「野村義男のおなか(ま)いっぱい お
かわりコラム」おかわり20杯目は、シ
ドShinjiとRayflower田澤孝介からな
るfuzzy knotが登場

ギターをこよなく愛するギタリスト・野村義男が、沢山の仲間を呼んでおなかいっぱいの内容でお送りする対談形式のコラム。おかわり20杯目は、1stアルバムをリリースしたばかりのシドShinjiRayflower田澤孝介からなるロックユニットfuzzy knotが登場。
野村:本日はfuzzy knotのお2人にお越しいただきました。はじめまして!
田澤孝介・Shinji:はじめまして!
田澤:きちんとお話しするのは初めてなんですけど、実は僕はひと絡みしたことがありまして。
野村:マジですか!?どこで?
田澤:『AKBINGO! 』っていう番組のコーナーで、全力バンド選手権って覚えてます? 色々な人たちがひたすら「GIVE ME FIVE!」を歌っていくやつなんですが。
野村:あー、やりましたね!
田澤:そこに聖飢魔IIの偽物みたいなバンドがいたと思うんですが、あれのボーカルです。(笑)
野村:いましたね!
田澤:その時にお弁当を食べてた野村さんに「偽聖飢魔IIの演奏どうでしたか?」って聞いたら「うまい!」って仰って、どっちが?(笑)みたいな絡みをさせていただいた以来です。
野村:あれもう10年くらい前?
田澤:それくらいになると思います。
野村:すごいなぁ。改めて宜しくお願いします。
田澤・Shinji:よろしくお願いします。
Shinji / 田澤孝介
野村:そもそも2人はなんで一緒にユニットを組むことになったんですか?
Shinji:まず僕が母体であるシドっていうバンド以外にも何か個人的にできることがないかなって考えていた時に、歌メロがたった音楽が根本的にあったんですけど自分で歌うのはなんか違うなってなりまして。
野村:うん。
Shinji:それで前から田澤さんの歌がとても良いっていうのを知ってたので、結構色んなバンドを掛け持ちでやられてたのもあって、ちょっと誘ってみようかなというのが最初です。全く面識はなかったんですけど。(笑)
野村:えー!?
Shinji:大人のコネクションを使っていきなり飲みに誘ったんです。普通に考えるとかなり怪しい感じですよね。
野村:いや、良いじゃない! そういうノリから始まる何かってあるから。じゃあ、一緒に飲んでもう意気投合みたいな?
Shinji:はい。
田澤:そうなんです。お互い面識がなかったんですけど、もちろんそれぞれのバンドのことは知っていて。初めて飲んだのが1年半くらい前だったんですけど、お互いそこそこキャリアを積んでる人間が知人を介して急に飲みたいって話をされたら、これはもう誘われるとか何かあるのかなって心の準備をして行ったんです。
野村:はいはい。
田澤:でも、いざ飲みが始まるとなんかもごもごしてるんですよ。言いたい事を言いだせずに……。
野村:ああ、じゃあタイプ的に女子も口説くのが下手なタイプだね?
田澤:あははは!(笑)
Shinji:いや、違うんですよ! 僕の中では想いがあって、最低3回は飲もうかと思ってたんです。3回は会って自分のことも知ってもらった上でって。
野村:付き合おうよ!バンドやろうよ!みたいな?
Shinji:そうそう! そんな風に段階を踏もうかなって思ってたんですけど、あとあと考えたら怪しすぎるので、飲みが始まって2時間くらいで切り出したんです。
野村:ホントに恋愛ですね!
田澤:そうなんです。好きなんでしょ?早く言いなさいよ!みたいな(笑)。
Shinji:(笑)。
野村:そうだよね!付き合う覚悟で来てるからね。じゃあそこでまずはやってみようかみたいな話になったってことですか?
Shinji:はい、そうです。
田澤:もともと僕がシドの楽曲で好きだと思ってた曲に、Shinjiくんが書いた曲がとても多かったので、ちょっと喜びというか良い機会だなっていう期待もあって、一緒にやろうって話ならOKやから具体的にどうしていこうみたいな話を、逆に誘われた僕からグイグイしましたね。
Shinji:ははは(笑)。
野村:ほんとに恋愛関係ですよ。確実に女子のほうが強い感じのよくあるパターン! でも、そういうのって凄い大事だと思うし、だから2人でうまくいってるわけでしょ?
