ねじれたポップセンスで異彩を放った
モノクローム・セットの
『ヴォリューム、コントラスト、
ブリリアンス』

モノクローム・セットというグループ

モノクローム・セットは1978年にロンドンで結成された。当初はビド(ヴォーカル&ギター)、レスター・スクエア(リードギター)、J・D・ヘイニー(ドラム。元アート・アタックスのメンバー)の3人を中心に活動していた。しばらくして、ジェレミー・ハリントン(ベース)が加わり、同年デモシングル「He’s Frank(Slight Return)/Silicon Carne」をラフ・トレード・レコードの傍系レーベル(Disquo Bleu)からリリース、翌年の1979年にはラフ・トレードと正式に契約し、「フランク(原題:He’s Frank)」「戦慄のシンフォニー」「モノクローム・セット」の3枚のシングルをリリースする。デビューしたばかりで3曲ともインディーズ・トップテンにチャートインしているのだから、大したものである。

79年末、アダム&ザ・アンツに在籍していたベーシストのアンディ・ウォーレンがハリントンの代わりに加入、グループはヴァージンレコードの傍系レーベルのディン・ディスクと契約した。1980年には待望のデビューアルバム『ストレンジ・ブティック』と2ndアルバム『ラブ・ゾンビーズ』の2枚をリリースするなど、精力的に活動。1981年末にJ・D・ヘイニーがグループを脱退するが、代わりにレキシントン・クレインが加入している。1982年、グループはチェリーレッドと契約し、3rdアルバム『エリジブル・バチェラーズ』をリリースするもののスクエアとクレインが脱退、代わりにキャリー・ブース(キーボード、フルート、ヴォーカル)とモリス・ウィンザー(ドラム。元ソフト・ボーイズ)が参加する。しかし、彼らもすぐに脱退。新たにリードギタリストのジェームス・フォスターとニック・ウェソロウスキーが加入するなど、そろそろグループの雲行きが怪しくなってくる。そんなこともあってか、グループの活動を総括するかのようにリリースされたのが本作『ヴォリューム、コントラスト、ブリリアンス』である。

OKMusic編集部

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