小倉 唯

小倉 唯

【小倉 唯 インタビュー】
今までのライヴから
成長している部分などを
感じていただけたら嬉しい

久しぶりの有観客ライヴは
温かく愛にあふれた空間だった

7月4日には2年振りの有観客となったライヴ、『#Re♥LOVEcall』がパシフィコ横浜 国立大ホールで開催されました。こちらについてはいかがでした?

当日を迎えるまでは無事にリアルライヴを迎えられるのか、本当に分からない状況だったんです。そういった意味では、すごく複雑な心境で当日を迎えました。例えリアルライヴを開催できずに配信になってしまったとしても、昨年の配信ライヴとはまた違う切り口で、いつものライヴの雰囲気をお届けできたらいいなという心境でいました。

少しブランクがあったということで、準備する段階で戸惑われたことはありましたか?

定番曲以外にも、久々に披露する楽曲が多くて。それらの振り付けを思い出すリハーサルに結構時間がかかりましたね。あとは、ファンの方がいる状態で初披露する楽曲もたくさんあって。より完成度の高い状態のものをみなさんにお届けしたかったので、身が引き締まる想いで練習に臨んでいました。デビューから時が経っていくにつれて、当時の細かい振り付けやテイストを毎回きちんと思い出して再現していかないと、時間とともにどんどん崩れていってしまうんです。一見違いが分からないような細かな振り付けでも、ひとつずつ拾い上げ、できる限りオリジナルに近いものを再現していくことをいつも意識しています。

慣れたもので表現したくなるのが人間の性だと思うんですけど、そうはしないところが小倉さんのストイックさですね。

私自身もそうですし、一緒に指導してくださる先生やダンサーズのチームもみんな同じモチベーションを持っています。例えば、振り付けで指が一本のところを二本出してしまっていたとしたら、そういった細かな部分も、先生たちはいつも絶対に見逃さないんですよ。できる限りパーフェクトなパフォーマンスができるように、みんなで一緒に志を高く作り上げています。

そんなライヴの中盤でのダンスパートは圧巻でした。

今回のダンスパートではダンサーひとりひとりの紹介があり、一番最後に私が紹介されて踊る構成でした。さらにメドレーが続き、そこからMCを挟んで新曲の「Fightin★Pose」を披露するという…すごく過酷なセットリストでしたね(笑)。だけど、きっとこれをやりきることができたら、すごくカッコ良いと思ったので、その理想を追い求め、妥協することなく頑張りました。

またご自身を追い込んでいらっしゃる(笑)。

むしろワクワクします (笑)。人って慣れてしまうと真剣味もなくなるし、こなすだけになってきちゃいますよね。そういう時“ここにきて、さらなる試練が!?”と思うと、やっぱりちょっと嬉しいんです。大変だからこそ、“よし、やってやる!”と思います(笑)。他の人ができないところまで自分を追い込めば自分の自信にもつながるし。目指していたパフォーマンスができた時の達成感は、快感を覚えますよ。もしかしたらスポーツ選手の心境と似ているのかも…。自己ベストを更新できた時の喜びに近いのかもしれないです(笑)。

ダンスパートの小倉さんのカッコ良さにグッときましたよ。

ありがとうございます。ファンの方からも、ダンスパートはライヴで観ると本当に引き込まれますという意見をたくさんいただいて。可愛らしい楽曲のパフォーマンスとのギャップというか、私が真剣に取り組んでいる姿をみなさん楽しんでくれているみたいです。この先も自分のカッコ良い要素をどんどん引き出していけるといいな。

観客のみなさんの選択によって出てくる映像のストーリーが変わる「<SHORT MOVIE>“ユイユイメモリアル”」はユニークな企画でした。

実は、以前からRPG要素のある幕間映像にチャレンジしてみたい気持ちがあったんです。今回はお客さんが声を発することのできない制約があるライヴだったので、いつもと違うかたちでみなさんに参加していただける企画をやれたらいいなと。それで幕間映像にRPG要素を落とし込み、客席のペンライトの色で選択肢を展開していったら面白いんじゃないかという話になりました。

“ファンの人ならこちらの回答だろう”と思っていたのが違っていたりして意外とかは?