田澤:そうですね!
Shinji:でも、まだライブ活動とかは出来ていないし、レコーディングとかも割とリモートだった部分が多いので、田澤氏の前で僕はまだ生ギターを弾いたことがなくて。
野村:ホントは弾けないかもしれないよ!
田澤・Shinji:ははは!(笑)
野村義男
野村:じゃあ、もうリモートでレコーディングしてアルバムを作っちゃったっていうことですよね?
Shinji:そうですね。さすがに歌録りに関してはスタジオに行きましたけど、まだ僕のギターは聞かせてないです。でもMV撮影の時にエレキの生音をペンペンってのはあって。
野村:ああ、黒いテレキャスだ! 見ました、ピエロが出てくるやつ。
Shinji:ありがとうございます!
野村:「Joker & Joker」の撮影の時に初めてギターを弾けるかもよってアピールしたってことね。
Shinji:そうなんですよ。その時に「うまいなぁ」って。
田澤:ははは!(笑)
野村:上から目線だ!
田澤:いやいや、本当にうまいなぁって思って(笑)。
野村:凄く素敵な曲ですよね。なんか不思議な感じだったんですけど、メロディとかはキャッチ―でさ。惹きつけるものがあるっていうか、気になる、気にさせる曲だ! 曲だけ聞いてるとそういう風に思って、MV見てるとピエロ出てきて、気が付いたらピエロになってるし。あれ良いですよね。
Shinji:はい。
野村:あのピエロは誰だったの?
田澤:あれはクラウンユースケさんっていう本職のピエロの方です。なんて言うか、「Joker & Joker」の歌詞の内容と、リンクさせる世界観みたいなところを出したくて。実際ピエロじゃなくても良かったんですけど、誰もが隠し持っている部分というか、実際生きていく上で嘘をつかずに生きていくことって多分できないじゃないですか。
野村:絶対ないですよ。僕なんて嘘の塊ですから、毎日100は嘘ついてます。
田澤:あはは!(笑) でも僕も無意識でついてるかもしれないですしね。だから、騙そうと思っての嘘もあれば、知らず知らずのうちに自分を守ろうとした結果嘘ついてしまっていた!みたいなものもあるから。演じてるというか、その辺を表現するモチーフって何だろうとなった時にピエロが浮かびまして。
野村:ピエロって二面性だからね、明るいと悲しいと。漢字で書くと道化師だし。
田澤:そうですそうです。自分でもちょっと虚しさとか感じてるでしょうし、そんな部分も含めてピエロを、それも本物のピエロを呼ぼうって思ったんです。それで、もしかしたら僕らの中にもそんなピエロの面があるんじゃね?ってなって、最後は半分僕らもなるみたいな映像になりました。
野村:そうか。でも、すごい僕は惹きつけられたなって、面白かったです。あと、ギターがメロディアスだよね、ギターソロちょっと感動しました!
Shinji:本当ですか? ありがとうございます!
野村:今どきあんなギターソロ弾く人たちいないから、素晴らしいなって思って。なんかネタがあったら教えてください!
Shinji:あはは(笑)。いやでも僕もシドを始めたあたりから、ギターソロを弾く場面って少なかったんですよ。言ってみればギターソロがあるとちょっとダサいって言われちゃう感じの風潮もあって、僕はギターソロがある音楽で育ってきたので。
野村:いやもうホントに減ってるもんね。実際どんなの聴いてたんですか?
