70sカントリーロックの
基盤を築いた
ポコの2ndアルバム『ポコ』
バッファロー・スプリングフィールドの
セッション参加
ポコ結成と革新的なデビュー作
69年にポコのデビュー作となる『ピッキン・アップ・ザ・ピーセズ』がリリースされる。全米チャートでは63位止まりであったが、このアルバムこそ70年代のアメリカ西海岸カントリーロックの礎となる名作である。フューレイの複雑であるが斬新なコーラスアレンジ、ヤングのロックフィールにあふれたペダルスティールとドブロ、独特のテレキャスター奏法を披露するメッシーナの華麗なテクニック、そして、リズムセクションを担当するマイズナーとグランサムのふたりは当時の西海岸でおそらく最高の技術を持っていたのではないだろうか。『ピッキン・アップ・ザ・ピーセズ』は、まさにロックとカントリーを融合させた名作である。
残念なことにアルバムが仕上がる直前、編集作業に加えてもらえなかったマイズナーが激怒し、グループを脱退する。ジャケットのイラストはマイズナーの部分が犬に差し替えられ、クレジットでもサポートミュージシャン扱いになってしまった。この後、オーディションでマイズナーと競い合ったティム・シュミットが加入する。のちにイーグルスでマイズナーが脱退した時も代わりにシュミットが参加しており、このふたりの関係は何か因縁めいたものがある。