【INTERVIEW:シロとクロ】
挫けてしまった心に寄り添う
自分たちが正解だと思ったものを
最優先にしたい
日野遥希(以下、日野):僕は中学校2年生の時にBUMP OF CHICKENを聴いた時、憧れを持って“ギターをやろう”と思い立ったのがきっかけです。高校になってからはバンドを組んでライブハウスに出たりしてましたね。
阿部千樹(以下、千樹):うちは音楽一家で両親も祖母も音楽をやってたんです。なので昔から音楽に親しむ環境があって、自分もなにかやろうとドラムを始めました。高校に入ってからはライブハウスで演奏する機会も増えて、そこでボーカルの日野くんと出会って一緒にバンドを始めました。
下橋場舞人(以下、舞人):俺は部活の先輩が“楽器やんない?”と誘ってくれたのをきっかけに始めました。日野と同じようにBUMP OF CHICKENが好きだったんで、半年くらいずっと「天体観測」を弾いてましたね。そのあと2人と同じように、高校に入ってバンドを結成しました。活動していくに連れて“楽器、楽しいな”って思うようになって、今でも続けている状態です。
太田旭(以下、太田):僕も中学ぐらいから音楽が好きになって、家に父のアコギが置いてあってので、それを弾いてました。気づいたら高校の頃にはライブハウスに出ていて。あれよあれよと音楽系の専門学校に行って今に至ります。
日野:17、18歳の時に組んでいたバンドのメンバーが脱退したことがあって、改めてバンドを組む時に、本当にプロになる為、東京で音楽をやる為にバンドを組もうっていう決意で、“シロとクロ”を作りました。その時に同じライブに出演してた千樹と出会いました。
ーーその時に決めた“シロとクロ”という、バンド名の由来はありますか?
日野:よく訊かれるんですけど、特に理由は無くて...(笑)。ただ、バンド名を決める前に、とりあえず“ここからやってこうぜ!”と決意して作った最初の曲が「シロとクロ」っていう曲だったんです。その曲名をバンド名にしました。
ーー先月、下橋場さんがメンバーに加わりましたが、4人体制となって、“環境が変わったな”と実感するときはありますか?
千樹:空気感的なことでいうと、うるさくなりました(笑)。レコーディングの時もそうですけど常に騒いでて、ほかのパートが録ってる時に茶々入れたりしてます。
日野:前よりも会話が増えましたね。新しく舞人が入ってくれたから、“ここはこう演奏した方が良い”とか、3人の時よりも沢山ディスカッションができるようになって、音楽的にも空気感的にも良い雰囲気です。
日野:純粋に音が増えるわけなので、広がりは3人の頃より変わっています。僕個人として感じるのは、音の厚みと同時に、歌詞に深みが出たかなって。3人の時よりも、もっともっと芯を突けていけるような言葉で綴れたものが多いです。
ーー逆に、変えたくない“芯”はありますか?
千樹:日野とバンド組み始めた頃から、いろんな音楽性でやりたいと思っています。あと、流行りを考えて作ることも多少はあるんですけど、基本的には自分たちが正解だと思ったものを最優先にしたい。ただニーズに応えていくっていうことは、今後も絶対変わらないと思います。
日野:千樹も言った通り、自分たちが本気でかっこいいと思ったものを発信していきたいっていう思いがあります。聴いてくれる人のことを考えつつ、”こっちのメロディの方が良いかな”と試行錯誤を重ねてできたものが、本気で”かっこいい”と思えているのかを第一にしています。それはこれからも大事にしていきたいですね。
太田:3人の時の味や空気感というものの中に舞人が入って新しいサウンドが増えたのですが、それを混ぜて更に良いものを作りたいと思っています。なので、それぞれが味を出せるような制作をすることを、これからも変えずに心掛けていきたいです。
舞人:僕はもともとある3人の楽曲の空気感を壊さずにしようと心掛けていますね。サウンドが混ざったときに、良い化学反応になることを常に考えてやっています。