L→R Ta_2(Vo)、YORKE.(Painter)

L→R Ta_2(Vo)、YORKE.(Painter)

【OLDCODEX インタビュー】
自分たちを根本から見直して
変わりきってしまおうと思った

OLDCODEXが初となるリミックスアルバム『Full Colors』をリリースする。“Re:OLDCODEX”というテーマのもと、結成11周年を迎えた昨秋よりアパレルブランド『CAMARA ESSENTIALS』の立ち上げや、Jeff Miyaharaとの新たなタッグなど、改めて“絵と歌”に焦点を当てた活動をスタートさせた彼らの目指すものとは? その真意をTa_2(Vo)が語る。

とてもきれいな林檎を見せているのに
実は中身は傷んでいる状態だった

昨年10月に結成11周年を迎えて、新たに“Re:OLDCODEX”なるテーマが発表されましたが、こちら具体的にはどういうものなのでしょうか?

“Re”という文字がつくと“新しく作り直す”という意味があるので、言ってしまえば再出発みたいなイメージです。自分たちが今までやってきた活動はもちろん誇らしく思っているけど、どこか自分たちの中で限界を感じている部分があったというか。この先に進むためには環境を変えなければいけないと、少し前から考えていました。その変化も最初は徐々にやっていくつもりだったんですが、こうして世界情勢的に大きな変化を迎えることになって、大事にしていたツアーも飛んでしまい、ある意味で集中できる時間もあったので、この間に自分たちを根本から見直して変わりきってしまおうと。

なるほど。しかし、傍から見ているとOLDCODEXの活動は順風満帆で、とても限界を感じているようには見えなかったんですが。

俺やYORKE.はOLDCODEXをみんなには見えない芯の部分から知っているので、そこに対しての自負や誇りが強いんです。だけど、自分たちを取り巻く環境や知らないところに改善する余地がたくさんあるにもかかわらず、それがきれいなもののように扱われていることが多くて。例えるなら、とてもきれいな林檎を見せているけれど、中身が傷んでいたんです。だったら枝葉も切って整えて、自分たちが誇りに思うOLDCODEXのかたちをしっかり出していこうと。それでチーム全体を見直して、みなさんに見えていない部分から“チームOLDCODEX”の再編を図ると同時に、新たな魅せ方であったり、自分たちがやりたくても手が出せなかったところを改めて模索していくことにしました。“なぜTa_2とYORKE.のふたりなのか?”に着目して、“絵と歌”というところに焦点を当てたOLDCODEXを始めようと、この一年半くらいは奔走してました。

新たに立ち上げたアパレルブランドも、いわば“絵”をフィーチャーした結果ですもんね。

アパレルうんぬんというよりも、みんなにOLDCODEXの作品を音楽とは別のかたちで提供したくて。今まではグッズオンリーだったので、グッズじゃないものでYORKE.のデザインを手に取ってほしいなと。現実問題として、何らかの活動をしないと次の動きが取れないというのもありますし、お互いがウィンウィンになれて楽しめるような、そして先々も続けていけるものを…というところでした。手に取ってくれたみなさんの意見や感想をもとに、今後またブラシュアップし、自分たちのコレクションとして出せたらいいなと考えてます。

一方で“歌”をフィーチャーしたのが、今回のリミックスアルバム『Full Colors』ということになるんでしょうか?

まだ始まりの点みたいな感覚ですけどね。そもそもリミックスアルバムというものを作りたい願望は、遡ると1stアルバム(2010年発表の『hidemind』)の頃からありました。バンドでやりながらも、自分たちのカラーをもっと自由に受け取ってほしかった。とはいえ、当時はOLDCODEXというものが他者にも自分の中にもまだ定着していない頃だったので、当然叶えられなくて。でも、新たにOLDCODEXを始めようという今であれば、当時やれなかったこともできるだろうし、聴く側からしても新鮮かつ目新しいものに映るんじゃないかと。もちろん大きな賭けではあるけれど、実際に出来上がったものを聴いた時は、個人的に“してやったり”感が強かったです。ラウドな音の中に溶け込んでいる自分のヴォーカルにも楽しさやカタルシスはあったけど、それ以外のかたちになったことで、ファンのみんなも聴きたかったであろう声のラインが浮き出てきたので、より歌に注目して聴いてもらえるんじゃないかと思います。

ええ。アグレッシブなバンドサウンドがテクノやEDMといったデジタルミュージックに様変わりしたことで、よりヴォーカルがクリアーになってストレートに入ってくるようになったのには驚きました。

俺の声ってレンジが広くて、いろんなところで倍音が鳴ってる不思議なものらしく、バンドサウンドと交ざるとギターと当たるらしいんですね。なので、今回デジタルになったことで、ヴォーカルのテイク自体はオリジナルのままなのにめっちゃ抜けて聴こえるんですよ! 先日「WALK」のリリックビデオを先行して公開した時も、ファンの子たちが“ヴォーカルを録り直してる!?”って言ってて、俺らをよく知ってる子たちでも分からなくなるくらい変わるもんなんだなと。ここまで聴こえ方が変わるバンドは、なかなかないと思います(笑)。

あれ? 新たに歌を録り直した曲もありません?

「カタルリズム」と「Aching Horns」です。他は少しコーラスを重ねたり、フェイクを入れたくらいで、その2曲も一部は前のままだったり、今の声と昔の声を重ねていたりします。今回は選曲も早くて、プロデューサーのJeffから“まずはYORKE.と俺で出し合ったのを見せてほしい”って言われたから、スタッフ込みで打ち合わせをしてJeffに出したら“いいね!”ってなったので、そこから誰にどの曲をお願いするかという割り振りをアドバイスももらいながら決めていったかたちです。DJ陣に関しては新しいスタッフたちも“この人が合いそう”とか“この人にやってもらったら面白いんじゃないかな?”っていうアイディアをたくさんくれて嬉しかったですね。やっぱり俺たちに対して愛情を注ごうとしてくれる人たちの意見は、例え新しくチームに加わった人であっても、ちゃんと聞きたいですから。
L→R Ta_2(Vo)、YORKE.(Painter)
アルバム『Full Colors』【初回限定盤】(CD+Blu-ray)
アルバム『Full Colors』【通常盤】(CD)

OKMusic編集部

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