台湾のソウル/R&Bシンガー・9m88、
ジャズ・ボーカル作品『This Tempor
ary Ensemble』本日配信

台湾のソウル/R&Bシンガー・9m88の新作EP『This Temporary Ensemble』が本日11月25日(木)にリリースされた。
今作には同フェスで演奏されたアレンジだけでなく、未発表のラテン風の新曲「Eyes」も特別収録されており、9m88がニュー・スクール大学(The New School)で深く培ったジャズ解釈における実力が発揮されている。

制作コーディネーターは9m88自身が、制作コンサルティングは『金曲奨』(Golden Melody Awards)にてプロデューサー賞を受賞した余佳倫(Chia-Lun Yue)が務めている。ミュージシャンの顔ぶれは、『金音創作獎』(Golden Indie Music Awards)で複数部門のグランプリを受賞し、『金曲奨』(Golden Melody Awards)にも何度もノミネートされたジャズ・ピアニストの蘇郁涵(Yu-Han Su)、『金音創作獎』の最優秀ミュージシャンにノミネートされた経験を持つギタリストの陳穎達(Ying-Da Chen)、バンド・生祥楽隊のパーカッショニストで各ビッグ・バンドや歌手らがコラボレーションしたいと指名する呉政君(Alex Wu)、現在アムステルダム音楽院でベースを学ぶ紀安(Julian Wittich)、そして長きにわたり9m88とコラボレーションを行っているピアニスト・唐寧(Ning Tang)とドラマー・陳彦丞(Devlin Chen)も参加している。

カバー・アートワークはNY在住経験があり、現在は台湾に帰国している画家・HOJANが腕を振るい、キュビズムのタッチにグレージングの手法を用いて9m88とバンド・メンバーの演奏を表現している。

9m88のことをジャズ・シンガーと言う人も稀にいるが、実際は9m88のこれまでのリリース作品には、ブラック・ミュージックやヒップホップの影響が色濃いものが多い。4曲が収録された今作『The Temporary Ensemble』は、9m88の純粋にジャズ本来の色合いを感じさせる初めての作品となっている。

【9m88 コメント】

新曲「Eyes」を除いて、このEPではミュージシャンたちと前の曲をリアレンジして新たに解釈してみたんです。他人の目と耳を通して、改めて曲を見つめてみると、曲に新たな命が吹き込まれただけでなく、曲がレベルアップしました。私の音楽がまた次の段階に入ったんです。

●「Eyes」について

「Eyes」は、9m88がニュー・スクール大学(The New School)に入学しジャズを主専攻としてから書いた最初の曲だ。Eyes(目)は魂の窓とも呼ばれ、子供の頃はとても透き通った、けがれのない、ほこりや不純物が一切ないもの。それなのに成長して社会に出ると、その厳しい風に吹かれて、曇りが生じてしまうことは避けられない。9m88は、子供時代の自分にはできていたことが多かったと気づく。だが成長すると、まるでほこりで覆われた窓のように、それが恐れになったり、恥ずかしくて遠慮してしまったりする。もう幼き日々の清純さが失われてしまったことに気づかされるのだ。

「Eyes」の曲で9m88は、初心に戻ろう、ピュアなままでいようと、目を介して自分自身に伝え続けたいと願っている。《カーテンを開けて、窓から光を入れてみて。あなたの部屋はまた新しい温もりを感じるようになるでしょう》と歌詞にあるように。

●「九頭身日奈 Nine Head Hinano」について

元々はおどけて皮肉めいたスタイルの「九頭身日奈 Nine Head Hinano」だが、多くの人達に見つめ直されて、アシッドジャズの魂が吹き込まれた。豊かなリズム感の中にジャズのコードが取り入れられたことで、「九頭身日奈 Nine Head Hinano」が新たに変貌を遂げ、トレンド感あふれる曲になっている。

●「平庸之上 Beyond Mediocrity」について

アルバム『平庸之上 Beyond Mediocrity』の同名曲の溢れんばかりの輝きとは打って変わり、『The Temporary Ensemble』バージョンの「平庸之上 Beyond Mediocrity」は、落ち着きのある抑制された雰囲気になっている。曲全体を内省的なスタイルで再解釈している。まるで3年前にファースト個人アルバムがリリースされたばかりで突進中だった9m88に“平凡を超える落ち着いた気ままなスタイルでいこう”と語りかけているかのようだ。

●「浪費時間 Waste Of Time」について

“時間”という概念の解釈は人によって異なる。ある人には速く、別の人には遅く、またある人には静止した動かないものという場合も。『The Temporary Ensemble』バージョンの「浪費時間 Waste Of Time」では、シンクロしていない各自の時間感覚というカオスをミュージシャンそれぞれが表現している。様々な楽器がそれぞれの時間感覚を抱きながら各次元で演奏に酔いしれているのにもかかわらず、また時間に背中を押されて前進し続ける。こういった点が、今回の「浪費時間 Waste Of Time」から、ジャズだからこそ表現できるうっとりする味わいを引き出している。
【リリース情報】

9m88 『This Temporary Ensemble』

Release Date:2021.11.25 (Thu.)
Label:P-Vine, Inc.
Tracklist:
1. Eyes
2. Beyond Mediocrity (平庸之上)
3. Nine Head Hinano (九頭身日奈)
4. Waste of Time (浪費時間)

■ 9m88 オフィシャル・サイト(https://9m88.co/)

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