米倉千尋

米倉千尋

【米倉千尋 インタビュー】
『ガンダム』じゃなかったら
25年も続けてこられなかった

デビュー25周年を記念したオールタイムベストアルバム『25 YEARS AFTER 〜All Time Best〜』は、「嵐の中で輝いて」や「WILL」などの代表曲はもちろんのこと、Team.ねこかん[猫] featuring.米倉千尋をはじめ、奥井雅美とのユニットであるr.o.r/sの楽曲、さらに新曲など全60曲を収録! これまでの感謝とこれからの誓いという、ファンに向けたメッセージも込められた同作について、デビュー当時のことも含めて話を訊いた。

デビュー曲「嵐の中で輝いて」は
一生歌っていく私のテーマソング

米倉さんにとってどんな25年でしたか?

私はノストラダムスの大予言を信じていて、1999年で地球が終わるものだと思って生きていたので、遠い未来のことを想像したことがありませんでした。デビューした時は1996年だったから、“あと3年か〜”と思って生きていたんですけど、まったく世界が終わる気配はなくて(笑)。とにかく一日一日を一生懸命に生きることを重ねているうちに、ノストラダムスの大予言も越え、さらに10年を越えて…という感じで、気づいたら今日に辿り着いたみたいな感覚です。

ということは、その都度歌った曲やアニメが、その先の道を示してくれていたみたいな?

そうですね。デビューから出会いにはすごく恵まれました。デビュー曲「嵐の中で輝いて」はOVA『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』のオープニングテーマだったんですけど、『ガンダム』じゃなかったら25年も続けてこられなかったと思います。デビュー曲が『ガンダム』シリーズのタイアップだったことは、本当に財産だと思っています。

昨年、NHK BSで放送された『全ガンダム大投票』では「嵐の中で輝いて」が5位にランクインされていましたね。

本当に驚きました。心臓が止まるかと思いましたよ(笑)。すごくありがたいことですね。そもそも私は歌手になる前は人と目を合わせられないほどの恥ずかしがり屋で…特に中学生の頃は対人恐怖症みたいだったから、それを考えると本当に信じられないことです。

それほど恥ずかしがり屋だった米倉さんが、大勢のお客さんの前で歌う歌手という職業を志した理由は何だったのですか?

中学を卒業する時の謝恩会の催し物で、のど自慢大会が開催されたんですね。歌は密かに好きだったから、もう最後だし思い出作りだと思って出場して杏里さんの「悲しみがとまらない」を歌ったら、なんと優勝したんです。そうしたら、話したこともなかった同級生が集まって来て“すごく良かったよ!”と言ってくれて、それまで笑うことすらできなかった私が自然な笑顔で“ありがとう”と言えていたんです。その時、音楽でなら人とコミュニケーションがとれるんだと思って、将来は歌手になろうと思いました。でも、そこからが大変でしたね。まず人間にならないといけなくて。

“人間になる”とはどういう意味で?

まずは人と普通に話せるようになるところから始めなくてはいけなくて、人と話したり、笑顔を作る練習をしました。わざわざ人混みの中に入って、まったく知らない人に話しかけたりとか。人と普通に接することができるようになる…つまり、まずは人間になることが、私のスタートラインだったんです。

歌う以前に苦労があったんですね。

はい。人と普通に話ができるようになった上で、大学の4年間はオーディションに落ち続けて、デビューするまでは、それこそ嵐の中でずっともがいているような気持ちでした。なんとか大学4年の時に事務所に入ることができたんですけど、デビュー曲として「嵐の中で輝いて」をいただいた時は、“私そのものだ”と思いましたね。私のことを知っていて作ってくださったんじゃないかって思ったくらい、すごく衝撃を受けました。最初に大きなギフトをもらってしまったような感覚で、これを私自身のテーマソングとして一生大事に歌っていこうと。今でも歌っていると、当時の気持ちが蘇りますし、常に襟を正してくれる曲ですね。自分の目標みたいなものを改めて教えてくれる、未だに大好きな曲です。

今作はCD4枚に全60曲を収録していて、1枚目と2枚目にはシングルの表題曲が並んでいるという。

はい。そして、3枚目と4枚目には1月24日に『Chihiro Yonekura 25th Anniversary Online Live 2021 〜全曲選抜総選挙〜』という配信ライヴを行なった際に募った、リクエストの上位に入った楽曲を収録しています。

米倉さんの中で、その時の順位はどんなふうに感じました?

わりと順当というか、「嵐の中で輝いて」と「WILL」が競って、最後に3票差で「WILL」が競り勝ったという。意外だったのは「It's a beautiful day」がランクインしなかったことで。ライヴでは毎回盛り上がるタオル曲だから、絶対に上位に食い込んでくるだろうと踏んでいたのに(笑)。あと、嬉しかったのは『9-nine-』というゲームの関連楽曲がたくさんランクインしたことですね。一番新しい作品の楽曲も聴いてもらえているのが分かって嬉しかったです。そのゲームから新しくファンになってくださった方もたくさんいらっしゃって、“ガンダムの曲も歌っていたんですね!?”って驚かれたりとか。
米倉千尋
アルバム『25 YEARS AFTER ~All Time Best~』

OKMusic編集部

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