MASH A&Rの恒例イベント『MASHROOM』
 出演5バンドのフロントマンが本音
で語り合う

音楽プロダクションのMASH A&Rに所属するアーティストたちが年に一度集うイベント『MASHROOM』。年ごとのオーディションを勝ち抜いたバンドたちが所属しているという背景もあり、特定の音楽性に偏らない面々がそれぞれのスタイルでライブを行う一日として定着してきたイベントである。しかし、年明けに予定されている今回の『Mashroom 2021 ~Hello new wind~』にはこれまでと大きく異なる点が。それはMASH A&Rの初代所属アーティストであり、これまでこのイベントを引っ張り盛り上げる立場にあったTHE ORAL CIGARETTESフレデリックが出演しないことだ。それによってイベントは大きく色を変えるのか、それともむしろ顔ぶれが変わっても変わらない何かが見えてくるのか。本番を前に、今年の出演バンド5組のフロントマン――LAMP IN TERREN・松本大、パノラマパナマタウン・岩渕想太、Saucy Dog・石原慎也、YAJICO GIRL・四方颯人、ユレニワ・シロナカムラが集結。次代を創る5人に、MASH A&Rや『MASHROOM』のこと、コロナ禍の今年に各自がどう過ごしたのかなど、いろいろ語り合ってもらった。
――今回の『MASHROOM』はこの5組で行われます。前提としてプロダクションのMASH A&Rに所属するバンドが出演するイベントですけど、みなさんから見てMASHってどんな色がある集まりだと思いますか。
一同:……(顔を見合わせる)。
松本:……まあ、ほぼここに醸されてる空気みたいなものはあるけどね。牽制し合う感じというか。
石原:してますか?(笑)
岩渕:してないっす。一切、してないっす。
松本:(笑)
石原:家族感は強いなと思っていて。兄弟とかでもライバル意識することはあるじゃないですか。家族……お父さんとお母さんが出て行っちゃった兄弟5人?
松本:この前にも一本取材があったんですけど、まぁーみんな喋れない。そういう、仕事になった途端に喋れなくなる感じっていうのは家族っぽいのかもしれない。
岩渕:毎年『MASHROOM』で会うし、LINEとかで連絡はするんですけど、こうやってみんなで集まる場とかはないんですよね。
石原:……あ、親戚感があるかも。
四方:ああー、一年に一回集まるみたいな。
岩渕:たしかに。親戚が集まると気まずいもんな。
石原:そんなこともないけど(笑)。
四方:でもたしかに、成長したよっていうのを、その一年に一度の集まりのときに見せたいから、若干緊張して行きます。『MASHROOM』には。
――この5人の間に先輩/後輩感みたいなのってあるんですか?
松本:「ああしたほうがいい」「こうしたほうがいい」っていう会話よりは、自分が経験したのはこんなことだよ、くらいの話はします。それがそのままアドバイスにつながるとは思っていなくて、話を聞いてあげる役回りをすることのほうが自分は多いので。あんまり先輩だと思ってないですね。兄みたいなふうには思ってるかもしれないですけど。……どう? 先輩感ある?
岩渕:先輩感はあるけど、でもその感じはわかります。フレデリックとオーラルからそうだった気がする。「俺らはこういう戦い方してきたよ」「こういう音楽をしてきたよ」とか。で、自分らも聞きたい内容によって誰と話すかは違って。
松本:それぞれ音楽性も違いすぎるもんね。
岩渕:そうですね。
――すごく大きいところは別として、ある程度コンパクトな規模感のレーベルやプロダクションは、所属バンドがもっと音楽的に特定の共通点を持っていたり、それを武器にしていたりもしますよね。そこがMASHの場合は本当にバラバラで。それがむしろ特色といえるのかも。
松本:そうですね。その中で競い合ったりもしますからね。
――あ、競い合います?
