高木渉・鈴村健一が起こした奇跡のシ
ンクロ…これぞ『AD-LIVE』! 【レ
ポート】即興劇『AD-LIVE 2020』9月
12日昼・夜公演

即興劇✕謎解きで、『AD-LIVE』史上最も予測不可能な公演『AD-LIVE 2020』より、高木渉・鈴村健一が出演した9月12日公演(昼・夜)のレポートをお届けする(ネタバレなし)。さらにSPICEでは、イラスト連載『カンゲキさん』でおなじみのマンガ家・イラストレーター 木村琴々氏による『AD-LIVE 2020』イラストレポートもご紹介。まずはイラストで、9月12日公演の見どころをチェック!
『AD-LIVE 2020』の見どころ
『AD-LIVE』は、鈴村健一が総合プロデューサーを務める即興劇。舞台上で起こるいくつかの出来事が決まっているだけで、出演者のキャラクターやセリフ、物語の全てがアドリブで紡がれるという予測不能の舞台劇だ。数々の人気声優が挑み、誰も観たことのない奇跡の瞬間を生みだし続けてきたこの舞台。
12年目となる2020年公演では、「リアル脱出ゲーム」で知られるSCRAPとコラボし、即興劇にひらめきと観察力が試される謎解き要素がプラス。シーンによっては船長役・乗務員役の彩-LIVE(サブキャスト)キャストも登場し、予測不能な舞台の進行係兼謎解きのヒント係として、コミカルなアドリブで公演を支えていく。

9月12日(土)夜公演

配信ならではの演出で、よりドラマチックに
また、初の無観客ライブ配信を逆手にとり、ステージのあらゆる位置に設置したカメラから映し出される映像は、まるでドラマや映画を観ているかのように、見事な演出の一つとして公演を盛り上げていた。さらにキャスト同士も、ソーシャルディスタンスを保つ仕掛けが用意されるなど、例年の『AD-LIVE』にはない試みが随所にみられる。

9月12日(土)夜公演
『AD-LIVE 2020』は、ふたりのキャストが謎解き豪華客船で出会う乗船となって、謎解きと即興劇を同時に展開していく。登場人物はそれぞれに乗船した理由や目的をかかえており、即興劇のなかで徐々に明らかになっていくのだ。キャストが自身で決めたキャラクターを演じながら、謎解きをどうクリアしていくのも『AD-LIVE 2020』のポイント。果たしてどのような物語が紡がれるのか?

『AD-LIVE 2020』あらすじ

舞台となるのは“豪華客船”。謎解きが様々仕掛けられた“謎解き豪華客船ツアー”の船上で出会うのは、
【どうしても届けたい物がある人】と
【どうしても会いたい人がいる人】
順調に航海していると思われていた豪華客船は突如沈没の危機に遭遇! しかし、 脱出を試みる二人の前には様々な謎が立ちはだかる! 海をゆく船上、 限られた世界観の中で、 どんな物語が紡がれていくのか!? 果たして彼らは無事脱出し、 それぞれの目的を果たすことができるのか!?
「AD-LIVE 2020」開幕直前コメント 【9/12(土) :高木渉 ・ 鈴村健一】
【レポート】9月12日(土)公演 出演:高木渉/鈴村健一​​

※役名は“○○”、アドリワードは【○○】表記※
●岩原友三郎(鈴村健一)
身なりの良い芸能事務所の社長。

9月12日(土)昼公演

●若槻ツヨシ(高木渉)
海賊風の身なりをした謎多き男。
9月12日(土)昼公演
身なりのいい“岩原”と、ボロボロの服に海賊帽をかぶった“若槻”。謎解き豪華客船で出会ったふたりは、即席ペアを組んで謎をとくことに。どう見ても怪しい“若槻”が、本物の海賊なのか、わざとそんな身なりをしているのか……ひとつの疑問を軸に、昼公演は展開していく。また、チュートリアルの段階で早くも鈴村と高木が謎解きに苦戦しているのを見ると、Blu-ray&DVD発売後は、改めてふたりを応援しながら見守るという楽しみ方もできそうだ。

9月12日(土)昼公演

9月12日(土)昼公演
お互いに関するキーワードについて語る船長のカードトークコーナーでは、他のペアと違い“岩原”に関するキーワードばかり出てくる。そこで様々なことが語られるのだが、“若槻”の正体や目的は結局謎のままコーナーが終わってしまう。その後、ふたりはそれぞれの部屋に分かれることに。
9月12日(土)昼公演
ここで突然、海の天候が悪化。船が嵐によって座礁し「あと1時間以内に沈没」というアナウンスが! 扉がロックされてしまった部屋から脱出するため、離れ離れの状態で謎を解くことに。だがバラバラになったことで、ふたりはさらに大苦戦。役者陣の行動や謎解きをただ見守るのはもどかしくもあるが、そんなときには演出チームからヒントが。このヒントの出し方も状況に合わせたアドリブなので、舞台裏にいる演出スタッフの対応力に感心しながら楽しむこともできる。
9月12日(土)昼公演