Shinji:やっぱりBOØWYとか、X JAPANとかB’ zとか、日本の曲が多かったですね。
野村:でも全部ギターソロが多いバンドですね。
Shinji:そうですね。なので、シドでも割とギターソロありきで曲を作ってたりとかしてました。そこは結構こだわりですかね。
野村:僕の世代になると、さらにもっと古い世代になっちゃうから、完璧にスターはボーカルなんだよね。でも、ギターの人はギターソロを弾くと「ボーカルお前どけよ~」みたいな。それが凄く楽しかったんですよ。
Shinji:そうですね。
野村:それを考えたら、fuzzy knotみたいに2人だとちょうど良いのかもしれないっすね。MVみても2人並んでて、どっちが前面とかじゃなくてバランスが取れてる感じで。良い恋愛してるなっていう。なんか今日は新婚さんいらっしゃいやってるみたいな感じだ!
田澤・Shinji:ははは!(笑)
Shinji / 田澤孝介
野村:じゃあコロナ禍では、2人はずっとレコーディングだったっていう感じですか?
田澤:ライブとかコロナ以前の動き方で進んではいたんですけど、やっぱり一回進み方が鈍くなっていったんですよ。
野村:まぁ、みんなそうだからね。
田澤:でも、逆にこれを機にたくさん作っちゃおうぜみたいなところで話が合って。
野村:先にアルバムとかいっぱい出しちゃって、とりあえずファーストライブは、横アリで!とか、そういう風にしちゃえば良いじゃん。
Shinji:あはは(笑)。
田澤:やりましょう!
野村:ちなみに、このユニットでライバルとかはいますか? 日本ではギターとボーカルって言ったらやっぱりB’ zとか?
Shinji:そうなりますよね。でもCOMPLEXにしときます。
田澤:ははは(笑)!!
野村:吉川晃司が何と言うか。
Shinji:でもこの「Joker & Joker」のMVは、僕が元々COMPLEXの「BE MY BABY」のMVが好きで、白ホリでワンカットのみで撮りたいってのがあったんです。出来れば引きだけにしてくれくらいに結構お願いしたりして。
野村:結構ギター弾きながら踊ってましたね!
Shinji:そうですね、COMPLEXもそうしてたので。
田澤:そうやったんや(笑)。
野村:じゃあコロナ禍のお互いのプライベートっていうか、何か生まれたり趣味が出来たりとかしました?
田澤:僕はアコギで弾き語り始めました。
野村:それは配信とか?
田澤:ボーカリストになる前、元々はギタリスト始まりなんですよ。だから、自分の作曲のデモ録る時は自分でギター弾いてたんですけど、ボーカルと同時にやったことはなかったんです。ソロの時はピアニスト呼んでやってたんですけど、こんな状況になるとサポートも呼ばれへんなってなった時に、これを機に一人でも出来るようにって思ってチャレンジしてみようかなって。
野村:はいはい。
田澤:で、普通に嫌だったんですけど、どうせなら成長過程を見せちゃえって。逆転の発想じゃないですけど、いつもと違う事をやるので、その姿を見てくれた人が何かやってみようって気になってくれたら良いなと思って。
野村:それを配信したんだ?
田澤:はい、ツイキャス無料配信で月一くらいから。
野村:でもあんだけ歌うまいし、元々ギター弾いてたんならなんの問題もないでしょ!
田澤:いや、それがやっぱり舞い上がってしまうというか、なんか別もんだなぁって気づいたんですよ。ギターと歌が一個になりました、ようはギターと歌だっていう脳みそじゃなくて、弾きながら歌うっていうのは別の脳みそが必要なんだなっていうのを思い知りました。
野村:真面目!
Shinji:(笑)。
田澤:真面目ですか? なんかやっぱり、歌に集中するとギターがおろそかになるし、ギターに集中すると歌がおろそかになるから。
野村:じゃあ次の課題として、今度ストンプボックス買いましょうよ。
田澤:ストンプボックスってなんですか?
野村:ドラムのキック! 弾いてる時普通にリズムをとる事は出来るけど、楽器として一つ増えると、歌いながら弾きながらキックをキープしながらって、凄く難しいのよ。でもきっと楽しいよ!
田澤:あー、なるほど、やってみます!
野村義男
野村:Shinjiさんは何をやってました?
Shinji:僕はオンラインサロンを始めました。
野村:オンラインサロンって何?