松本:あるんじゃないですか? 顔を合わせてるときはそんなことないですけど、そんなに大きい会社でもないので自ずと見えてくるものはあって。所属してるバンドがどういうアクションを起こして、どういうアルバムを出したとか、どこでライブをするとか、そういうものが普通に聞こえてきちゃうから、自分たちも負けてらんねえなとか、そういう競い合いの感じはあると思いますね。
石原:お互いの作品を聴いたりもするし、近況報告をしなくても伝わってくるものを見たりして、自分も頑張ろうとかって思うのは人として当たり前で。だからこそ、人間らしくバンドをやれているのかなって。あんまりアーティスト数が多くないからこそ、顔を合わせる機会もわりとある方だと思うし……犬ってお尻の匂いを嗅いで近況報告するじゃん?
一同:……?
石原:顔を合わせただけで近況報告できるなっていう。言葉を交わさなくても。
松本:ああ、似たようなことを拓也さん(THE ORAL CIGARETTES・山中拓也)も言ってたな。
岩渕:犬の匂いの?
松本:そっちじゃない(笑)。別に顔を合わせてなくても、曲を聴くだけでこいつは調子いいのかどうなのかっていうのが分かるって。
――そんな中、ユレニワは一番後輩の立場ですよね。
シロ:そうですそうです。
岩渕:来たなぁ(笑)。
――去年から一員に加わって、どんなことを感じてきました?
シロ:特殊な空気は感じますね。今までこういう関係値は……事務所に入ったのも初めてですし、先輩とライブをしたり、観たり観てもらったりとかもまだ慣れてない感じはあります。でも、入ってすぐは居心地は良くはなかったですけど、それは消えてきましたね。自分を受け入れてくれてる感覚というか。
松本:俺があげたマイクまだ使ってる?
シロ:使ってます! 大事に。
石原:えー、そんなことあったんだ。
シロ:そういう助けをいただいたりとかで、居心地の良さを感じ始めました。
岩渕:……俺もなんかあげよ。
石原:2人で何か買おう?
四方:俺もまだ慣れてないんで、ください(笑)。
――5組の関係性や雰囲気も見えてきたところで、『MASHROOM』のイベントについても聞かせてください。例年、ライブ当日はどんな空気なんですか。果たしてバチバチしてるのか――
松本:それは全くないですよ。ステージに立った瞬間からじゃない? 立つまではみんな和気藹々してる。
岩渕:してるけど、どこかヒリヒリしてる感じはありますけどね。
四方:上と下とでちょっと違うかもしれないです。その辺は。
岩渕:『MASHROOM』に初めてオープニングアクトで出たときに、すげえみんな怖いなと思ったけど、今になってその“怖さ”の意味がわかってきたというか。やっぱり『MASHROOM』の日の変なヒリヒリ感や緊張感が、やる側になって「こういう立場やったらこんな感じになるんだ」とかわかるようになってきて。
松本:そっか。
――その“怖さ”が出てしまう理由っていうのは言葉にできます?
岩渕:みんな気を張ってるというか、普通のライブよりも一個乗せてる感じはあって。出演前の楽屋とかも、久しぶりに会うっていう楽しい気持ちとか、会って話す面白さとかもあるけど、やっぱりどこかにヒリヒリ感とか緊張感はあるなと思ってて。
――それって普段の対バンとか以上にカッコいいところを見せなきゃ、みたいな感覚なんですか。
岩渕:なんか……ちゃんと、やってきたことを出したいって思うかな。
石原:たしかに。年に一回顔合わせができる、その対バンするバンドに「俺らはこういう1年を過ごしてきました」って。先輩が怖くなるのもそうやし、下は上に見せたいしっていうのはあると思います。
四方:1年の成果の発表会みたいな。(ステージに)立ってしまうとそんなこと考えないですけど、なんとなくどこかに「1年で何をやってきたかを見せれたらな」みたいなのは、裏テーマとしてある気がしますね。
松本:意外とみんなヒリついてるんだね。