昼公演では、すごく王道なルートで進んでいたんです。私がMCで“みなさんの選択によって、ストーリーも変わりますよ”と説明したら、夜公演ではみなさんが他の可能性を探るために、あえて違う選択肢を選んでくださっていたみたいで。今回は昼夜の2公演だったので、両極端のルートになってしまいました(笑)。もともと遊び心を持って作っていた企画だったからか、お客さんの反応もすごく良かったです。このゆいゆいメモリアルは、今後幕間映像としてシリーズ化していってもも楽しいのかなと思いました。

また、「<SHORT MOVIE>“LOVE CALL”」という企画では、仕事仲間の声優さんや小倉さんのお母さんが電話の相手として登場されて。

はい。実は昼の部では父も登場しています。特典映像も観どころですね(笑)。

ライヴのタイトルにちなんだ“愛を伝える”という企画で心が温まりましたよ。

そうですね。お仕事ではあるけれど、この企画自体、すごく思い入れがあるものになりました。特に今はみんなとご飯に行ったりしにくい状況なので、こうしたかたちでお互いに気持ちや想いを伝え合うことができ、とても嬉しかったです。

そんな有観客のステージに久しぶりに立った時の心境はいかがでしたか?

久々の有観客ライヴで“圧倒されてしまうのかな?”と思っていたんですが、実際に始まると思っていた以上にすごく温かい空間でした。それこそ愛にあふれた空気感で。今回はお客さんからの直接的なパワーというよりも、癒しのオーラというか、空間が浄化されているような…そんな空間でした。きっとみなさん、温かい気持ちでライヴを観てくださっていたのかなと思いますね。

映像からもその空気感は伝わってきます。声援はないけれども、会場の空気が温かいことがよく分かりました。

本当にアットホームな雰囲気でした。

小倉さんから見て、今回のライヴ映像作品の推しポイントは?

新しく作った衣装はもちろん、過去のライヴで着ていた衣装など、このパッケージだけでも10着以上の衣装が楽しめるところはひとつの魅力だと思います。パフォーマンスに関しても、日々向上心を持って取り組んでいますので、今までのライヴから成長している部分などを感じていただけたら嬉しいです。特典映像も盛りだくさんで、ライヴの裏側を追ったボリュームたっぷりのメイキング映像などもありますので、そちらも併せて楽しんでいただけると、本編にもより深みが出てくると思います。

今回収録された2020年と2021年のライヴを経て、どのような想いを抱かれましたか?

まずは、こうしてライヴを開催できること自体がとてもありがたいんだなと初心に帰ることができました。いずれまたリアルライヴを開催できるようになった暁には、さらなる感謝の気持ちを抱いて、自分自身も楽しんでパフォーマンスできるんじゃないかなって。今はひとりの表現者として、日々色々なチャレンジをしていくことにとてもやり甲斐を感じています。今後も自分自身が楽しみながら、さまざまなコンテンツをお届けしていけるんじゃないかなという確信がありますし、この先、年齢を重ねることで表現していける幅が増えるのかなと思うと、今からとても楽しみです。

取材:キャベトンコ

Blu-ray&DVD『小倉唯 LIVE 2020-2021「LOVE & Magic」』2021年12月8日発売 KING RECORDS
    • 【Blu-ray】
    • KIXM-471~2
    • ¥9,680(税込)
    • ※初回特典:スペシャルBOX仕様
    • 【DVD】
    • KIBM-888~9
    • ¥9,680(税込)
小倉 唯 プロフィール

オグラユイ:2009年に声優デビュー。以降、多くのTVアニメやゲーム作品などで主演やメインキャストを担当。近年では、番組ナレーションなど、活躍の場を広げる。多くの話題作で活躍する声優でありつつ、2012年に「Raise」でアーティストデビュー。18年には初となる単独アリーナ公演を成功させ、19年に行なった自身3度目のライヴツアーでは6都市7公演を大成功に収め、約20,000人を動員。20年には全楽曲のサブスクを解禁した。22年にソロアーティストデビュー10周年を迎え、12月に日本コロムビアへ移籍後初のシングル「Love∞Vision」リリース。23年4月にシングル「秘密♡Melody」を発表した。同年11月にシングル「Empty//Princess.」をリリース後、同月にワンマンライヴ『小倉 唯 Memorial LIVE 2023~To the 11'Eleven~』を開催。12月には7月に開催したワンマンライヴを収めた映像作品『小倉 唯 Memorial LIVE 2023〜10th Anniversary Assemble!!〜 Blu-ray』を発売する。小倉 唯 オフィシャルHP
小倉 唯 日本コロムビア アーティストページ

「PON de Fighting!」
(LIVE 2021「#Re♥LOVEcall」)

「Destiny」
(ONLINE クリスマス ライブ 2020
~Winter Twinkle Magic~)

「pyu♥︎a purely」
(LIVE 2021「#Re♥LOVEcall」)

「ハピネス*センセーション」
(ONLINE クリスマス ライブ 2020
~Winter Twinkle Magic~)

OKMusic編集部

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