Shinji:僕の場合はギター教室的な。僕はめちゃくちゃうまいこと教えられるわけでもないので、僕なりにシドとかそれこそ始まったfuzzy knotの楽曲を僕なりに解説してみたり。
野村:こうやって弾いてるんだよみたいな?
Shinji:はい。元々はそういう事があまり好きではなかったんですけど、なかなかお客さんの前に立てることがなくなったので、お客さんを近くに感じたいなと思ってしまって。
田澤:先生を始めた。
Shinji:でもホント面倒見が悪くて。あんまり人に教えるのが……(笑)。
野村:どういう感じに面倒見が悪いんですか?
Shinji:いやなんか僕、後輩もいないし、先輩についていくタイプでもなくて結構一人が好きみたいなところがあって。だから人に教えたりすることって本当にやった経験がなかったんです。
野村:でも成立してるんだよね?
Shinji:なんていうか何回もアップデートしてアップデートして。初心者の人もいれば、結構熟練者も来てくれて、その両方を楽しませたり勉強になるってことをやるのが結構難しくて。
野村:実際どのくらいやってるんですか? たとえば月一とか週一とかそういうのがあるじゃないですか。
Shinji:今で7か月くらいですかね。リモートでやるのは月一なんですけど、3日に1回くらいワンポイントレッスン的な動画を上げていってます。
野村:凄い! それだけやってると結構見てる人がギター上手になっていくのも分かるんじゃないですか?
Shinji:そうですね。だから会員さんにも「これ弾けたよ」っていうのあったら自由にアップしてねって言って、それを見てアドバイスとかはするようにしてます。
野村:やってることによって気が付いたこととかあります?
Shinji:人に教えてると自分がうまくなるなぁと思って。
野村:あー、僕もやろうかな。
田澤:そういうのやられてないんですか?
野村:やんないやんない! 絶対人に教えない!
田澤:絶対ですか?(笑)
野村:僕の場合は全部独学だから、人への教え方がわかんないから。でも、教えないとうまくならないんだなぁ。
Shinji:そうですねぇ。僕もメジャーデビューするまではちゃんと教えてもらったこととか一度も無くて、逆にデビューした後に知識のない自分が恥ずかしくなったんです。プロデューサーさんにこの何度の音がどうとか言われても、分からないなみたいな時期があって、それでそこからギター教室に通ってたことがありました。
野村:えらい!
Shinji:それでまぁ一年くらいちょっと教えてもらって、自分が知らなかったことをいっぱい勉強出来たなとは思ってます。小指がフレットから離れすぎちゃう癖があったのも、先生が小指は最短で動かせみたいなこと言われて、そんなこと意識して弾いたことなかったから。
野村:なんか僕も色々な練習の仕方してたなぁって思いだしちゃった。そろそろ新婚さんいらっしゃいも閉店の時間となりました。
田澤・Shinji:あはは(笑)。
Shinji / 田澤孝介
野村:まぁ大切なのは6月30日に1stアルバム『fuzzy knot』をリリースしたばかりということで、収録された10曲を是非聴いていただきたいと。
田澤:はい。
野村:あと、撮りおろしブックレットとオフショットムービーのダウンロードカードが入ってると。これQRコードでピッとして見れたりするやつだよね?
田澤:そうです。MV撮影とブックレットの写真撮影の時のオフショットが見れます。
野村:動くのが見れる?
田澤:動きます。
野村:あ、それは素晴らしいですね。スマホにいれたまま2人を連れて歩けるってことだ!
田澤:そうです、言い方素晴らしいですね。
Shinji:凄い!(笑)
野村:皆さんとにかくアルバム聴いていただいて、気づいたら沢山アルバムが出て、横アリでのライブがスタートすると思いますので、それを楽しみにしてもらいたいと思います。
田澤:横アリ……頑張りましょう!
Shinji:頑張ろう!(笑)
野村:ということで、今日はfuzzy knotのお2人に来て頂きました。今日はどうもありがとうございました!
田澤・Shinji:ありがとうございました!

撮影=大橋 佑希
Shinji / 野村義男 / 田澤孝介
fuzzy knot「Joker & Joker」

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