重厚な
アフリカンジャズロックを聴かせる
ジンジャー・ベイカーズ・
エアフォースのデビューライヴ盤
『ジンジャー・ベイカーズ・
エアフォース』
ジンジャー・ベイカーのスタイル
66年末にリリースされたクリームのデビューアルバム『フレッシュ・クリーム』所収の「トード」は、前後に短いテーマがあるだけで、それ以外はドラムソロという構成になっており、ロック作品でドラムソロが登場した最初期の例となった。この時、ベイカーの手数の多いスタイルはすでに確立されているのだから、まさにロックドラムの先駆と言えるだろう。また、この曲はライヴテイク(68年にリリースされた『クリームの素晴らしき世界(原題:Wheels Of Fire)』所収)はスタジオ盤と比べ3倍以上の長さになっている。ベイカーはダブルバスドラムを駆使して、ジャズ的なフレーズというよりはアフリカのリズムに影響されたポリリズム的なリズムを叩き出しており、この頃すでに後のGBAの構想を練っていたのかもしれない。
クリーム解散後
クラプトンとは逆に、ベイカーとウィンウッドはブラインド・フェイスの音楽に可能性を感じており、特にアルバム『ブラインド・フェイス』の最後を飾る15分にも及ぶベイカー作「ドゥ・ホワッツ・ユー・ライク」は、メンバー全員にソロがまわるなど、ベイカー、ウィンウッド、グレッチの3人はこの曲に見られるジャズロック的なスタイルを推し進めたいと考えていたのである。そういう意味では「ドゥ・ホワッツ・ユー・ライク」のサウンドこそが、まさにGBAの基礎となっている。