シロ:俺は逆に、あんまりヒリついてなかったです。妙に気楽でしたね。さっき大さんが言ったような、ステージに立った瞬間に切り替わる感覚はあったんですけど、それまでの楽屋だったりとか、廊下とかで先輩をみても妙に気分が落ち着いてて。
石原:たしかに、1年目はそんなに気にしなかったかも。
四方:僕もそうっす。「デカいとこに出れる、やったー」って、それがめっちゃ嬉しいもんな。
シロ:まずそこでした。初めてコーストに立ったし。
石原:2年目からやんな。プレッシャーが。俺ら1年でどんだけ変われたんだっけ?っていう。
四方:ヘマしてがっかりされるのも嫌で。
――じゃあユレニワは今回初めてその感覚を味わうのかもしれない。
松本:マジで下手なライブしたらただじゃおかないから(笑)。
石原:マイクもらってるしな。
シロ:やばい。一生懸命やるしかないっすね。
――お客さんに関してはどうですか。普段のライブと比べてスタンスや目線の違いを感じるのか。
岩渕:それはあるかもしれないです。いろんなバンドを観に来た人がいるから。で、みんなちゃんと観てくれるというか、自分の目当てじゃないバンド、知らないバンドだったとしても全部ちゃんと平等に観てくれる。でもタイプはバラバラな感じはするな。
石原:そうだね。お客さんの表現やレスポンスは見ていてすごく正直やなぁと思います。
――それぞれにお目当てのアーティストはいて、それは分かりやすい。ただ、ちゃんと全部をチェックしてくれて、楽しもうともしてくれてると。
岩渕:(バンド間の)関係値みたいなものが後ろに見えるから、本当にバラバラな集まりじゃないしね。自分がお客さんだったとしても、自分がめちゃ好きなアーティストと一緒に飯とか旅行に行ってたりだとか、裏の話みたいなものも透けて見えると、気になるし観たいなと思う。
石原:それに『MASHROOM』のお客さんって結構、MASHのアーティストが好きなお客さんとそのアーティストが好きな人に分かれるやん。
四方:うん。MASHのアーティストが好き、っていう人もいますもんね。
石原:そういう人たちってすごくあったかいなと思っていて。成長を見るんですよ、バンドの。俺たちの成長を見てツイッターとかも投稿してくれるし。フロアからもそういう目で見てもらえるんだと思うと嬉しいです。
――大きい意味でのハコ推しみたいな。
石原:そうですね。MASHのお客さんはすごく優しいと思います。
岩渕:やっぱり『MASHROOM』って“成長”はあるかもしれないですね。毎年観てたらめっちゃ面白いと思う。相当恥ずかしいところから見られてるから。
石原:ほんまに。
岩渕:オーディションのときから見られてたり、オープニングアクトから見られてたりするから。そうしたら愛着じゃないけど、「こんなに変わるんだ」みたいに思うかもしれないし、結構ヤバいところというか「こんなライブ恥ずかしかったな」みたいなところまで観てたりする。
松本:何者でもないところからスタートするもんね、MASHの場合。他の事務所だったら、ある程度「このバンドはいける」っていうハンコを押されてから契約しようっていう話になると思うんですけど、僕らはまず自分たちの音源を聴いてもらって審査された上での所属だから。そういう異質さはあるかもしれない。
――そこからの成長もあり、ときに右往左往みたいなこともある様子を、年1のスパンで経過観察されているという。
石原:だからその時々の自分たちが出せるピークをあそこで出したいのはありますね。会社でいったら4月始まりで3月締めですけど、俺らは『MASHROOM』締めになってるなって思います。
――となると、去年から今年にかけてそれぞれが何をやってきたのかを観てもらって、お互いにも確認し合う場になりそうですけど、今年はライブがほとんどないという異質な年でもありました。それだけに変わったことや感じたことなどは例年以上にありますよね?
