね。それは感じます。
ガラ
そうですよね。音楽に対する姿勢であったり、ライヴに対する考えだったりと本当に変わりました。何よりも“自分がなにをすべきか?”ということが、より鮮明になったと思いますね。ツアーでは“この状況の中をお客さんは来てくれたんだから、絶対に何かを持って帰ってもらおう。届けたい!”という意思だけで歌ってましたから。逆に、余計なことを考えずにライヴができたと思えるツアーでしたしね。
本多
僕もコロナというのは新しいものを見つけたり、新しいスタイルを感じるポジティブなタイミングなのかなととらえています。昔を知っているがゆえにね。ライヴをするバンド、できるバンド、できないバンドさまざまであって、どれが正しくて間違いかなんて、本当に分からない時代ですから。そういう意味でも、これからは個の姿が重視される時代なのかなと思いますね。
岩田
この対談企画もコロナ禍になってからいろいろな方にお話をうかがっていますけど、どんどん月を重ねるごとにライヴハウスやアーティストのみなさんがポジティブで前向きになっていっているのがすごく伝わるんです。今回のおふたりのお話も有意義なものだったので、まだまだ閉塞感はありますけど、今後に対してワクワクするものがありました!
メリー オフィシャルHP
http://merryweb.jp/

■高崎clubFLEEZ
〒370-0828
群馬県高崎市宮元町17番地スカイビルB1F
https://clubfleez.jp/

OKMusic編集部

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