村上“ポンタ”秀一でしか
成し得なかった記念碑的作品
約100人の有名音楽家が集結した
『Welcome to My Life』

14.MAMBO NO.5

【参加ミュージシャン】中島啓江(Vo)、高中正義(Gu)、小原礼(Ba)、国府弘子(Pf&Chor)、MALTA(A.Sax)、大儀見元(Per&Chor)、高橋ゲタ夫(Per&Chor)、ペッカー(Per&Chor)、BIG HORNS BEE(フラッシュ金子(B. Sax & T.Sax)、Orita Nobotta(A.Sax)、河合わかば(Tb)、Fussy Kobayashi(Tp)、Himarayan Shimogami(Tp))
 最も有名なマンボの曲で、高中正義が1977年のアルバム『TAKANAKA』でも披露(その時のドラマーもポンタで、ベースも小原礼)。つまり、カバー曲のセルフカバーということになるだろうか。もともと明るい曲がさらに明るくなっている印象で、それは中島啓江のヴォーカリゼーションも大きく寄与していることは間違いない。ちなみに中島もポンタも『三宅裕司のいかすバンド天国』で審査員を務めており、このセッションはそれがご縁であった模様。

15. THE WHITE ROOM
~SUNSHINE OF YOUR LOVE~
KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR

【参加ミュージシャン】桑田佳祐(Vo&Gu)、中シゲヲ(Gu)、バーべQ和佐田(Ba)、KYON(Pf&Key)、前田康美(Chor)
 CreamとBob Dylanのメドレーのような表記だが、中身はほとんど「KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR」。ポンタは“半ば桑田を脅しながら”実現したセッションだったと振り返っていたようだが、“やっぱりヒロシ(=サザンオールスターズのドラマー、松田弘)のほうがいいや”と笑う桑田流の軽口に、桑田自身も乗ってレコーディングしていたことがうかがえる。その軽口の一方で、きれいなハーモニーを聴かせるアウトロには丁寧なミュージシャンシップがあり、先輩アーティストへの敬愛を感じるところ(そのあとのポンタ、桑田の会話は信頼関係の証し)。

16.WELCOME TO MY RHYTHM
~嵐を呼ぶ男

【参加ミュージシャン】菅沼孝三(Dr)、森高千里(Dr)、東原力哉(Dr)、真矢(Dr)、村石雅行(Dr)、森山威男(Dr)、神保彰(Dr)、日野元彦(Dr)、仙波清彦(Dr)、青山純(Dr)、仙波清彦(Dr)、テツモトケンジ(Dr)、れいち(Dr)、江藤勲(口太鼓)、GRACE(口太鼓)、ゴンガー中根(口太鼓)、佐々木裕(口太鼓)、ちびしょうこ(口太鼓)、富田京子(口太鼓)、沼澤尚(口太鼓)、Miki Tsunoda(口太鼓)、Mitsuko(口太鼓)、吉沢和久(口太鼓)、犬丸太夫(声の出演)、浦島猛(声の出演)、斉藤麻美(声の出演)、野末美奈子(声の出演)
 10分以上に及ぶドラムソロのリレー。ヴォーカルやギターとは違い、ドラマー同士はバンドの垣根を超えた横のつながりが強いとは聞くが、これだけのメンバーがポンタの25周年を祝ったことは、その何よりの証しかもしれない。ドラムの音だけというマニアックな構成ではあるが、今、誰が叩いているかを紹介する声が入っていて、飽きさせない工夫はされている。

こうして簡単ではあるものの、一曲一曲を振り返ると、本当にバラエティーに富んだ楽曲が収録されていることを実感せざるを得ないし、これだけのアーティストがひとつの作品のまとまっていることの凄さを改めて知るところである。よくぞ、一作品にまとまったものだと思うが、言うまでもなく、それはそこにポンタがいたからこそ、名立たるアーティストが結集したのである。ドラムはバンドの要とよく言われる。村上“ポンタ”秀一は邦楽シーンにおける要であったのだろう。
アルバム『Welcome to My Life』1988年発表作品
    • <収録曲>
    • 1.JACO PASTORIUS MEDLEY
    • 2.I WANT YOU BACK
    • 3.TRAVELLING
    • 4.I'VGUOT YOU UNDER MY SKIN
    • 5.青い山脈
    • 6.OH! DARLING
    • 7.JANBAIRKIN MEDLEY
    • 8.津軽~南部俵積み唄
    • 9.IT MIGHT AS WELL STAY MONDAY FROM NOW ON
    • 10.TIME IS ON MY SIDE
    • 11.WE CAN TALK
    • 12.LEFT ALONE
    • 13.ヨイトマケの唄
    • 14.MAMBO NO.5
    • 15.THE WHITE ROOM~SUNSHINE OF YOUR LOVE~KNOCKIN' ON HEAVEN'S DOOR
    • 16.WELCOME TO MY RHYTHM~嵐を呼ぶ男
『Welcome to My Life』('88)/村上“ポンタ”秀一

OKMusic編集部

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