松本:なんか……ライブシーンってあったじゃないですか。要は、ライブで聴かせるために曲を作ったりっていうのが、コロナ以前はわかりやすくあった。それができなくなって、みんなそれぞれ自分の持ち味だったりをものすごく追求してた一年だったと思うんですよ。MASHに所属してるバンドの新しい動きとかをみても、みんなそうなってきたというか、自分たちの表現を模索してた一年だったと思う。その中でもみんな「成長する」っていう部分にはすごく固執して生きてるはずなので、そういう面白さは絶対あると思います。僕は『MASHROOM』ってショウケースみたいなものだと思ってるんですけど、今回はよりそういう日になるんだろうなって。
――石原くんはこの一年どんなことを感じながら活動してましたか。
石原:正直、自粛中に全然曲が書けなくて。なんでかっていうと、俺、“経験”がないと何も書けないんですよね。生み出せるものもなくなって、そこで気が滅入っちゃって。「バンド、終わったな」って思ってました。俺らもだけど、バンドのシーンというものが終わっちゃったんじゃないかなって思うくらい、ライブができないっていうのがショックな出来事で。今まで当たり前のように、3日に一本くらいとか、毎年100本くらいライブしてたのに、「もう5ヶ月くらいライブしてないじゃん」「何、この時間」みたいな。そこで何もできてない自分にも腹がたつし……配信ライブを初めてやったのも5ヶ月経ってからですからね。だからもうちょっと早く動ければよかったなって今となっては思うんですけど。
――バンドをするっていうことと、ライブをするっていうことを、かなり密接に考えていたと。
石原:そうですね。今までそう考えてたんだなっていうのを、そのとき初めて知りました。改めて気付かされたというか。
――岩渕くんはこの期間、どうでした?
岩渕:コロナの前に、ポリープの手術してメンバーが一人抜けたっていうのがあって、自分たちなりに仕切り直そうと、新しく出発する一本目をどう切ろうか?みたいな話をしてた矢先のコロナだったので。なかなか思うように進まないというか、進めてない感覚にすごく捉われちゃって。さっき慎也も言ってましたけど、何もしてないから曲もできないし、そんな自分も嫌になって落ちてたんですけど、でも今の自分らができることってなんだろう?っていうことを考える良い機会にもなったから、プラスの面も全然あるなと思えてて。走ってたからこそ見失ってたもの、前ばかり見て周りが見えなくなってたことが、すごくライトに見えるようになりました。いま一曲レコーディング終わったんですけど、新曲もたくさんできてて。『MASHROOM』に向けては楽しみだと素直に思えるというか、やっとライブできるし、やっと新曲できるし、やっといまの自分らを見せれるなって、心から思える。一年としてはいろんなことがあったけど、『MASHROOM』に対しての想いは今までで一番、ただ楽しめるというのはあります。
――ヤジコは今年かなりコンスタントに曲を発表してましたよね。
四方:そうですね。やっぱりコロナで、さっき大さんが言ったみたいに、意識の矛先が自分に向くというか、自分たちらしさとかを各々考える時間があったと思うんです。ちょっと慎也さんとは逆で、孤立したり独りになるからこそ、バンドミュージックってこれからもっと大事になりそうやなっていう。バンドってメンバー同士の関係性の音楽だから、それが断たれたこの時代にどういう表現ができるかはバンドミュージックにかかってると思うし、それこそライブシーン以外の部分でバンドがどういう動きをするかっていうのは、シーンの結構重要な課題だと思うから。そういうことを自分なりに考えながら曲作りはできたかなと思います。リリースも、配信ですけどコンスタントに出せるようにっていうのは心がけてました。
――ユレニワは所属した最初の一年だったわけですけど。
シロ:「ついてねえな」って思ったり「ライブできなくて寂しいな」とかは、率直に言えばずっとあったし、でも結構ポジティヴな考えは持ててたと思うんですよ。作曲をしたり、制作のことをメンバーと一緒にZoomとかで話しながらやったり、有効に時間を使いながら、振り返ってみるとそんなに速いペースじゃないですけど、行動は休むことなくできてた方だなって。今までライブしてた時間をとにかくインプットに充てて、買いだめてた本を読んだりとか、映画もそうだし、刺激をもらえるようなことをたくさんしていたんですけど。なんか、俺は根本的な人間力を絞りだそうっていう意識が、ライブに対してあるから、そういう色んな溜まったものを『MASHROOM』で出せたらいいなと思います。
