A.B.C-Zが初演出を手がけ、“ジャニ
ーズ”の歴史と想いを未来へ繋ぐ『A
BC座 ジャニーズ伝説 at Imperial
Theatre 2021』ゲネプロレポート

『ジャニーズ伝説』は、ジャニー喜多川氏によって語り継がれた初代ジャニーズの実話を元にしたミュージカル。ジャニー氏が語った切ないノンフィクションの物語は、氏が太鼓判を押したエンターテイナーであるA.B.C-Zによって、初代ジャニーズの聖地とも言える日生劇場で演じられてきた。今回はA.B.C-Zが新たな演出・構成を手がけ『ABC座 ジャニーズ伝説2021 at Imperial Theatre』として、帝国劇場で初上演される。7 MEN 侍・Jr.SP・少年忍者といったフレッシュな面々が加わり、レジェンド・佐藤アツヒロも特別出演。新たな幕開けにふさわしい豪華な作品となっている。
ゲネプロ後の会見には、A.B.C-Zと佐藤アツヒロ、7 MEN 侍が登壇した。
――まずは初日を迎えての意気込みをお願いします。
五関晃一:私五関、めちゃくちゃ意気込んでおります!(笑)とにかく、全力を出し尽くしたいという気持ちですね。帝国劇場に立たせていただき、『ジャニーズ伝説』をまたやらせていただけるので、全力で頑張りたいと思います。
戸塚祥太:ジャニーさんの作品は、非現実的なものだったりファンタジーな世界だったりがたくさんある中で、この『ジャニーズ伝説』はリアルな方向に振り切った作品だと思います。一味違う雰囲気を楽しんでいただけたら。
橋本良亮:帝国劇場に立つのは何年かぶりですが、劇場に入っても「懐かしい」という意識はなく、やってやろうという気持ちになりました。あと、楽屋は五関くんと一緒に、光一くんとかタッキーとかが使っていた座長部屋をゲットしました!
河合郁人:ゲネプロを無事に終えて「ジャニーズっていいな」と感じています。あと今回、ショータイムの曲を全て僕が選ばせていただきました。ちょっとマニアックすぎたかなと心配ですが、劇場に来てくださったお客様にどう感じていただけるか楽しみです!
塚田僚一:今はA.B.C-Zですが、(Jr.時代の)A.B.Cの時にも『SHOCK』や滝沢くんの舞台、『DREAM BOYS』などを経験させてもらって、たくさん思い出の詰まった劇場です。そこで座長としてやらせてもらえることに感謝の気持ちです。そして、僕たちも先輩の背中を追ってここまで来たので、後輩たちにも「この舞台に立ててよかった」と思ってもらえるように頑張りたいと思います。
佐藤アツヒロ:ジャニーズの歴史の始まりを知る舞台に、自分が出演できることが嬉しいです。稽古の段階から、点と点が繋がって進んでいくんだなという歴史と未来を感じましたね。千秋楽まで精一杯頑張りたいと思います。
――光GENJIの曲を、Jr.を従えて披露しましたが、感想はいかがですか?
佐藤:楽曲に関してはA.B.C-Zさんに決めてもらったんですが、「ガラスの十代」の間奏とサビは当時の振りで踊りたいと言って、採用していただきました(笑)。
一同:腰が低い(笑)。
佐藤:全員でダンスできて気持ちよかったです!
矢花黎:僕は家族とチケットを買って『ジャニーズ伝説』を観にきたことがあるんです。ジャニーズの舞台の中で一番観たことのある作品に、ついに自分も立てるのがすごく嬉しくて初日を楽しみにしていたので、千秋楽まで頑張りたいと思っています!
――今回もご家族はご覧になるんですか?
矢花:そうですね、壮大な授業参観みたいな感じです(笑)。
本髙克樹:たくさんの先輩たちのおかげで我々『7 MEN 侍』というグループがいるんだと実感しましたし、グループ名が改めて好きになりました。ただ、グループ名に数字・ローマ字・漢字が入っていてスマホ入力が大変めんどくさいんです。その時間すら愛おしいと思っていただけるようなグループになれたらと思います!
