人間椅子、2年2か月ぶり新作『苦楽』
ジャケット写真&収録詳細を発表 和
嶋慎治コメントも
我々は豊か、快適という名前の楽な道を選んできました。しかし、思うのです。苦しみがあってこその人生なのではないかと。実りを得るためには、苦労して畑を耕さなくてはなりません。人は生まれ、死に、その間に多くの別れを経験し、愛情を覚えます。悲しみと苦しみから他人を許すことを知り、お互いに尊重し合えるようになります。いってみれば、苦しみこそが幸せなのかもしれません。昨今の息苦しさは、苦労を片隅に追いやった(あるいはそのように仕向けられた)結果のように思えてなりません。
おそらく、苦と楽は表裏一体です。苦しみがあってこそ楽が輝き、幸せを感じるのです。今回のアルバムでは、人生における悲しみと苦しみ、最悪の未来図、人間らしくという意味では間違った選択、などをハードなサウンドで描きたく思っています。もちろん、いたずらに批判的にならぬよう、特定の事象をあげつらわないよう、細心の注意を払うつもりです。現代の視点から、普遍的な事柄を歌うことが出来たなら、大いに成功といえるでしょう。
ちなみに『苦楽』とは、戦前~戦後の大衆文芸誌の名前でもあります。江戸川乱歩の「人間椅子」は、この雑誌に発表されました。前アルバム『新青年』の次作として面白く、またふさわしいとも思えましたので、このタイトルを提案させていただきました。
和嶋慎治
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