仲村宗悟

仲村宗悟

【仲村宗悟 インタビュー】
「流転」はサウンド面で
また新しいところを見せられたと思う

2021年の秋に自身初となる全国ツアーを行ない、成功を収めた仲村宗悟。そんな彼から新たなシングル「流転」が届けられた。TVアニメ『最遊記RELOAD -ZEROIN-』のED主題歌に抜擢された表題曲に加えてカップリング曲も充実している同作は、必聴の一作と言える。アーティストとしてさらにひとつ上のステージに上がったことを感じさせる仲村宗悟の最新の声をお届けしよう。

人と人との心の距離が近い、
温かいライヴがしたいと思った

昨年10月から11月にかけて行なった『SHUGO NAKAMURA 1st LIVE TOUR ~NATURAL~』はいかがでしたか?

1stツアーだったし、僕はワンマンが初めてだったので、すごく気合が入っていたんです。“こんなこともできるかな? あんなこともできるかな?”といろいろ考えていて。そういう中で、スタッフと会議をして“NATURAL”というツアータイトルをつけたんですけど、そのとおりのライヴにしたいと思ったんですね。人と人との心の距離が近い、温かいライヴがいいなと。だから、そのままの自分を出したいというところから今回のツアーは入っていって、それは実践できたんじゃないかと思います。無理にカッコつけたり、背伸びしたりすることなく、等身大の自分を見せることができたと感じています。

ツアーファイナルを飾ったKT Zepp Yokohamaのライヴを観させていただいて、それは感じました。ステージセットを組んだり、凝った演出を入れたりすることなく、純粋に音楽で勝負するライヴでしたね。

はい。最後のKT Zepp Yokohamaはちょっと大きい会場でしたが、ツアー通して全公演ライヴハウスだったから、“ライヴハウスってこうだよな”というステージにしようと思ったんです。ライヴハウスに初めてくるお客さんが半分くらいいらっしゃったんで、そういう人たちはライヴのノリ方とかが分からないと思うんですよ。なので、最初はお客さんのほうがライヴハウスという場所に緊張していると感じたので、“ライヴハウスというのは自由にノッて、踊っていいんだぜ!”という声かけから始めました。あとは、今回のツアーは大阪公演から始まったんですけど、初日のライヴを振り返ってみた時に反省点がいっぱい見つかったんですね。“ここの間はもっと詰めたほうがいいな”とか、“MCはもっとこういうアプローチで持っていったほうが伝わりやすいな”とか、“この曲の最後はもう少し伸ばして余韻を残そう”とか、そういうことがいっぱい分かったから、次の名古屋は劇的によくなりましたね。

初のワンマンを終えて“楽しかった!”で終わらせることなく、すぐに反省点を洗い出す辺りはさすがです。それに、KT Zepp Yokohamaでもファイナルということに臆したりすることなく、本当にライヴを楽しんでいることが伝わってきました。

それなら良かった。実はファイナルの当日の僕はスーパー腹痛に襲われていたんです(笑)。朝起きたときから“う〜、どうしよう?”と思うくらいの腹痛だったんです。本当にライヴが始まるギリギリまで何度もトイレに行ったり来たりしていたし。でも、ライヴが始まってしまえば、1曲目の途中くらいからだんだん忘れていきましたけどね。

体調が悪いようには見えなかったです。それに、MCなどでそれを一切言わなかったことからは意識の高さがうかがえます。

音楽やライヴを楽しみに来ている人に変な情報はいらないと思っているで。だって、エンタメですからね。お客さんに気を遣わせるのは違うと思うんですよ。だから、これからも多少体調が悪かったりしても言わないと思います。

さすがです! ライヴに関してはサポート陣もいいメンバーが揃っていますね。

めちゃくちゃいいです(笑)。こんなに贅沢なメンバーを揃えられるなんて、本当にあり難いと思いました。彼らと一緒にバンドをすることができて本当に良かったです。僕は“仲村宗悟+サポート”みたいには思っていなくて、一緒にライヴを作っているメンバーととらえているんです。みんな僕よりもちょっと年上ですけど、ほぼ同世代のプレイヤーというのをプロデューサーも考えてくれたんですよ。しかも、若い世代で超絶うまい人を集めてくれました。メンバーのみなさんにはレコーディングでもお世話になっているんですよ。そういう間柄なので、すごくバンド感が出ていたんじゃないかと思います。

出ていました。続いて、ツアー中のオフタイムで印象に残っている出来事なども話していただけますか。

“自分はどうしたらスイッチが入るかな?”とか、“いいライヴができるかな?”ということを考えて、今回のツアーはライヴの前日を必ずオフにしてもらっていたんです。地方に行く時は必ず前日から現地に入って、ひとりでその土地の美味しいものを食べていました。ただ、大阪はもう何度も行っているし、美味しいご飯をいっぱい食べているので、大阪だけフレンチを食べました(笑)。

あえての“大阪フレンチ”ですね(笑)。

はい(笑)。でも、前日に土地のすごく美味しいものをひとりで食べるというのは良かったですね。食べ物にはそれぞれの土地の風土みたいなものが表れているし、現地の人と話せるし。福岡では靴が欲しくなったんですよ。“なぜ、旅先で?”と思うけど(笑)。スケーターシューズ屋さんがあったんで入ってみたら、いいのがあって欲しくなったですよね。そこの店員さんに“福岡では何を食べたらいいですか? やっぱりラーメンやもつ鍋ですかね?”と訊いたら、“ラーメンももつ鍋もどこでも食べられるから魚を食いな”と言われたんです。で、調べて食べに行ったら、本当に美味しくて! そういうことを体験した上でライヴをするのと、ただライヴをするだけでは大きな違いが出てくる気がするんですよ。だから、今後のツアーでも土地土地の食や空気に触れるということは続けていきたいと思います。
仲村宗悟
仲村宗悟
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OKMusic編集部

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