中村嶺亜:僕らは今回、お客さんの視点でジャニーズの軌跡を体験する、すごく大事な役を任せていただいています。特にラストで戸塚くん演じるジャニーさんと7 MEN 侍が話すシーンが僕は大好きで。今、CDデビューやその先の夢を追いかけている僕らの背中を、天国で見守ってくれるジャニーさんが押してくれているような気持ちになります。全ての大事なシーンを、心を込めて演じていけたらと思います。
菅田琳寧:私はジャニーズ好きとして、『ジャニーズ伝説』でジャニーズの歴史を振り返られるのがとても楽しくて。7 MEN 侍のバンドもバーンと見せられて、私はアクロバットも見せることができて。
河合:すごい、一人称が「わたくし」。
戸塚:琳寧、こういうとこではちゃんと「私」っていうんだね(笑)。
菅田:俺らがバンドやってるっていうこととか、いろんなものを見せられるので、全力で頑張り申したいと思います(笑)!
佐々木大光:僕はジャニーさんとこの作品を見学したことがあるんです。その後もジャニーさんが『ジャニーズ伝説』の資料を「見たほうがいいよ」って渡してくれるくらい愛していた作品。その舞台に僕も立っていることを、ジャニーさんが喜んでくれていたら嬉しいなと思います。
今野大輝:『ジャニーズ伝説』は、芝居やショータイム、たくさんのものが詰まった舞台になっていますので、千秋楽まで頑張りたいと思います!
――今回、新演出ですがやってみていかがですか?
河合:演出については、ワシントンハイツのシーンをラップ調の曲にしようととっつーと話したり。お芝居というより、曲のパフォーマンスが増えたかもしれないですね。
塚田:前回の『ジャニーズ伝説』も展開が早くて、本当に旅してる感じなんです。今回はよりナンバーが増えて、袖のドタバタもすごいです。
橋本:郁人はステージ上にいるより客席にいるほうが多かったかなと。なんか監督みたいな。
河合:(笑)。監督として何か指示を出すというより、照明の見え方チェックとかをしました。あと、この旅にはジャニーさんもですがメリーさんも同行していたので、今回はみんな、ジャニーズの4人だけじゃなくジャニーさんとメリーさんもいるという気持ちで演じています。2人とも「出さないでよ!」って怒ってるかもしれない(笑)。
橋本:そんなことないでしょ(笑)。
河合:ジャニーさんがいたときは、名前を出さないでという感じだったので。とっつーの役を「ジャニーさん」と呼ぶのは、実は今回が初なんです。
塚田:怒られるかもしれないですね、「なんで僕の名前出してるの!」って。
――ジャニーさんが見ていたら、どんな言葉をかけてくれると思いますか?
橋本:以前言ってくださった「僕はyouたちのファンだよ」という言葉があるだけで自信につながりますし、安心してステージに立てます。
河合:それ以上の言葉があるなら、「最高だよ」も嬉しいですけど、「進化したね」とか「パワーアップしたね」と言ってもらいたいですね。
続いて、各グループと佐藤に対し、今年一年を漢字一文字で表すと?という質問が出ると、五関が「数字の5。五関なので」とボケ、メンバーから「グループの漢字だって」「せめて漢字の五にして」と総ツッコミを受ける。
気を取り直した河合が「叶」を挙げ、ファンの協力もあってコロナ禍においてもライブなどの成功を叶えてこられたと感謝を伝えていた。
7 MEN 侍は中村が「舞」と答え、この一年グループでも個人でも多くの舞台に立ち、経験を積むことができたと振り返る。帝国劇場で上演される作品への出演は、2022年1月からの『JOHNNY’ S ISLAND』も含めると4回と話す中村に、A.B.C-Zの面々は驚愕の表情を浮かべていた。
そして佐藤が「2つが素晴らしい漢字だから僕はやめようかな(笑)」と言い出し、後輩たちは爆笑。悩みながらも「感」という字を選んだ佐藤は、「人との触れ合いができない状況下でも、お互いに様々なことを感じられればもっと幸せになれるのかなと。それと感謝の気持ちを込めて」と笑顔を見せた。
最後に代表からの一言&掛け声を求められ、A.B.C-Zの誰が担当するかの話し合いに。塚田が任命されるも「せーの、僕たち、ジャニーズ!でいい?」という提案に河合が「だっせえ!」と突っ込み、メンバーたちも大笑い。佐藤が「(僕たちジャニーズは)間違いじゃないよ!」とフォローする和やかな一幕が繰り広げられる。