――いい感じで意気込みもいただけたので、他のみなさんからも本番に向けた想いをいただいていいですか。
石原:このコロナ期間中にライブがなかなかできてないのもあるんですけど、それでも自分たちのモチベーションをなるべく落とさないように練習してきたので、楽しんでもらえるかなと思ってます。今年フェスもなかったし、ライブでやるはずだった新曲があまりできてないので。新曲とかもたくさんできたらなと思ってます。
――じゃあ『テイクミー』(9月リリース)の曲もたっぷり。
石原:もう全曲やっちゃうかもしれないですね(笑)。
四方:やっぱり、『MASHROOM』は年に一回というのもあって、さっき言ったみたいに気が張ってるぶん、ガーッと熱量のあるライブになることが僕らは多くて。そういうのも良いと思うんですけど、「音楽ってやっぱり気持ちええな」みたいな、あったかい空気感を出せるようにパフォーマンスできたらなって考えてるので。その辺りも意識して観てもらえたらと思います。あと、僕らも新曲はたくさん作ってるのに、ライブではまだできてないのがあるので、そこも楽しみにしてもらえたら嬉しいです。
――この一年の動きが、一番見えてきづらかったのはパノラマかと思いますが、どうですか。
岩渕:そうっすね。ずっと曲作りとかは裏でしてたし配信とかもしてたんですけど、外に出せる機会がすごく少なかったので。「そもそも元気でやってんのかな?」みたいなところから見せていかないといけないので、やっぱり気合い入れてライブしなきゃなって思うんですけど。でも、四方もいま言ってたけど、毎年気合い入れすぎちゃう感じというか、自分たちの手が届かないところまでやりそうになったりとか、いろいろ意識しすぎることもあるので、今年はそういうのを抜きにしてフラットにライブできるんじゃないかと思ってるし、そうしたいなと。あとは今の自分らを観てもらうだけっていう気持ちで挑みたいですね。楽しみです、すごく。
松本:(今年は)自分らが主体になるってスタッフまわりに言われて、いろいろ考えてたんですけど、これまでは良くも悪くも、オーラルとフレデリックが存在することによっての“正解”ってあったと思うんですよ。オーラルとフレデリックが結果を出していくことも、ああいうライブのスタイルも、出てきたときの歓声の違いにも、「あ、これが正解なんだな」っていう。そういう劣等感みたいなものはずっとあったんですよね。そこに対して自分たちがどうやっていけばいいのか。しかし、自分たちのスタイルを崩したくないっていう。……まあ、自分たちがそれに見合うだけの結果を出せばいいだけの話ではあったんですけど。
――なるほど。
松本:だからこそ、今年は“正解”を作りたくないなと思います。自分たちはもともと正解があるタイプのバンドじゃないので、音楽を聴くことが楽しいっていうふうにもできるし、盛り上がることが楽しいっていうふうにもできると思っているので、みんなに好きなようにやってもらって。(イベントの)締めにあたるわけだから、何かしらそういうものを用意しなきゃいけないのかなって思ったりはするんですけど、それによって、たとえば自分たちの対極に位置するバンドスタイルのバンドがやりづらい空気感とかは出したくないので。だから、よりショウケースだと思って、自分たちを表現することに徹してほしいなと思います、今回は。自分たちがそれを助長できる存在になれたらいいなという。
石原:優しいっすね。「自分たちを正解にする」くらい言っても良いと思うんですけど――
――立場的にはね。
石原:そう。でもその正解を作らないでいてくれるのは優しいと思います。
松本:それがこの5バンドでやる意味だと思うので。全員の正解が並んだ上で、最終的に自分は何を言うんだろうなっていう楽しみはあります。でもおそらく、ちゃんと四方が、想太が、シロちゃんが、慎也が、ステージ上で表現したこととか言葉にしたことによって、自分の発言も大きく変わってくると思うんですよ。自分の表現って、世の中や自分以外を見ることによってできることが多いので、自分のためにも、みんなが表現することを全力で受け止められる一日にしたいなと思います。
――今まで以上に自由な空間になりそうですね。
岩渕:そうですね。『MASHROOM』が何かとか、MASH A&Rが何かとかはあまり考えずに、各々が各々のライブをしてそれが『MASHROOM』になる、みたいなのが良いなと思いますね。

取材・文=風間大洋 撮影=高田梓

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