サイケデリックブルースロックから
アメリカンロックへと転身した
スティーブ・ミラー・バンドの
『ジョーカー』

スティーブ・ミラー・バンド

『モンタレー・フェス』のあと、グループは大手レコード会社のキャピトルと契約、ビートルズのプロデュースを手がけたジョージ・マーティンの助言でスティーブ・ミラー・バンドへと改名することになった。チャック・ベリーのバックを務めたライヴ盤をリリースした後、デビューアルバム『未来の子供達』(’68)はグリン・ジョンズのプロデュースによってロンドンで録音された。この時のメンバーはスティーブ・ミラー(Gu&Vo)の他、ボズ・スキャッグス(Gu&Vo)、ロニー・ターナー(Ba)、ジム・ピーターマン(Key)、ティム・デイビス(Dr)で、後にメンバーとなるベン・シドランがゲスト参加している。そのサウンドはシンセなども使った実験的な要素が濃く、まさにサイケデリックロックとブルースの二刀流であった。グループはこの路線でセカンドアルバム『セイラー』(’68)をリリース、真新しい試みを随所に取り入れ評論家筋から高い評価を受けた。

続く『すばらしき新世界』(’69)では、スキャッグスとピーターマンが脱退、新たにベン・シドランが加入する。ゲストにニッキー・ホプキンスとポール・マッカートニー(変名で)が参加するなど、大きな話題となった。

5枚目のアルバム『ナンバー5』(’70)はナッシュビル録音で、エリアコード615の面々が参加するなど、カントリーやマリアッチ的なサウンドにもチャレンジするなど意欲作となったが、ミラー以外のメンバーの影が薄くグループの存続が危ぶまれた時期でもある。この後、ミラーは冒頭で述べた自動車事故で長期間の休養を余儀なくされるのと同時にグループは分裂する。

OKMusic編集部

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