さらに、河合が提案した代表コメントを復唱しようとする塚田を見かねた橋本が「僕がやります!」と引き受け、「外はすごく寒いですが、見ていてあったまる作品ができたんじゃないかと思っています。ジャニーさんとメリーさんも天国で絶対に見守っていてくれると思いますし。ジャニーさんからもらった言葉を自信に、最後まで頑張ってステージに立ちたいです」とまとめ、全員で「ジャニーズ!」と元気いっぱいに締めくくった。

<あらすじ>
野球チームの監督に勧められて観た『ウエストサイド・ストーリー』に魅了されてエンターテインメントの世界を志した少年たち。若者の夢に寄り添い、監督から社長になったジャニー氏のサポートをうけ、彼らは知名度と人気を不動のものにしていく。日本の芸能界の頂点へと上り詰めた初代ジャニーズは、さらなる成長を求めてアメリカへと渡る。多くのアーティストと出会い、伝説的なエンターテイナーからも実力を認められて、ついに全米デビューの夢を掴もうとしていた。
そんな中、日本のテレビ局から帰国を要請される。アメリカでデビューするチャンスを逃したくないと思う初代ジャニーズと、万が一全米デビューが失敗した際、日本にもアメリカにも居場所がなくなるかもしれないと危惧する社長。悩んだ末、またアメリカに戻ることを決めて帰国するが――。

冒頭では、デビューしたばかりのなにわ男子も含めたグループ名を盛り込んだ「We’ re ジャニーズ」2021年版が披露される。煌びやかなダンスが、これから始まる物語へのワクワクを高めてくれた。
初代ジャニーズを演じるのは、A.B.C-Zの橋本・河合・塚田・五関。若者らしい勢いと素直さ、苦悩をストレートに見せ、眩しく切ない物語を好演している。
彼らを導き、ともに夢を追いかける社長ことジャニー氏をA.B.C-Z戸塚、魅力溢れる楽曲を多数プロデュースしたバリー・デヴォーゾンを佐藤が演じ、頼れるプロデューサーでありながら少年のようなピュアさと情熱を持つ彼らをチャーミングに表現。
さらに、話の流れはこれまでの『ジャニーズ伝説』と同じだが、7 MEN 侍が現代と1960年代を行き来し、ジャニー喜多川氏の想いを受け取るポジションで参加。初代ジャニーズの伝説を追体験し、時に当時のステージに乱入しながら、エンターテインメントの魅力や厳しさを改めて理解していく。先輩たちの背中を見て、言葉を受け取り、自分たちの道を進む決意をする姿に胸が熱くなった。
また、アメリカへ旅立つシーンでは佐藤が新曲の「American Dream」をキラキラと歌い上げたり、バンドとして活動する7 MEN 侍の参加によってアメリカでのリハーサルは見どころたっぷりのライブシーンになったりと、魅力的な楽曲が物語を彩る。
Jr.SPを従えた佐藤の艶やかで貫禄あるパフォーマンス、河合と佐々木のドラムによる掛け合い、7 MEN 侍のメンバーのソロパート、それに合わせたA.B.C-Zの面々の歌唱とダンスなど、それぞれの個性を活かした楽しさ満点の仕上がりになっている。
本編の後に行われるショーステージでは、20を超えるグループの楽曲が次々に披露された。キュートなものや格好良いもの、セクシーなものまで、多彩な楽曲とパフォーマンスから、ジャニーズが築き上げてきた歴史を感じられる。佐藤を中心とした光GENJIの楽曲ではローラースケートで舞台上を所狭しと駆け回るほか、A.B.C-Zのメンバーが一人ひとりメインを担当する楽曲やジャニーズJr.たちのメイン曲もあり、見応え充分だ。
そして、アクロバットを得意とするA.B.C-Zらしいダイナミックなパフォーマンスは季節に合わせたクリスマスバージョンに。大きな機構を使ったアクロバットを成功させた後はキレのあるダンスで魅せ、最後は出演者全員で堂本剛が書き下ろした「You…」を披露。未来への希望と願いを感じさせるラストを迎えた。
ジャニーズの歴史と未来を感じさせる本作は、12月7日(火)より21日(火)まで、帝国劇場にて上演される。
取材・文・撮影=吉田沙奈

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