9月12日(土)昼公演

9月12日(土)昼公演

9月12日(土)昼公演
“岩原”(鈴村)を励まし続ける“若槻”(高木)
なんとか客室から脱出しラウンジで合流したものの、再び扉がロックされてしまい、船内に取り残されてしまうふたり。すると、焦る“岩原”をよそに、「こういう時は落ち着くのが一番」とシャンパンを注ぎだす“若槻”。なぜそんな行動を……? その後、ある出来事で“岩原”がひどく落ち込めば、“若槻”は前向きな言葉で励まし続けた。
9月12日(土)昼公演
この、“岩原”に前を向かせるというシリアスな場面で高木が引いたアドリブワードは、まさかの【まぐろ】。そのとき【すべて見えています】というワードを引いていた鈴村は、「【まぐろ】みたいに前に進んでいく未来。それが【すべて見えています】!」と、見事に言葉をつなげてみせた。
アドリブワードは完全にランダムなので、どんな言葉が出るかわからない。シリアスな場面で引く勇気と、絶妙なワードを引き当てる運。それで会話を紡いでいく鈴村と高木のアドリブ力が詰まった、印象的なワンシーンだった。“若槻”からの励ましを受けて、脱出を試みる“岩原”。果たしてふたりの運命は――?
9月12日(土)昼公演

9月12日(土)昼公演

《昼公演アフタートーク》

台本のない即興劇でありながら、見事にドラマを成立させた『AD-LIVE』初出演の高木。“若槻”の正体や様々な伏線が回収されていくラストは鈴村も想定外だったようで、終演後のアフタートークでも「びっくりした」「すごく攻めた設定です」と感心しきりだった。一体どんな結末を迎えたのかは、ぜひBlu-ray&DVDで自身の目で確かめてほしい。
▼9月12日(土)夜公演
●ブレイクするお(高木渉)
デリバリーのバックを背負い、自転車で登場した男。
●児島賢(鈴村健一)
おだやかなテンションと笑顔が印象的な男。
9月12日(土)夜公演
夜公演のふたりは、互いに第一印象も好意的。協力して謎解きを楽しもうとするが、ある拍子に突然“ブレイク”を追いかけまわしたりうなったりと、鈴村演じる“児島”の様子が変わってしまう。しかも本人は、正気に戻ると覚えていないらしく、“ブレイク”は“児島”に対してちょっとだけ距離をとりながらの幕開けとなった。
9月12日(土)夜公演

9月12日(土)夜公演

9月12日(土)夜公演
お互いの情報を知ることができる船長のカードトークでは、キーワードをもとに、それぞれの乗船の目的が語られていく。だがふたりの楽しいはずの謎解きの旅は、大きな嵐によって急変。船が座礁し、あと1時間以内に沈没するというのだ。それぞれの客室からなんとか脱出し、再び合流できたふたり。だが緊急事態にもかかわらず、またしても“児島”の様子がおかしい。果たして“児島”が時折豹変する理由とは…? “ブレイク”が運びたいものとは…?
9月12日(土)夜公演

9月12日(土)夜公演

9月12日(土)夜公演

9月12日(土)夜公演
『AD-LIVE』ならではの、奇跡の瞬間
台本なし、お互いのことも事前に知らされていないはずの高木と鈴村だったが、ここである共通点が判明。後半は、不思議なまでの設定のシンクロ具合で一気に物語が展開していく。会いたいのに会えない、大切な人に笑ってほしい。刻一刻と沈没が近づくなか、果たしてふたりの目的は叶うのか、それとも脱出出来ずに終わってしまうのか――。
9月12日(土)夜公演

9月12日(土)夜公演

9月12日(土)夜公演
《夜公演アフタートーク》

アフタートークでは、鈴村も高木も、偶然にもシンクロしていたお互いの設定に「怖い」と笑うしかない。何も知らないふたりは、ただただ驚きながら演じていたと公演を振り返る。高木は、鈴村演じる“児島”の不思議な行動を見て、「僕の作ろうと思ってる世界を先に先にしゃべってしまおうと決めた」ことを明らかに。鈴村も、“ブレイクするお”の荷物の中身がわかるシーンを振り返り、「世界で一番びびったのは僕!」と興奮気味に語っていた。
役者同士の事前打ち合わせは一切なし。本番で初めて互いのドラマや設定が明らかになっていく即興劇『AD-LIVE』に起きた、まさかのシンクロ。『AD-LIVE』らしい、奇跡の瞬間がまたひとつ誕生した夜公演だった。
文・構成=実川瑞穂 イラストレポート=木村琴々

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