浜田省吾、米米、民生、T.M.R、リト
グリら、ジャンルもスタイルも年代も
違うアーティストから届いた力強く生
きるためのメッセージ『SING for ON
E』を見た

SING for ONE ~Special Live Night~ Season2

2020.12.20(SUN)
テーマは「離れていても、ひとつになれる」。――ステイホーム期間の5月31日に公開され、大きな反響を呼んだプログラムの第二弾『SING for ONE ~Special Live Night~ Season2』が、12月20日にSING for ONEオフィシャルYouTubeチャンネルで公開された。11組のアーティストに“代表曲”と“いま皆に届けたい楽曲”の選曲を依頼し、貴重映像満載の2時間に及ぶ特別番組だ。
ナビゲーター・佐藤隆太が視聴者と医療従事者への感謝を伝え、「不安や我慢の中で過ごすみなさんに、音楽で少しでも力を送れたら」というオープニングを経て、ノンストップで22曲。
トップを飾ったのはポルノグラフィティ、2019年9月の東京ドーム公演から、豪華ストリングスを配した「愛が呼ぶほうへ」と、2014年9月の横浜スタジアム公演からの「ワンモアタイム」。アップテンポのロックチューンでパワーを送る、彼ららしいエネルギッシュで派手な演奏が楽しい。続いて登場したLittle Glee Monsterは、2018年6月のブルーノート東京公演より「世界はあなたに笑いかけている」と、「明日へ」の2曲を。前者は明るいクラップとステップで盛り上がるファンキーチューン、後者は5人の歌声の個性を最大限に発揮したエモーショナルなミドルバラードで、明日への希望を力強く歌い上げる。三番手のmiwaは、2019年3月の日本武道館公演から、フライングVをかき鳴らす姿が凛々しい「ヒカリへ」、そして2015年3月の日本武道館ライブ、たった一人でアコースティックギターと共に歌った「don’ t cry anymore」。《強くならなきゃ》《いつかきっと笑えるから》と歌う、透き通った歌声が深く静かに心を打つ。
miwa
秦基博
清水翔太は、2017年8月の日本武道館から「花束の代わりにメロディーを」と、「Friday」の2曲をチョイス。ゴスペルライクなスローバラードと、レゲトン風のダンスチューンという対照的な組み合わせで、優しさと強さの両面を圧倒的なボーカルスキルで聴かせてくれた。そして秦基博、彼は2017年5月の横浜スタジアム公演からの「言ノ葉」と「鱗(うろこ)」を披露。前者は分厚いバンドサウンドと弦楽器隊で壮大に、後者はアコギ1本で激しく情熱的に。小さな恋の歌も彼が歌えば大きな愛の歌になる、素晴らしい絶唱だ。続いて加藤ミリヤは、2015年6月の横浜アリーナから、真っ赤な衣装でダンサーたちと歌い踊るアッパーなEDMチューン「HEART BEAT」と、ピアノバラードの「Aitai」を。《会いたい》《こんなにあなたを思っているのに》と、会場いっぱいの大合唱は、2020年の暮れにこそ切実に胸に迫ってくる。
加藤ミリヤ
スキマスイッチの1曲目は、2013年11月のさいたまスーパーアリーナ公演より、ボーカル大橋卓也が長い花道を笑顔で歌い歩くシーンが印象的な「全力少年」が1曲目。2018年11月の横浜アリーナ公演から、ストリングスを加えた壮麗なバラード「未来花(ミライカ)」が2曲目。これからの未来には《暗闇もあるだろう。それでも手を繋ぐ》という歌詞から、二人が込めた深いメッセージが浮かび上がってくるようだ。一転して、T.M.Revolutionこと西川貴教は、ド派手なファンキーダンスロック「HEART OF SWORD~夜明け前~」と、挑発的なデジタルヘヴィロック「REBRAIN In Your Head」で、常にアグレッシブな彼の世界観へと引きずり込む。上半身裸の熱唱、たくましい筋肉にも注目だ。さらに一転して奥田民生は、2004年10月の広島市民球場ライブからのアコギ弾き語り「イージュー★ライダー」と、2018年10月の日本武道館から「さすらい」の2曲を提供。懐かしさを感じる1曲目のみずみずしさと、貫禄を感じる2曲目の力強さが、タフで優しいロックンローラー・奥田民生の魅力をたっぷりと伝えてくれる。
T.M.Revolution/西川貴教
奥田民生
プログラムもいよいよ最終盤へ。米米CLUBは、2019年3月のパシフィコ横浜公演より、1992年のスーパーヒット「君がいるだけで」と、ゴージャスなソウルバラード「TIMESTOP」を。円熟したバンド演奏と、カールスモーキー石井の変わらぬ伊達男ぶりが印象的な、思わず“かっこいい”と口に出してしまう素晴らしいパフォーマンス。そして、このプログラムの最後を締めくくるアーティストは浜田省吾だった。2011年のさいたまスーパーアリーナより、1986年リリースの代表曲「J.BOY」と、2005年のヒットチューン「I am a Father」。少年から父親へ、この2曲の間に流れる人生の重みを感じ取れる人は、これからもきっと前を向いてタフに生きていけるだろう。素晴らしい選曲だ。
浜田省吾
深い余韻を残して映像が消えたあと、再び佐藤隆太が登場し、「みなさんの明日が、少しでも軽やかな足取りで歩きだせますように……」と締めくくる。これは2020年の終わりに、ジャンルもスタイルも年代も違う11組のアーティストから届いた、力強く生きるためのメッセージだ。アーカイブ配信は2021年1月20日まで。ぜひ多くの人に見てもらうことを願いたい。

取材・文=宮本英夫

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